六郷町の学友館
秋田の自然をテーマに絵のような模様が感動(5月23日・金)
六郷町の「学友館」で陶芸家・鈴木宏之さん(67)=同町六郷字馬場=の「陶芸展」が開かれている。ふるさと秋田の空や海、草原、湖を「焼き物」で表現したいと公務員だった鈴木さんが趣味から始めた陶芸だったが、その神秘的で絵のような美しい模様を生み出した作品は中央展でも認められ、「一穂(いっすい)焼き」として知られ、深い感動を観る人たちに与えている。
鈴木さんは1965年から陶芸を始めた。そして15年後の79年に秋田県職場展に出品した「ひょうたん」が労働大臣賞を受賞。翌年からは県展や県工芸展、さらに県発明展で特選を受賞したほか、中央展の日展や光風会で入選や奨励賞に輝き、雅号・一穂(いっすい)としてデビューした。陶器に描かれた独特の作風は深まりゆく晩秋の水面を描いたり、夕映えの情景にもなる。
今回の作品展はその受賞作も含めた27展を一堂に展示。日展入選の「夕映」は幼いころ、子鮒(ふな)釣りの帰り道にまぶしく目にした夕映えの情景を陶器に描いた。光風会奨励賞の「迎暁(げいぎょう)」は暗い荒野の地平線から朝の扉が開けられたイメージを描いたもの。いずれの作品も描かれている模様は絵を観ているような感動を与える。
鈴木さんは「これからは六郷の湧水をテーマに作陶を続けたい」と話す。その一つとして今回は「希望の泉」を出品。一つの粘土に異質の粘土を定着させる「浮延」という手法で仕上げたもので、独特の青系色が見事だ。横手市のふるさと村体験工房で毎週土曜日、陶芸指導もしている。
作品展は6月8日まで。開館時間は午前9時から午後4時半(月曜日休館)で、入館料は大人210円、高校生以下無料。