米政策改革への意見交換会

農水省から経営局長も参加

「コメの特別扱いは終わった」と国から厳しい声も(1月14日・水)

 米政策改革に係る現地意見交換会が13日、大曲市の広域交流センターで開かれた。今年4月から実施される「米政策改革大綱」への理解を深めてもらうと同時に各市町村が同大綱に基づいて取り組んでいる「地域水田農業ビジョン」の状況報告を受けようと農林水産省の主催で開いた。意見交換会には農林水産省から川村秀三郎経営局長ら6人、それに東北農政局と秋田農政事務所職員、県からは竹村達三農林水産部長らが、そして全国農業協同組合中央会の松岡公明水田・営農ビジョン対策室長らが参加。現地からは各市町村役場の農政・農林担当職員とJA秋田おばこ職員ら合わせて75人が出席した。

 4月からスタートを切る「米政策改革大綱」はこれまでの国の米の制度が根本的に変わるもので歴史的な変革とも言われている。1970年から始まった米の生産調整は国から減反する分の面積が配分され、それに伴う助成金は全国一律に配分されてきた。その生産調整が今年4月からは農家自らの意思で実施し、米の需給に見合った販売なども自由になる。しかし、売れなかった米は自分で処理しなければならないなど農業者への責任を強く求めた改革となっている。同時にこれからの農業は海外から輸入される米の価格と対抗するため経営規模を拡大できる地域の専業農家、生産組織に栽培を委ねる「担い手農家」の育成へと国は誘導を図っている。

 しかし、現実に米の栽培が自由に実施されると米が生産過剰となって米価の暴落や米余りで農業は行き詰まってしまう可能性が高い。このため国では各市町村に「地域水田農業ビジョン」の策定を求め、そのビジョンに基づいた構造改革、産地づくりの設計図を求めた。そしてこれまで全国一律に配布されていた国の助成金もそのビジョンに基づいた「水田農業構造改革交付金」として交付されることになった。

 一方、生産調整はこれまで面積配分だったが、大綱によって「生産目標数量」として米の生産量が配分されるようになった。例えば大曲市は約26万3000俵を今年の生産目標数量とし、これを水田農業推進協議会に諮って個々の農家に配分する。

 意見交換会で農水省の川村局長は「これまでコメは特別扱いされてきたが、コメも一つの商品として売れるコメ、売る工夫も必要になった。国の新しい米政策改革大綱では売れるものを売れるだけ作り、売れ残ったコメは自分の責任で処理しなければならない。これまでのようにコメに税金を投資する時代は終わった。農業に対する金のばらまき政策は変わる。農家の人たちも頼まれたから生産調整をやるという考えではなく、需給に見合った安心、安全で売れるコメづくりを目指すという意識改革で生産調整に取り組まなければならない」と変革を求めた。さらに「これから中核となって農業をやっていく人はプロとしての能力が求められる時代となった。その手伝いを農水省はしていきたい。新しい仕組みを理解し、活用しながら水田農業を守ってほしい」と訴えた。

 続いて各市町村の農政担当者が「地域水田農業ビジョン」の策定作業の進捗状況を報告していたが、ビジョンは市町村合併も控え、それぞれ合併する市町村と共同作業で取り組んでいるとの報告があった。またコメに関しては「マーケティングに基づく特色ある米生産の展開」や無化学、減農薬栽培米の作付け拡大などのビジョンが示された。しかし、各市町村の悩みは今度の米政策改革大綱には生産調整が達成されても達成されなくてもペナルティーがないため、「農家の協力を得られかが心配」といった声が多く出た。

 また小規模農家の人たちがコメの栽培を委ねることになる「担い手」に関しても各市町村とも「認定農業者」を中心に育成に取り組む方向を示したが、2ヘクタールから3ヘクタールの水田を経営する兼業農家をどうするかという壁にぶつかっている状況報告もあった。「農家には農地を守り、家を守るという伝統がある。それを採算が取れないから農業を止めて、担い手に委ねるべきだとは切り出せない」と六郷町の農政担当者は苦悩に満ちた表情で述べた。また農水省に対しても「今度の制度は分かりにくい。もっと農家の人たちが理解しやすい制度にしてもらいたい」との注文もあった。