仙南村長選

8月3日に告示へ

現職の松田氏再選目指す=任期は合併までの2カ月(7月30日・金)

 任期満了(8月29日)に伴う仙南村の村長選は8月3日告示され、8日に投開票が行われる。松田知己村長(40)=同村金沢西根字二ツ柳=は3月定例議会で「誇りを持って仙南村を閉じ、喜びを持って美郷町の誕生を迎えるためにも引き続き村政を担いたい」と2期目を目指して出馬表明している。同村は千畑町と六郷町との合併協議が整い、11月1日をもって「美郷町(みさとちょう)」となる。他に動きがないため、松田氏の無投票当選の公算が大きい。任期は合併までの約2カ月。松田氏はこのほど村役場で共同記者会見した。

  松田氏は前村長の斎藤克巳氏が健康上を理由に2000年8月の任期満了と同時に1期で辞任したのを受けて、助役から村長選に初出馬、無投票当選を果たした。この4年間を振り返って「優しさと調和、前進の3つをキーワードに第5次総合発展計画の着実な推進に力を入れた」と述べた。

  村政運営の基本理念は「みんなで考える村づくり」だとして「村づくりガイド」、写真集「稲源郷」、音楽CD「田園に響け仙南の歌声」を制作、全戸配布するなど村の姿を村民に理解してもらうことに力を入れ、行政情報の共有化を図った。そのため村政モニター制度も設け、延べ19人に委嘱。さらにインターネットの普及を図ろうとADSL回線を全村利用可能にし、村のホームページを通じて情報提供を図った。

  また家庭生活環境の向上を目指して合併浄化槽の積極的な導入に力を入れ、この4年間で延べ177基増加させ、水洗トイレの設置率は40.7%から48.9%と上がった。水道も簡易水道だが100%整備された。

  さらに高齢化社会は若い人たちが持っている力を貸してもらわないと乗り切れないとポイント制ボランティアを育成、651人が登録した。一方で敬老祝い金を見直し、少しでも少子化に歯止めをかけたいと3万円の出産祝い金の交付制度も設けた。シルバー人材センターの設置運営、中学生の海外研修の実施などユニークなソフト事業も展開、役場を親しみの持てる身近なものとした。中学生の海外研修はオーストラリアに派遣するもので、この4年間で延べ63人が派遣された。

  余暇時間の充実にも努めたいと山本公園にパークゴルフ場を設け、村役場前にあった菖蒲園を同公園に移動し、整備した。また「雁の里温泉湯とぴあ」の温泉湧出量が落ちたため、新たに温泉を掘りあて毎分50リットルの温泉を確保した。

  さらにハード面では現在、二つの大規模事業が進められている。一つは役場前に建設中の秋田国体でバドミントン会場となる総合体育館だ。総事業費は約15億8000万円で鉄骨鉄筋コンクリート造り二階建てで、延べ床面積は約5200平方メートル。アリーナは約1800平方メートルでバスケットボールなら2面、バドミントンコートで10面取れる。固定観覧席は636席(うち車いす12席)。大地震にも対応できる耐震構造で自家発電装置、非常用物品も備蓄し、災害発生時は避難拠点施設となるのが特徴だ。

  もう一つは金沢地区の国道13号沿いに建設されている「道の駅せんなん」。既に村が約1億6000万円かけて農林水産物直売所やレストランなど中核施設は今年4月にオープンしたが、国土交通省によるトイレや休憩所を兼ねた道路情報サービス施設の建設と駐車場の整備が現在、進められている。この二つの事業は10月に完成する。道の駅は合併後の美郷町の南の玄関口とし、角館町や田沢湖町から清水の町・六郷を経て横手市の「秋田ふるさと村」へと足を運ぶ観光客の休憩所としての活用が期待されている。

  優しさのキーワードでは子ども女性緊急避難所を通学路主体に村内50カ所に設置、さらに防犯灯を延べ215基整備するなど安全性を高めるのにも力を入れた。

  仙南村は1956年9月、飯詰村と金沢西根村が合併して誕生した。さらに58年4月には横手市金沢地区の一部が分かれて同村に合流した。今度の町村合併では過去にあったそうした分村は繰り返してはならないと村民への情報提供を徹底させた。任期は合併までの約2カ月しかないが、「村としての事業計画をきちんと仕上げ、48年の村の歴史、伝統、文化を総括して美郷町の発展につなげたい」と話す。

  1986年3月、東北大学農学部卒。同年4月、県庁入りし農業改良普及所、農政部農政課、農業技術開発課に勤務。96年、県農業試験場主任で退職し、同年10月に仙南村助役に就任。2000年8月の村長選に初出馬した。