大曲養護学校の卒業式

子供たち個性を発揮しながら卒業

子供の立派な成長に目頭をぬぐう父母も(3月7日・金)

 卒業証書の授与県立大曲養護学校(田口武俊校長)の卒業式が7日午前10時から同校体育館で挙行された。小学部から7人、中学部から14人、そして高等部から23人の合わせて44人が卒業した。体育館には生徒たちの父母、多くの来賓、そして教職員が身を寄せあうようにして着席し、入場してくる卒業生を迎えた。知的障害という重いハンディを背負った子供たち。晴れの卒業式の場でも立ち上がったり、奇声を挙げるなど、それぞれの個性を発揮していたが、その成長を見守り、学校にゆだねてきた父母たちは心のこもった式の運営に目を濡らしながら「卒業証書授与」に拍手を送っていた。

 ピョンピョンと跳ねながら入場する子もいた。車いすに乗ったまま顔をうつむけながら入ってくる子もいた。堂々と胸をはって入場する子もいた。先生が付き添ってないと別方向へ向かってしまうような子もいた。みんな違う個性を持った子供たちだった。卒業生も含めた児童・生徒は130人。その子供たちを先生、宿舎での生活の面倒を見る職員も含め114人の教職員が一体となって見守り、一人立ちして生きられるよう智恵を育ませ、指導をしてきた。

 国歌斉唱の後の卒業証書授与では名前を呼ばれた児童、生徒が田口校長に向かって歩きだすと「実習を通して、働くことの楽しさと幸せを肌で感じ取った克洋さん。卒業してもみんなはあなたを注目して信じています。負けるな」と一人ひとりの頑張りを紹介し、励ました。卒業証書の授与でも顔を横に向けたままでないと腰を曲げれない生徒もいた。付き添いの先生が支えてないとジッとしておれない児童もいた。車いすの子供には田口校長が自ら歩きだして卒業証書を授与した。

 それを温かく見守る父母や来賓、教職員たち。卒業生と在校生が向き合って呼びかけ「生まれてきてよかった」など「よろこびのうた」の合唱が始まると濡れた目頭をハンカチでソッとぬぐう人もいた。きっとそうした人たちの胸には「よくここまで育ててくれた」と学校の教育の力と愛情への感謝が強く去来したのだろう。田口校長は「苦しんだことも悩んだこともあったと思う。それを乗り越えてよく頑張り、立派に成長した。保護者の皆さまにも気苦労が多かったと思う。高等部を卒業された皆さんはこれから社会人として夢や憧れを持ち、巣立っていく。身近なところに目標を持って、明るく一歩ずつ前進して下さい。そして感謝の心を忘れないで下さい。皆さんの前途に幸せがいっぱいあることを祈ってます」と式辞を述べた。

 卒業生と在校生が向き合って「喜びの歌」を歌った高等部卒業の23人のうち11人は一般企業への就職を目指して努力する子もいれば県の「就職サポート事業」の支援を受けて県立農業科学館や埋蔵文化財など教育施設で働く子もいる。また小規模作業所など福祉就労する子もいる。より確かな自立を目指して県外の更生訓練所へ進学する子もいる。障害を持った子供たちにはまだまだ厳しい社会情勢だが、希望する進路に向かって頑張る決意だという。