3つの職場から3つの事例発表
公社化する郵便局は苦情ゼロ運動への取り組み(3月5日・水)
大曲市小集団活動推進協議会(高柳恭侑会長)主催の「第11回小集団活動発表交流会」が4日、地域職業訓練センターで開かれた。企業や事業所の第一線で活躍している社員や職員が製品やサービスなど管理・改善に継続的に取り組んでいる内容を発表し、職場の活性化と他業種への波及効果を目指そうという集い。この日は社会福祉法人県南ふくし会が運営している西木村の特別養護老人ホーム「清流苑」の栄養士や大曲郵便局職員、JR大曲駅員がそれぞれの職場での工夫と取り組みを発表した。
発表会には同協議会のメンバー25企業を中心に約100人が聴講に訪れた。始めに高柳会長が「規制緩和によって企業間競争は激しくなる一方で、農業も食糧法の改正で5年後にはコメも自由に作れ、自由に販売する時代となる。企業が生き残れるためには顧客との緊密なサービスのつながりが大事だ。そのためにも小集団活動も努力しなければならないし、今日の発表を今後の参考にするためにも楽しみたい」と述べた。
そして清流苑の佐藤淳子栄養士は「納豆だって選ばせて」と題して老人ホームでの楽しい食事の原点を語った。佐藤さんは毎日の食事に出されるふたを開けてネギなどを盛り込んだカップ入りの納豆に疑問を抱いた。納豆が嫌いな人もいるだろうし、ネギが嫌いな人もいるのではないかと。そして食べたい時に好きなのを選べ、納豆のふたもお年寄りが食卓に付いた時に開けると新鮮なものを食べれるとバイキング方式で改善。その結果、食べたくない人は納豆のふたを開けないので食べ残しのゴミにもならないし、厨房職員の手間も省け、ほかの料理に手がかけられる。さらに経済的にも節約になったなどと報告。主食もご飯、おかゆ、おにぎり、それにめん類も加え、夕食の飲み物もビールや冷酒、梅酒なども加え、一人ひとりに食事を選べる喜び、楽しめる工夫をしたと述べた。
大曲郵便局の鳥居一男郵便課長は「大曲郵便局ACTION90の取り組み」と題して発表。郵便局は4月1日から「日本郵政公社」へと移行する。公社化になる前こそ努力して郵便局の経営基盤を確立し、市民から「大曲郵便局は変わった。地域になくてはならない存在だと言われるサービスの向上に努めるべきだ」と職員一体となって苦情をゼロにするための運動を報告。鳥居さんたちが最も力を入れたのは郵便物の誤配をなくすことだった。昨年4月1日から今年2月28日までにあった同局へのクレームは124件で、そのうち67件が誤配への苦情だったと言う。
「配達サービスを本業とする郵便局としてお客さまの立場に立ったサービスに欠けている」と認識。誤配をした職員を処分するだけだけでは〃特効薬〃にならないと「3カ月かけて話し合い、説得し誤配ゼロを目指した」と意識改革のトレーニングに努めた事例を発表。そして誤配した時はその担当者が責任を持って謝りに行き、苦情にも真っ向から耳を傾け、その苦情こそ氷山の一角と捉え「声なき声」を吸収する真摯な態度でサービスに臨みたいと語った。
JR大曲駅の斉藤益美さんは「大変お待たせ致しました」と題して、窓口業務でお客さんを待たせないための努力と工夫を報告。運賃にすぐ応えられない、列車の席が海側なのか山側なのか分からない、払い戻し時間、乗り換え時間の案内、電話応対に時間が長く掛かっているなど現状を把握することに努め、そうした問題をどう解決するかをチームを組んで取り組んだ成果を発表した。
聞いている会場からも質問や意見が活発に出された。郵便局の苦情ゼロ運動に対しては「社員には店へのクレームがあっても決して処罰しないから、どんどん報告するようにと指導している。お客さまからのクレームをなくすのも大事だが、それをなくそうとすると苦情があっても隠そうとし、逆効果となってしまう」と苦情を逆に集める努力も必要ではないかとの提案があった。
3人の発表に対して最後にJR大曲駅の塚田修駅長、県南ふくし会の石川勝三理事長、大曲郵便局の大橋信夫局長が講評した。