出稼ぎ労働者の健康を考える集い

出稼組合連合会など主催で開催

出稼ぎ者の高齢化、健康管理が深刻に(9月12日・金)

 出稼ぎ者の健康を巡っての討議秋田県出稼ぎ労働者の健康を考える集いが12日午後1時から大曲市の広域交流センターで開かれた。県と財団法人県ふるさと定住機構、県出稼組合連合会の主催で、県内各市町村役場の出稼ぎ担当職員や県出稼組合連合会役員ら約50人が参列し、出稼ぎ労働者の健康問題を話し合った。

 始めに県産業経済労働部労働政策課雇用対策室の加藤博己室長が「本県の出稼ぎ者数は昭和46年のピーク時には7万3000人にも達したが、平成14年には4500人と急激に減少してきた。一方で50歳以上の出稼ぎ者が全体の7割以上を占めるなど高齢化が進み、健康管理が問題となっている」と問題を提起した。県出稼組合連合会の細谷昭雄会長も「出稼ぎ者の健康と命を守るための活動は今まで以上に高めなければならない」と出稼ぎ者の高齢化に伴う健康管理に危機感を募らせた。

 続いて首都圏出稼ぎ者健康管理ネットワーク代表で、神奈川県港町診療所の天明佳臣所長と同県十条通り医院の斎藤竜太院長が「出稼ぎ者の健康対策」をテーマに基調講演。天明所長は55歳以上の出稼ぎ者が全体の50%を超えているとし、そのほとんどがグループ就労であり、高血圧のハイリスク者が多いと訴えた。一方で出稼ぎ者の減少で行政の援護事業がいつまで続くか分からないため、出稼ぎ者自身が自主的に「自分の健康は自分で守る」だけでなく、グループで就労している例が多いことから「自分たちの健康は自分たちで守る姿勢が大事だ」と訴えた。

 斎藤院長も出稼ぎ者が就労している神奈川県の19事業所で行った健康診断の結果、134人のうち53%が高血圧症だったとし、「血圧計を自宅に備え自分で計測するクセを付け、出稼ぎ先でも血圧を測りメモしておく習慣を持つべきだ」と訴えた。そして出稼ぎ前の健康診断は聴打診と血圧測定、尿検査が主だが、基本的な健康診断データーも持って出稼ぎする必要性を求めた。また行政にも健診で心電図や眼底検査も出稼ぎ前の検査に加えてもらいたいと要望した。

 シンポジウムでは天明所長をコーディネーターに県ふるさと定住機構出稼援護担当の田村資朗さん、角館町商工観光課の金谷正美さん、県出稼組合連合会副会長の樽川隆さんがパネラーとなって発表した。田村さんは平成14年の出稼ぎ者の健康診断の結果、受診した人は2485人で、受診率は約55%だったが、その内の1023人は「要注意者」であり、390人が「要医療者」だったとし、受診した半数以上の人が何らかの異常が認められたと報告。「健康診断を受けた人たちが、出稼ぎに行く前にその結果を把握しているのか心配だ」と訴えた。また出稼ぎ者を受け入れる事業所の方でも「雇用したら最低でも一カ月以内に健康診断を実施してもらいたい」と要望した。

 角館町の金谷さんは昨年の同町からの出稼ぎ者数は63人で、町としても病気など出稼ぎ先で事故に遭わないよう万全の体制を取りたいと訴えた。50歳になるまで30年間も出稼ぎを続けてきたという樽川前県議は「延べにして1000人以上の人を出稼ぎ先に連れて行ったが、厚生年金と社会保険には加入させてきた。行政もそうした手続きの手伝いをするなど優しさが必要」と訴えた。