大曲農業高校では308人が巣立つ
「己を大切に日々新たな人生を歩め」と伊藤校長(3月3日・月)
弥生3月と共に大曲市内の高校では1日の大曲高校を皮切りに、2日の大曲工業高校、そして3日には大曲農業高校の卒業式が挙行された。さらに5日午前10時からは私立秋田修英高校、7日午前10時からは大曲養護学校の卒業式が挙行される。
大曲農業高校の卒業式は午後1時半から挙行された。昨年で創立110周年を迎えた伝統校。卒業生は本校277人、太田分校31人の合わせて308人。ブラスバンド演奏と教職員、来賓、保護者の手拍子で卒業生は会場の体育館に胸を張って入場した。国歌斉唱の後、卒業証書を授与した伊藤甫校長は歌人で書家の会津八一の言葉を紹介しながら「人間等しく、明日こそは己の人生を切り開かんとする希望や意気込みをもっているもの。己の人生を大切にし、日々新たなる人生を歩まれよ。そしていつの日か、我が母校・大農の前に誇らかに立たれよ」とはなむけの言葉をおくった。
続いて農友会長の小西省吾元仙北町長と三浦常男PTA会長が祝辞を述べ、在校生代表が「先輩たちは教科書に書かれてない、多くの大事なことを教えてくれた。農業を通じて命の大切さを学び、大農は地域の人たちに支えられ、愛されていることを学んだ」と送辞の言葉を送った。これを受けて卒業生を代表して高橋裕琢君が「農産物の輸入など農業を取り巻く環境は悪くなる一方で、私たちの目の前には多くの困難が立ちふさがっている。どんなに苦しくても今日いただいた激励の言葉を胸に刻んでたくましく行きていくことを誓う」と答辞を述べた。
大農の卒業生308人のうち4年制大学へ進学するのは21人。そのうち、国公立大学は9人で、県立大学のシステム科学技術学部に初めての合格者を出す一方、千葉大学、筑波大学の合格者も出るなど内容も充実した。しかし、就職は過去に例のないほど厳しく、145人のうち、地元企業への就職が内定したのは95人、県外24人で、26人が未定のまま卒業という。進路指導部では「経済は今後も楽観できない状況だ。就職は複数応募制となり、応募の機会は増えるが求人が増えない限り厳しさに変わりはない。生徒の進路目標達成のために何が必要か。今年はこの課題に向かって学校全体で取り組まなければならない」と引き締める。
創立110周年の歴史を刻んだ大農。その校歌は「旻天(びんてん)高く聳え立つ 見よ鳥海の金字形 貢河の流れ長へに 見よ洋々と流れ行く そこに無限の暗示あり ここに栄ある我等あり」と漢詩調で格式の高さが自慢。メロディーは哀調を帯びた明治のロマンを感じさせる。来賓として参列したかつての先輩たちは「今も校歌を聴くと胸が熱くなる」と誇らしげに歌詞を見つめていた。