細谷昭雄さんの表彰を祝う会
出稼ぎ仲間ら400人がお祝いに集う(12月20日・月)
出稼ぎ運動を通じて秋田県の民生の安定と労働福祉の向上に貢献したとして去る11月2日、県文化功労者として表彰を受けた元参院議員・細谷昭雄氏(77)=神岡町神宮寺=の「細谷昭雄さんの表彰をお祝いする会」が19日、大曲市のシャインプラザ平安閣で開かれた。お祝いする会実行委員会(会長・小山誠治大曲市議)の主催で、約400人が祝いに駆けつけた。
西村哲男副知事をはじめ、加藤清美県産業経済労働部長、鈴木陽悦参院議員、栗林次美市長、今野正彬神岡町長、太田芳文角館町長、松田知己美郷町長、そして友人の県議や長谷川秀夫連合秋田会長など労働界からも大勢の来賓が詰めかけた。
始めに同市内で焼き鳥店を経営しながら、テノール歌手として「啄木 命を歌う」と題して石川啄木の歌の公演をしている森田純司さんがベートーベンの交響曲「合唱」から、「喜びの歌」を披露した。そして小山委員長が「細谷さんは栗林三郎さん(故人)と行動を共にし、出稼ぎ者の福祉向上と権利を守るための活動をしてきた。35年にわたってもの言わぬ弱い立場の人たちの組織化を図り、出稼ぎ者の有給休暇、退職金制度を勝ち取るなど大きな功績を残した。東京、大阪、名古屋など出稼ぎ先で訪問した職場は1000カ所を数え、会った人も延べにして1万人を超えた」などと紹介した。
続いて西村副知事も「細谷さんはその卓越した行動力で出稼ぎ者の健康と職場環境の向上に努め、さらには留守家族への配慮も求め、幼保教育の一体化など幼児教育の充実も県議時代から訴えるなど先見の明があった」と激賞した。さらに栗林市長、斉藤参院議員が祝辞を述べた。栗林市長は「細谷さんとはずーっと一緒に活動してきた」と出稼ぎ問題で共に苦労した仲だけに感極まって、涙声だった。
妻のヤヱさんと共に檀上に立った細谷氏は「県の文化功労者という大変、光栄な賞は私個人が受けたのではなく、多くの支援者があって活動が出来たのであり、その代表者として受けたものと思っている。また出稼ぎ活動を文化として評価してくれた秋田県にも感謝を申したい。間もなく78歳になるが、これからも体が動く限り出稼ぎ者の人たちのために相談を受けるなど活動を続けたい」とお礼を述べた。
今回の文化功労者としての表彰で県は次のように評価している。
1965年(昭和40年)代の高度経済成長期には京浜地区を中心とした大型プロジェクトに要する労働力として、本県の農業従事者が建設現場などに大挙して就職、ピーク時の71年には7万人にも達した。66年以降、過酷な労働と家族との離散状況が続くいわゆる出稼ぎ問題に取り組み、現在に至っている。
この間、出稼ぎ者の健康問題や安全就労、処遇改善を図るため、首都圏、京阪神方面まで出稼ぎ就労現場を訪問し、事業主らに対する要望活動を粘り強く重ね、労働条件の改善に努力した。また半年も家を離れる出稼ぎ者と留守家族の絆に心を砕き「ふるさと情報」や「児童の作文集」を出稼ぎ者のもとに送付することを市町村に呼びかけ、留守家族からの相談にも親身になって応じるなど出稼ぎ者が遠隔地で安心して働けるよう尽力した。
加えて労災事故の発生防止・認定のための救済活動や賃金不払いの国の立て替え制度の実現にも努力し、行政・事業主と折衝を行い、多くの賃金不払いに解決に導いた。
さらには就労前はもとより就労中の健康診断の実施にも国の支援制度の創設を働きかけるなど出稼ぎ者の健康問題にも取り組み、一貫して出稼ぎ者の支援に尽力した。