大曲吹奏楽団定期演奏会

映画音楽からシャンソン、演歌も

多彩なプログラムで見事な演奏、感動の拍手止まず(2月23日・月)

 大曲吹奏楽団(古家雅浩団長)の「第29回定期演奏会」が22日、大曲市民会館で開かれた。同楽団はこれまで全国大会に9回も出場するなど実力の面でも、人気の面でも県内でトップクラスにあり、約1000席のホールはほぼ満席となった。聴衆は約80人の団員の情感に満ちた演奏に酔いしれ、楽しんだ。

 楽団は1979年3月に大曲中学校吹奏楽団OBが中心になって創立。今では大曲仙北だけでなく雄勝郡雄勝町や横手市、秋田市など会員は全県に広がった。転勤などで移り住んだ仙台、岩手からも会員が駆けつけ、毎週水曜日と土曜日夜に広域交流センターに集まって練習を重ねている。会員の職業は教師や会社員、自営業とさまざま。ただ音楽が好きという目標だけが一致して練習に励んでいる。

 音楽監督兼常任指揮者となっているのは神奈川県在住の小塚類さん。4歳からピアノを始め、1978年、東京芸大指揮科を卒業。東京室内歌劇場、パルコオペラ副指揮者として活躍。オーストリアやフランスに留学して指揮の研鑽を積み、オーケストラや吹奏楽、オペラなどで幅広い活躍をしている。現在は秋田市の聖霊女子短大の非常勤講師も務め、大曲吹奏楽団の練習日には折りを見つけて指導に駆けつけている。

 この日のプログラムは2部構成で第1部は「海の男達の歌」など吹奏楽ならではの音と迫力を楽しめる3曲が演奏された。激しく波うつティンパニーの響き、フルートやピッコロ、クラリネットのかれんで愛くるしい歌声。トランペット、トロンボーン、チューバなど管楽器ならではの華麗で荘厳な響き。そしてサックスの渋く孤独な音。聴衆は音の世界にただ身を固め、耳を傾けた。

 第2部は映画音楽の作曲で知られるヘンリー・マンシーニの「子像の行進」「ムーン・リヴァー」「ハタリ」のメドレーが流れ、続いて「パリの空の下」などシャンソンへと曲は変わった。さらに若手人気歌手・氷川きよしさんのヒット曲「箱根八里の半次郎」など「ど演歌えきすぷれ股旅演歌・浪花演歌」と楽しませた。聴衆は映画音楽とシャンソンの甘いロマンに酔いしれ、演歌では涙を流して喜んだ。最後は組曲「宇宙戦艦ヤマト」で締めくくった。

 途中でクラリネットアンサンブル、フルートアンサンブル、サックスアンサンブルとサービスもあったが、コントラバスの地をはうような音、トランペットの切り裂くような響き、トロンボーンの華麗な音。サクソフォーンの孤独な響きなど楽器の個性を見事に引き出す小塚さんの指揮は見事としか言えない。

 その指揮に合わせて大曲吹奏楽団の奏でる音は時には心を踊らせ、時には緊張の冷や汗をかかせ、時には懐かしさで目を潤ませた。プログラムの演奏が終わっても誰一人席を立つ人はおらず、感動の拍手が鳴りやまなかった。それに応え再び指揮台に上がった小塚さん。楽団員も感謝を込めて井上陽水の「少年時代」とディスコ・キッドの2曲を華麗に演奏。聴衆に音楽の楽しさ、音楽の魅力、音楽の多彩な言葉、美しさを堪能させていた。
 次回の第30回定期演奏会は5月23日、今回同様、市民会館で開かれる。