町民がボランティアで参加、研修会開く
江戸時代の侍と農家との関係を語る貴重な資料も(3月27日・木)
市町村合併を前に町の歴史を調べ町の「通史」編さんを目指している太田町では、このほど町文化プラザ多目的ホールで町史編さんにボランティアで参加している町民を対象に「歴史講座とボランティア研修会」を開いた。町史や通史編さんと言えば歴史専門の学者に任せきりという例が多いが、同町では町民の協力でまとめたいとボランティアでの参加を募った。その結果、39人から申し込みがあり、町外からも4人の参加があった。
この日は約30人が出席、始めに同町史編さん監修者として協力している県立博物館の富樫泰時館長が「歴史は今を知るよい機会」と題して講話。富樫館長は「町史は自分たちとの暮らしとは違うという意識があるが、町の人たちが自らの手で町の歴史を調べ、掘り起こすというのはとても意義のあること」とボランティアでの参加者を励ました。
続いて町史編さん室の細川良隆係長が「通史」素案を説明。通史は第1編「太田の自然・環境」、第2編「原始の太田」、第3編「古代の太田」、第4編「中世の太田」、第5編「近世の太田」、第6編「近代の太田」、第7編「現代の太田」、第8編「太田の民俗・地名」からなり、1000ページにする方針という。発行は市町村合併後の06年の予定だが、ほかに資料集、写真集も発行する。編さん室では「珍しい写真や古文書など資料があったら提供してもらえるよう呼びかけてほしい」とボランティアの人たちに協力を求めた。
同編さん室によるとこれまでの資料収集で貴重な写真や古文書など2000点ほどの資料が集まったが、さらに2600点もの資料が寄せられた。富樫館長と共に同町史監修者として協力している財団法人民族芸術研究所(たざわこ芸術村)の茶谷十六所長は「江戸時代の侍と農家との関係を知る貴重な資料も見つかった」と話す。茶谷さんは「『給人別石高割合』や『指上高人別帳』などを見ると普通は年貢である米は全部、殿さまに納め、殿さまから家来に石高で支給されるものだが、国見下関という集落から出た古文書を見ると108人の百姓名が書かれ、そこに22人の侍が土地を持っていて、年貢はその侍に納められており、侍と農家との関係がとても興味深い」と指摘する。こうしたデーターはすべてコンピューターに打ち込まれデーターベース化されている。
また町史編さん室では町民から提供された貴重な写真で汚れたり破損している写真をコンピューターで修正し、復元するという作業も行っている。