特別養護老人ホーム「こもれびの杜」

大曲市の「欣寿園」、新施設へと引っ越し

入居者、デラックスさに「これだばいい」と満足(3月4日・木)

 車いすで慎重な引っ越し大曲市飯田の特別養護老人ホーム「欣寿園」は4日、近くに移転改築した新しい施設へと移り、名称も「こもれびの杜」と変えてスタートを切った。せっかくの引っ越しなのにあいにくの雪空となったが、同園を運営している「社会福祉法人県南ふくし会(石川勝三理事長)」の関連施設から派遣された応援の職員も含め、135人のスタッフと15台の車を総動員して「欣寿園」に入居しているお年寄り114人を新施設へと運んだ。「カゼを引かないように」とお年寄りの移動には細心の注意を払い、車いすに乗せては足元を毛布で包むなど手厚い介護をしながらの引っ越しだった。何もかもピカピカの新施設のデラックスさに「これだばいい。これだばいい」とおじいさん、おばあさんたちは感激していた。見舞いに来た家族の人たちも施設を見学し、満足そうにうなずいていた。

 新しい施設は入居者のプライバシーを重視したケアを実現するため、居室はすべてトイレ付きの個室。その個室10部屋で一つのユニット(生活単位)とし、キッチンや談話スペースなどの共用部分を設けた。いわばこれまでのように入居者を多数の職員が集団でケアするのではなく、少人数の家庭的雰囲気の中でケアを受けられる「居住福祉型の介護施設」となった。

 県南ふくし会では新施設オープンを機に名称を募集。多数の応募の中から西木村在住の作家・浅利佳一郎さんを「名称選考委員長」に選考した結果、特別養護老人ホームは「こもれびの杜」とした。ディーサービスセンター「えみのくち」は「フレンデイ大曲」へと名称変更した。「こもれびの杜」の名付け親となったのは大曲市栄町の佐藤幸子さん。ディサービスセンター「フレンデイ大曲」の名付け親は仙南村字南本田の佐藤遥さん(仙南中2年)だった。4月の竣工式に二人に感謝状が贈呈される。

 欣寿園は1972年の建築だった。このため施設は老朽化し、入居者の安全確保、それに6人部屋から8人部屋で、住環境の改善が求められていた。加えて介護保険の導入でサービスの質の向上も求められていた。このため国や県、大曲市の補助を受け、移転改築に踏み切った。新しい施設は現在の施設から約100メートルほど離れた市立大曲病院南側で、約1万3700平方メートルの敷地を確保。02年12月から着工していた。建物は鉄筋コンクリート造り3階建てで延べ床面積は約9100平方メートル。

 外観は明るいやまぶき色。1階は事務室とショートステイ25室(25人)とディーサービス。2階、3階が特別養護老人ホーム部分で110室(110人)。ほかに遠方の家族が見舞いに来たり、研修生が宿泊できる予備の個室が5部屋設けられた。個室はこれまで孤独・孤立を招くと心配されていたが、逆に人と会う、人と交流する意欲を回復するために有効と考えられるようになった。各ユニットごとに「若竹」「青葉」、「姫神」「鳥海」、「湧水」「清流」、「銀河」「北斗」など竹や植物、水、山、天に関する名前を付けた。

 寝たきりの人が入る特別浴室以外の一般浴室には「ひのき」を使った風呂もあり、木の香りを楽しめるようにした。また1階の和室研修室は茶室にもなっていて、ボランティアの人たちがお年寄りと共にお茶会も楽しめるようにした。ほかに1階の地域交流スペースと3階のレストランは入所者とボランティアの市民との交流を深める場として開放する。

 
くつろぎの空間
やっと落ち着けたと個室へ
風呂は外のロケーションも楽しめる

 居室は中からカギもかけられ、アパートと同じ自分専用の部屋となる。各室ともロケーションが楽しめる部屋となっている。完全個室型のユニットケアが国の新型特別養護老人ホームとして建設されるのは県内で初めて。

 県南ふくし会では同老人ホームのほか、同市角間川町の特別養護老人ホーム「サン・サルビア」、西木村の特別老人ホーム「清流苑」など9つの介護関連施設を運営。210人の職員数となっている。