「子育てレシピ」=中仙町出身の高階さん
「親子っていいなー」=ほのぼのとした感動を与えます(9月13日・土)
「子育てレシピ」という本が株式会社文芸社から出版された。著者は高階辰雄さん。高階さんは中仙町出身。1946年、県立角館高校を卒業。同年4月、東京国立近代美術館に勤務。51年に同館を辞職、劇団活動に入り、2001年に次代を担う青少年のための劇団「道」を旗揚げし、主宰している。
今回の「子育てレシピ」は理想通り、またマニュアル通りにはいかない子育て、そしてその失敗を料理のレシピになぞらえコミカルに綴った表題の「子育てレシピ」と中学生の息子がよその家のトイレを「覗いた」と訴えられ、警察に補導されたことから始まる親と子の確執と信頼関係、そして思春期の少年への偏見に満ちた警察の捜査の在りようなどを絡ませ、ごく普通に暮らしている平和な家庭に起きる事件を「一週間」と言うテーマにまとめた二編からなる。
「子育てレシピ」も「一週間」も読んだ後の感想は「親子っていいなー」だった。特に表題の「子育てレシピ」はどこにもありそうな平凡なサラリーマン家庭での子育て〃奮戦記〃。待望の赤ちゃんが生まれる。しかも丸々と太った男の子だ。パパは決心する。「多くは望むまい。生まれた子には心身共に健康で、胸にいつも夢や希望を抱き、ハツラツと生きていってほしい。ただそれだけだ。普通でいい。人並みの社会人になってくれればそれでいいのだ」と。
こうして若いパパとママの子育てごっこは始まる。だが、時にはハラハラ、時にはそうだ!とパパを応援し、最後は「子どもっていいなー」とポロリと涙を落としたくなる。とにかくほのぼのとした物語だ。
一方の「一週間」も平凡で幸せに満ちた家庭を舞台に思春期の中学生がブロック塀からよその家のトイレを「覗いた」との訴えから、警察に補導され、壊れていく家庭。それを必死で守ろうとするお父さん。思春期の少年への偏見から始まった濡れ衣をテーマに「一週間」の親子の確執、苦悩、信頼関係を語って一気に読ませる。そして読んだ後はやはり「親子っていいなー」という感想だ。爽やかな感動が生まれる。子育て奮戦中のお父さん、お母さん必読の書として勧めたい。
本は税抜き価格で1000円。発行所は株式会社文芸社(〒160─0022。東京都新宿区新宿1─10─1)。編集部は03─5369─3060。販売は03─536─2299。高階さんは東京都杉並区在住。