子どもの虫歯をなくそう
県の健康対策課、大曲市で地区説明会開催(8月10日・火)
子どもの虫歯本数が全国ワーストワンとなっている秋田県では虫歯予防対策の決め手として幼稚園、保育所でフッ化物を使った〃うがい(洗口)〃を推進する「お口ブクブク大作戦」を実施するため9日、大曲市の「グランドパレス川端」で大曲仙北地区説明会を開いた。説明会には大曲保育会の事務局長をはじめ、大曲市や仙北郡内の幼稚園、保育園の園長や町村役場の保健師ら約50人が出席した。
始めに県健康対策課の板波靜一課長が秋田県の3歳児の一人当たりの虫歯本数は2.48本で全国最下位となっているとの実態を説明し、「子どもの歯の健康を守るのは大人の責任だ」とフッ素洗口を実施することになった経緯を説明した。続いて大曲仙北歯科医師会の金子健次歯科医師(大曲市丸子町)が「歯科医師会としても虫歯予防活動のため、正しい知識を普及させるべきだとして協力することになった」とあいさつ。そして井関時男歯科医(同市朝日町)がフッ素洗口の先進地・新潟県での実績や世界中に広がっているフッ素利用のデーターなどを紹介しながら、その効果と安全性を講演した。
県が実施するのは全県で477カ所ある幼稚園、保育園のうち希望する100施設の5歳児2000人を対象に週5回、フッ化ナトリウム水溶液でのうがいを奨励するもの。今年度から06年度までのモデル事業とし、6歳児検診の際、洗口実施者と未実施者の虫歯罹患率の比較評価を行い、結果を公表すると同時に06年以降はその実績を背景に市町村の事業として位置づけたいとしている。
板波課長は「フッ素洗口は効果もあり、しかも安全であり、経費も一人当たり年間7〜800円で済む」と強調していた。このため県は今年度、「お口ブクブク大作戦」の実施に予算に向けて予算化。しかし、秋田市は安全面で疑問があるなどと指摘して、市立保育所での事業への参加はしないと表明するなど波紋を呼んだ。
このため井関歯科医は「世界保健機構のWHOだけでなく、日本政府、日本歯科医師会などでもその効果と安全性を認めており、現在、全国で30万人以上の幼児にフッ素洗口を実施しているが、中毒などの事故は一件も報告されてない」などと強調。仮にうがい中に飲み込んだとしても「健康被害は全くない」と説明していた。
そして虫歯の原因は甘い飲食物、虫歯の細菌、虫歯になりやすい性質の歯の3つで、虫歯になりやすいのは歯が生え始めてから数年間であり、「これまで虫歯予防といえば歯磨きの励行や砂糖など甘いものの制限だったが、歯磨きだけでは虫歯予防にならない。虫歯になりやすい性質の歯にはフッ素を使って歯を強くすることが効果的だ」などと語っていた。
終わった後の事業説明ではフッ素洗口剤やその容器を使っての洗口液の作り方などを実際にやって見せ、「実施にあたっては親の承諾が必要であり、保護者の考えでやらない子も出てくると思う。このため子どもが差別を受けたと思わないよう、フッ素洗口剤の入った容器と水だけの容器の2種類用意し、うがいをさせてほしい」と幼稚園、保育園への協力を求めた。
質疑応答ではフッ素洗口への疑問や不安を示す質問はなく、「効果を挙げるためには5歳児だけでなく、小・中学生まで拡大するためにも地域の教育委員会や学校嘱託医へ働きかけるべきでないか」などの提案があった。