大曲古文書解読研究会

平福百穂あての書簡などを解読

総会で役員は再選、新規会員を募集へ(5月15日・木)

 大曲古文書解読研究会の総会が14日、大曲市の広域交流センターで開かれた。会員24人のうち18人が参加、始めに野藤鳳山会長=同市角間川町・覚善寺住職=を講師に「小場恒吉・山中蘭径・北大路櫓山人の書簡」の解読研究が行われた。

 古文書は身近な郷土の歴史を探り、先人の息吹に触れられる貴重な資料。しかし、そこに書かれている文字は崩し字のため、解読するには専門的な知識が必要。この日の解読資料の一つとなった文様作家・小場恒吉の書簡は角館町出身の日本画家・平福百穂(明治10年〜昭和8年)にあてた書簡。「拝啓。先晩はご繁忙のところ、大勢参上しおじゃま申しあげ候(そうろう)。その節、無遠慮にも御金具の大金(おおがね)を即座にちょうだい致し、両君も感謝致しおり候。なんだか、ばかにお高いものになり、小生もいささか驚き申し候。御屏風もはや御出来のころと存じたてまつり候。連日の御努力、御疲労もまかるべく、時下ご自愛祈りたてまつり候」とあった。つまり百穂から依頼を受けてデザインした屏風の金具の模様が金具屋に作ってもらったら「ばかに高いものとなってしまって」と謝罪を込めての書簡。

 候文(そうろうぶん)であり、しかも筆で描かれた文字は力強く、達筆だが読める文字は「御邪魔」とか「大金」、あるいは「感謝」や「屏風」だけ。ほとんどは流れるような崩し字ばかり。それを解読するには「古文書解読辞典」などで学び、専門知識を養わなければならない。野藤会長は「漢字を正確に崩した文字なら解読も易しいが、我流で崩されると文書の前後から判読するしかない」と話す。会員たちは解読資料として渡された古文書のコピーを手元に置きながら野藤会長が解読し、朗読する言葉を熱心にメモし、振りがなを付けていた。会員の一人は「最初のうちは何が書かれているのか全くの未知の世界だったが、少しずつ馴れ、解読できるようになるとその奥の深さ、面白さから抜けられなくなる」と古文書解読の楽しさを話していた。

 研究会の後は総会を開き、03年度の事業計画などを決めた。今年の事業としては6月下旬から7月上旬にかけて2回目の研究会を図書館で開き、10月には研修視察、そして12月と来年3月に解読研究会を開くことにした。また同研究会ではもっと若い人たちにも参加してもらい、会の運営を活気づけたいと会員を募集している。会員たちは「古文書は難しくて取っつきにくいと思われがちだが、最初は読めなくても皆で解読していくうちに理解し、誰でもたのしめるようになる」と話す。年会費は3000円。

 役員は全員が再選された。

 ◇会長=野藤鳳山
 ◇副会長=三浦志良、高橋富美雄
 ◇幹事長=高橋長一郎▽幹事=池田光、加沢美智子、高階光智
 ◇監事=有明孝、才田喜悦