社会人を講師に生の授業

大曲農業高校

農業科学科=豚の枝肉処理や果樹園の経営を学ぶ(2月24日・火)

 枝肉処理を実演する長沼さん大曲農業高校(伊藤甫校長)の農業科学科では「社会人講師」を活用した授業を行っている。畜産や果樹、草花、造園など農業に関連する事業の経営者を講師として招き、経営の在り方や先進技術を学び、農業での生き方や意識向上を図ろうと毎年行っているもの。24日は肉の小売店経営者と果樹園の経営者が講師となって生徒たちを指導した。

 肉は大曲市若竹町の「肉のわかば長沼商店」の長沼文男さんが講師となって、同校大嶋農場で「豚の枝肉処理方法」を実演した。果樹では増田町の小原正樹さんが講師となって果樹園の経営について語った。

 社会人講師を招いて学んでいるのは農業科学科2年生156人。稲作や畜産、果樹、野菜、造園、食品加工、林業など10部門の選択科目を選んで授業を受けている。そのうち畜産を選択している生徒19人がこの日、大嶋農場にある研究室で長沼さんから豚の枝肉の処理方法を学んだ。長沼さんは大農の卒業生。

 大嶋農場では牛9頭、豚40頭、鶏600羽、七面鳥8羽を飼育。今年度はこれまで牛4頭、豚40頭を市場に出荷しているほか卵は生徒たちが販売実習を通じて売っている。豚の枝肉は右、左の二本を合わせると70キロから80キロの量となる。長沼さんは「枝肉で買って来て自分でカットして処理する小売店は少なくなるばかりだ」とほとんど食肉流通公社で商品として処理されたのを買い求めて販売している肉市場の実際を語った。

 そして「手間は掛かるが、枝肉を直接買って自分で処理しているのはマージンを少しでも省ける点と早めに自分で処理できるため肉の鮮度を保て、肉質も自分で選べるからだ」と生徒たちに語った。

 大きな肉の固まりに包丁を入れ、ロース、ヘレ、バラ、スネ、モモなどとてきぱきと処理し、トンカツ用、しゃぶしゃぶ用、一口カツ用と肉を分類した。「お客さんに出す前にリンパ筋、そして血や骨は残ってないかを確認しなければならない。おいしそうに見せるため、どうカットするかも大切な技術だ」などとトンカツ用に切った肉を見せた。19人の生徒のうち女子生徒は6人。目の前に広げられた大きな肉にその生徒たちは「少し怖いけど、授業ですから」とひるむことなくジッと見つめていた。男子生徒は長沼さんの手ほどきで実習も受けた。

 一方の園芸教室では32人の生徒が小原さんの授業を受けた。小原さんは9年前にアメリカの果樹市場の勉強に行った際の写真をスライドで上映しながら「これからの農業は都市の人たちとの交流が大事で、顔の見える農業にすべきだ。そして何事も一つひとつの積み重ねが大事だ」と強調しながら、大阪の消費者を自分の経営する果樹園に招いて、リンゴの収穫を楽しんでもらった写真などを見せていた。