味覚修飾植物研究家の島村さん
千畑町の千屋小や千畑中などで味覚の講座(5月2日・金)
「ワッ。まずい!」。「甘くない!」。甘いはずのチョコレートを食べたり、砂糖をなめた子どもたちが甘くないと驚いた。千畑町の千屋小学校(藤井誠子校長)で1日、大曲市出身で味覚修飾植物の研究家・島村光治さん(28)=愛知県知多市在住=の「驚きの味覚体験」講座が開かれた。5・6年生の児童と先生たち100人が講座を受けたが、子どもたちはギムネマの葉やミラクルフルーツの実を試食し、チョコレートを食べても甘くなかったり、レモンジュースを飲んでも酸っぱさを感じさせない味の変化に驚いたり、興奮していた。島村さんは「この日の講座でちょうど8000人が私の話を聞いたことになります」と記念日としていた。2日は田沢湖町の生保内中と千畑町の千畑中でも講座を開いた。
島村さんを招いた藤井校長は島村さんが6年生の時に学年の担当だった。島村さんは大曲小、大曲中を経て秋田高専電気工学科を卒業、名古屋市の絶縁体メーカー「日本ガイシ株式会社」の中央研究所に勤務している。味覚修飾植物の研究で東海地方の小中学校などでボランティアの体験講座を開き、話題になっているのを新聞で知った藤井校長は中仙小学校長をしていた時も島村さんを呼んで講座をお願いした。今回も千畑中学校で開くことになったと聞いた藤井校長が「なら、ぜひ千屋小でも」と依頼した。
島村さんと味覚修飾植物との出会いは16歳の時だった。読書を通じてミラクルフルーツという不思議な植物があることを知った島村さんは植物園に電話して調べようとしたら「そのような植物は知りません」と言われてガックリ。やっと関東地方にそれを見つけたが、栽培方法は誰も知らなかった。なら自分で育ててみようとミラクルフルーツの栽培研究を始めた。そしてその実を食べたら、酸っぱいはずのレモンが甘く感じるのを知って味の研究を始めた。
子どもたちにそうした植物との出会い、そして不思議に思ったことから研究を始めたと「不思議に思うこと」の大切さを島村さんは語った。さらに舌が味を感じるのはなぜかなどをスライドを使って説明。同時に食べ物の好き嫌いはなぜ起きるかを「第一印象と食事中の雰囲気、経験が原因」と語った。第一印象では初めて食べたトマトが「まずい」と感じてしまうとそれが頭の中に記録され食べれなくなると島村さん。嫌いなものをなくすにはマズイと思ったトマトでなく、別なおいしいトマトを食べてみて頭の中に入ってしまった「マズイ」という情報を早めに書き換える必要があると強調した。雰囲気では食事中は家族でコミニュケーションを深め、楽しく食べることで好き嫌いをなくすと述べ、経験では食べたもので食中毒になると、それを食べれなくなるとも語った。
また近年、若い女性が味を感じることができない「味覚異常」という病気になる例が多いのは「亜鉛不足が原因で、カップラーメンやカップヌードルなどファストフードに頼り過ぎると病気になりやすい。海草、そば、貝類、魚、お茶など亜鉛を多く含む日本食を取るべきだ」と注意した。