御法川氏、自民党会派入り

参院選を目前に非自民に激震

コスタリカ方式=条件によっては入党は微妙か(6月4日・金)

 昨年11月の衆院選秋田3区で、自民党現職の村岡兼造氏らを破って初当選した御法川信英衆院議員(40)=大曲市=が自民党会派に合流することになった。4日朝、党本部で自民党会派入りが決定した。御法川氏は「会派入りしただけで入党したわけではない。当分は無所属だ」と話していると言う。党本部では実際に入党するのは来月の参院選後になるものと見ている。ただ、一部に御法川氏の入党に村岡氏の次男で次期、衆院選を目指して政治活動している村岡敏英氏(43)=本荘市=との競合を避けるため、選挙区と比例区に交互に出るコスタリカ方式を条件としているとの報道もあり、これが事実だとしたら昨秋の衆院選で「新人で比例代表からの出馬はあり得ない」として蹴られ、無所属で出馬した経緯もある御法川氏の陣営は「条件を付けられたら、入党は微妙になる」との観測もある。

 御法川氏は昨年4月に亡くなった父・英文氏の地盤を引き継いで立候補した。英文氏が健在であれば、前回の選挙では英文氏が選挙区で戦い、村岡氏が比例に回る番だった。しかし、英文氏の病死でそのコスタリカ方式は解消され、御法川氏は無所属で自民党公認の現職・村岡氏と共産党公認で新人の我妻けい子氏と三つどもえの選挙戦を演じた。

 自民党を離れたとは言え地元・仙北郡では父の弔い合戦というムードに乗って自民党支持者も〃御法川党〃となって応援。加えて民主党の支持も受け、その流れから社民、連合勢力も応援し、御法川氏は村岡氏に競り勝った。

 しかし、元々は自民党を本籍とした御法川氏。当選後は昨秋の衆院選を無所属で戦い、自民党候補を破って当選した3人の議員と組んで衆院会派「グループ改革」を結成して活動してきた。そして開会中の今国会では自衛隊のイラク派遣、年金改革の問題でも自民党会派と同一行動を取ってきた。こうしたことから自民党への入党の動きが急速に具体化したようだ。

 御法川氏の自民党合流が報道されると地元・大曲事務所には次々と後援会員から「信英さんの自民党入りなら歓迎する」と祝福の電話が入る一方、前回の選挙で応援した民主系や社民、それに連合の支持者からは「もう応援はできない」など抗議や拒否反応の電話があるという。御法川氏のホームページ掲示板にも「裏切られた思いだ」と抗議の書き込みが入り出した。

 これに対して御法川氏の側近は「昨秋の衆院選は無所属での出馬とあって、自民党支持者も民主党、社民党の支持者も応援してくれた。そして選挙では自民党だからとか民主党だからとか党を選んだのではなく、人物本位で御法川が選ばれた。もしも民主党の看板を掲げて戦って、自民党の会派入りするとあれば裏切られたと批判されても仕方ないが、民主党からは支持を得ただけだった」と話す。

 御法川氏の自民党会派入りは24日にも公示が予定されている参院選にも大きな影響が出そうだ。参院選には自民党現職の斎藤滋宣氏(51)=二ツ井町=、連合・民主・社民が推薦する新人の鈴木陽悦氏(55)=秋田市=、共産党新人の今川和信氏(39)=秋田市=が出馬を表明している。中でも連合・民主・社民は無所属の御法川氏の動きに期待して、民主党は衆院秋田3区の支部長就任さえ要請する動きを見せていた。それが一転して自民党会派入りだけに衝撃は大きい。ただ御法川氏が自民会派入りしても、まだ無所属だけに参院選で自民候補の応援に出るかどうかはまだ未定。

 連合秋田の長谷川秀夫会長=大曲市=は4日朝、「とても残念だと思っている。御法川氏は公式、非公式を問わず今の自民党に復帰する気持ちはないと言ってきた人であり、今度の行動は不可解。参院選での戦いは体制的に厳しいものになると思うが、今回の矛盾した行動には有権者も良識のある判断をしてくれるものと思う」と話した。

 一方、御法川氏の総括責任者として選挙を戦った高貝久遠太田町長は「夕べ本人から電話があって、グループ『改革』の4人と統一行動を取って自民党会派に入ることにしたと報告を受けた。国政の場で活躍した結果、親父の意志を継いで政権与党を選ぶべきだと肌で感じたことだろう。個人的には歓迎したい。いずれは地元に帰ってきちんと説明することだろう」と話す。