大曲市の玉川でサケの稚魚、放流式
花館、内小友両小学校の3年生、成長を祈りながら放流(4月9日・金)
大曲市花館地区を流れている玉川で9日朝、サケの稚魚の放流式が行われた。大曲市鮭ふ化放流事業組合(組合長・栗林次美市長)と雄物川鮭増殖漁業生産組合(高橋秀雄組合長)が、サケ資源を守ろうと毎年、行っているもの。今年も花館小学校3年生の児童64人が「大きくなって帰ってきて」と小さな容器に入れてもらった稚魚を次々と放流した。また内小友小学校の3年生21人も初めて参加。両校はサケの卵のふ化から飼育まで学校で行い、育てた。
同市のサケふ化放流事業は明治の中期、県営ふ化事業として始まった。1959年、大曲市に移管され市営水産ふ化場として直営で運営してきた。そして72年に雄物川鮭増殖漁業生産組合に委託した。
雄物川、玉川で捕獲されたサケは当時、冬の貴重なタンパク源として重宝がられ、多くの市民に愛好された。75年から88年ごろまでは秋になると玉川河川敷に「鮭の納屋」が建てられ、川から取り立てのサケ料理がフルコースで振る舞われ、冬の風物詩にもなった。しかし、タンパク源となる食べ物もバラエティに富むようになり、今はサケを捕獲しても22人の組合員が配当を受け、親類などへと配っているだけという。
しかし、サケ資源を守ることはきれいな川の水を守ることにもつながり、県も市もその事業の継続に力を入れている。国交省、そして県も河川の護岸工事ではサケの生息環境に気遣いながら事業を実施。澄んだ水でしか生息しないサケが回帰する川は、きれいな川のイメージアップにもなると期待する。一方、学校では「自然学習」の生きた教材として注目し、最近では市内外から小学生がふ化場の研修に訪れるようになった。
放流式で栗林市長は子どもたちに「この川では100年も前からサケを捕獲し、ふ化しては放流してきた。4年後には大きくなって帰って来るが、川が汚れると戻りたくても戻れなくなるのでみんなで川をきれいにするよう守ろう」と呼びかけた。県水産振興センターの杉山秀樹部長も「これから放流するサケは1グラムの小さな魚だ。でも雄物川を下って日本海に出て、さらに北太平洋で育って帰って来るころには4キロ、今日、放流するサケが4000倍もの大きさになって戻って来るんだよ」と話していた。子どもたちは4000倍の大きさという説明に目を白黒させていた。
組合によると今年はオス1648尾、メス788尾の合わせて2436尾の捕獲があって、267万6000粒の産卵となった。そして243万8000尾が成長し、今年の放流数となった。この日は約6万尾と学校でふ化した稚魚約80尾が放流された。
子どもたちが小さな容器に稚魚を受け取って川に放流すると、サケの赤ちゃんは真っ黒な背中をくねらせ、岸辺を元気に泳ぎ回っていた。子どもたちはその姿を熱心に目で追って成長を祈っていた。