パイプオルガンコンサート
ヴィオラとの競演に音楽のまちらしさを実感(12月8日・水)
大曲市大川西根小学校(倉田正伸校長・児童数96人)で7日夜、パイプオルガンコンサートが開かれた。全校音楽で知られる同校は1989年に校舎が新築されたのを機に国内の公立小学校では唯一、パイプオルガンのある学校となった。オルガンはドイツ製で高さ5.5メートル、幅約2.9メートルで、680本のパイプで構成されている。そのパイプオルガンを有効に活用しようと設置された90年から毎年、コンサートを開いて子どもたちはもちろん、周辺の音楽ファンにも鑑賞を楽しんでもらっている。主催は同校PTAで、市教育委員会が生涯学習活動費として演奏会のための予算を出している。今年で14回目となった。
オルガンのある音楽室はクリスマスツリーやイルミネーションが飾られ、一足早いクリスマスムードとなっていた。オルガン奏者は同市出身の小松真由美さん。小松さんは大曲高校を経て武蔵野音楽大学を卒業。ヨーロッパ各地でパイプオルガン演奏の研鑽を積み、国内外の教会で演奏活動している。
コンサートは午前中は子どもたちのために、夜は地域住民や父母らのために開いた。夜のコンサートには秋田市からもファンが駆けつけ、100人ほどの聴衆で埋まった。小松さんはバッハの「トッカータとフーガ ニ短調」やフランクの「英雄的小品」など3曲をパイプオルガン独特の地をはうような重厚な音で響かせ、その魅力を存分に聴かせた。
3曲目はジーグルの「クリスマスソナタ」。ここからは小松さんと小・中・高校時代が一緒だったというヴィオラ演奏家の坂本晴人さんが登場。坂本さんは昭和音楽大学を卒業し、ヴィオラ奏者としてサントリーホールデビューコンサート2000に出演。現在、同大合奏研究員となっているほか、秋田市のアトリオン室内合奏団のメンバーとして活躍している。
全身全霊を込めて風を送り、寄せ集めて来るような迫力と重厚な音を紡ぎ出す小松さんのパイプオルガン。ガラスのように繊細で、手折れそうなヴィオラの音。対照的な音と音の競演に聴衆もさすがにうっとり。
5曲目の「教会ソナタ」の演奏ではヴィオラ・ダ・モーレという7本の弦のある楽器で演奏するが、坂本さんの持っているヴィオラは4本。「(演奏が)大変なんですが、頑張ります」と語りかけると皆、固唾を飲んで耳を傾けた。パイプオルガンとヴィオラのリズミカルな音の駆け引きの見事さ。アンコールに応えて演奏したサンサースの「白鳥」の幻想的な美しさ。「音楽のまち」という大曲らしさを実感させたコンサートだった。