選挙カーを追う(2)
村岡氏「社会資本整備に全力」と力を誇示(11月4日・火)
マニフェスト(政権公約)の選択か、自民、民主の政権交代がなるかを焦点に先月28日、公示された総選挙もいよいよ終盤となった。秋田3区からは届出順に無所属・新人の御法川信英氏(39)=大曲市=、自民党・前職の村岡兼造氏(72)=本荘市=、共産党・新人の我妻桂子氏(49)=横手市=の3候補が激しい選挙戦を展開している。3候補の選挙カーを追ってその戦い振りをレポートする。
その村岡氏は4日朝、仙北郡へ2度目の遊説に入った。午前8時。運動は仙南村の飯詰駅前からスタートした。事前に知らせを受けていたのだろう。「村岡先生が来るというから」と男女10人ほどが駅前で待っていた。「村岡。ムラオカ」。名前を連呼しながら選挙カーがやってきた。先導車、選挙カー、そして随行車が6台。選挙カーには原盛一県議(仙北町)と松田知己村長が同乗していた。車はそのまま駅前を通り過ぎ、待っていた人たちはただ手を振って見送るしかなかった。「少し話は聴けると思ったが行ってしまったか。忙し過ぎて時間もなかったんだべ」と待ちぼうけを食わされても好意的に受け止め、「今度の選挙?。やっぱり秋田を良くしてもらうには村岡だべ」とその場を去った。
村岡氏に対しては御法川氏の地元とはいえ、建設業界は絶対的な期待を寄せる。「村岡さんは道路でも橋でも仕事を持ってきてくれる。一人しか選べない選挙。この仕事をやっていくには村岡さんの力に期待するしかない」と話す。
前回(2000年6月)は全国最多の17万票を獲得して圧勝。その前(1996年10月)も15万票と圧倒的な強さを見せた。しかし、過去2回はコスタリカ方式で、故・御法川英文氏の持つ得票力を上乗せしての結果だった。御法川氏は小選挙区制になる前の過去3回の衆院選で5万7000票から6万4000票を獲得し、2回当選している。今回はその長男の信英氏との対決となった。陣営では17万票はもう全くあてにならない幻の数字と見る。
ウグイス嬢は何とか名前を浸透させたいと「ムラオカ」の連呼に力を入れ、時には「農業を守る村岡です」と叫んで農業一筋の村民の心をつかもうとした。先導車を入れて8台の車が村内を走る。集落から集落へと先導車は選挙カーを誘導する。スピーカーの音を聞いて場所によっては小気味よいほど村の人たちが出てくる。「やあ。どうもどうも。村岡です」。車は待っている人たちの列へと寄る。しかし、車内から手を出すだけで、そのまま次の目的地へと走る。広い仙北郡内をくまなく回りたいと分刻みの日程を組んでいるため、選挙カーの動きはあわただしい。
同村の大手建設会社の前には社員ら50人ほどが表で待っていた。原県議がマイクを握ってあいさつしている間、村岡氏は一人ひとりとガッチリと握手して印象を残す。陣営が動員をかけて集まってもらった場所では運動がとても効率良く展開される。
マイクを握った村岡氏は「時間がないので簡単に済ませますが、第一にしなければならないのは景気の回復です。景気が悪いと会社も商店も勤める人も農業もみんな悪くなる」と説得するような調子で語りかけ、「景気はようやく明るさが見えてきた。この芽をつぶさずに景気回復に努めます」と訴えた。さらに「第二番目は年金です。皆さんが心配している年金も今3分の1の国庫補助を来年まで2分の1まで引き上げ、不安のないよう片を付けます」と自信タップリの演説を展開。
加えて社会資本の整備にもふれ「この秋田県。昔から見れば大分、良くなりましたけどまだまだダメですねー」と語尾を伸ばし、「出川(いでかわ)」の改修や同村に造られる「道の駅」、そして秋田国体に向けた国の予算の獲得などを例に挙げ「仙南村のため、地域のため働けるよう皆さんにお願いしたい」と訴えた。
午前9時20分。村役場前には役場職員や建設業関係者ら150人が集まっていた。ここでは松田村長がマイクを握って「今、時代は混沌としている。その混沌とした日本から抜け出すには優れたリーダーシップと経験、実績を持った方でなければならない。村が道の駅などの事業をやれるのも村岡先生のおかげ。秋田、仙北のため村岡先生にはこれからも頑張ってもらわなければならない」と檄(げき)を飛ばした。
選挙カーは六郷町へと向かい坂本茂弘町長へとバトンタッチした。選挙カーが商店街に入ると村岡氏自身がマイクを握って「心配している年金は来年中に解決させます。景気はようやく明るさが見えてきました。景気回復に全力を挙げます」と訴えた。
同町役場でも待ち受けた町民らを前にマイクを握って「国の新しいコメ政策が来年から始まります。皆さんが安心してコメづくりが出来るよう年末には3100億円の予算を獲得したい」と力を誇示。さらに「WTOの農業交渉。水と緑と食糧を守る議員連盟会長として農業問題でも一生懸命頑張って、外国のコメは入れないようにする」と力を込めた。
そして競輪の「サテライト」や県道大曲花巻線、上下水道の整備、清水を活かした観光など国会議員として携わってきた事業を引き合いに「社会資本の整備されてないところに発展はない」と強調。地域発展のためにもこの選挙で選んでもらうのは「村岡」しかないといった印象を残した。