仙北町の須田愛理良さん達成
12年間の記録を胸に刻んで仙台市の福祉専門校へ(3月5日・水)
人は生きている限りいろんな記録に挑戦するのもいい。挑戦してそれを達成した時の喜びを味わうのもいいし、挫折して悔しさから立ち直る強さを体験するのもいいだろう。仙北町高梨字水里117、須田愛理良(えりな)さん(18)は小学校から中学、そして高校時代の12年間を一度も休まず、遅刻せずの記録を樹立した。3日の横手城南高校での卒業式の日、須田さんは藤原諄悦校長から「皆勤賞」を受けて卒業した。友だちも先生も小・中学校、そして高校も無遅刻、無欠勤でやり通したとの話を聞いて「愛理良ちゃんやったね」と驚いたり、祝福した。須田さんは無遅刻、無欠勤の「思い出」を胸に刻んで春4月からは仙台市の福祉専門校に入学する。将来は「介護福祉士」を目指したいと目を輝かした。
須田さんは会社員の照男さん(61)と理容業を営んでいるスヱさん(57)の長女として生まれた。小・中学校では陸上とバスケットボールの選手で活躍。高校に入ってからは陸上選手として頑張った。高校には列車通学だった。夏は自転車で大曲駅に走り、午前7時20分の電車に乗った。冬は母のスヱさんが車で駅まで送り続けた。
学校を「休まない」と意識しだしたのは小学2〜3年生からだった。遅刻もしたくないとも思った。だから朝はただ学校に行くことが自分にとっては自然な日課となった。しかし、中学時代にはバスケットボールの部活でけがをしたこともあった。それでもめげず母の車に乗せてもらい学校に通った。学校では松葉杖を手に過ごし、学んだ。カゼをひいて辛い時もあったが学校だけは休むまい、遅れまいと通った。
高校に入ってからは陸上部に席を置いて選手生活を送った。厳しい練習、そして練習しても記録が伸びず、悩んだ時もあった。「学校を休みたい」との誘惑にかられたこともあった。しかし、休んだら自分に負けると思い、カバンを手に自宅を出た。高校での部活は放課後の暗くなるまで続いた。自宅に帰ると夜8時過ぎだった。それでも「学校には苦しい時もあるが、楽しくさせるものもある」と通い続けた。
そして横手城南高校の卒業式の日。藤原校長から「他の模範である」と皆勤賞を受賞した時は自分に「やった!」と心で叫んだ。その話を聞いた友だちも担任の先生も「愛理良ちゃん、すごいね」と祝福した。12年間、一度も学校を休まず、遅刻せずの記録は須田さんだけのものだが頑張り通した記録は須田さんの大きな財産だ。
今後は母の下を離れ仙台市のアパートで暮らしながら福祉専門校へ通う。「看護師にもなりたいと思ったが、人を助ける道に変わりはないと思い福祉介護士の道を選んだ」と須田さん。その笑顔にはやはり12年間、無遅刻、無欠勤をやり通した自信があった。「専門校を卒業したら小さなホームでもいいから地元で、おじいさんやおばあさんの世話をしたい」。須田さんは将来を見つめた。