大曲市など3会場で開催
電子音が響き、集中力を競い合う(3月8日・月)
パソコンとレーザー光線を組み合わせた世界最先端のシステムを使ったデジタルスポーツ射撃(DSS)の腕を競う初の「全国デジタルスポーツシューティング選手権及び全国競技会」が7日、大曲市など全国3カ所をネットでつないで行われた。社団法人日本ライフル射撃協会の主催で、大曲会場となった大曲小学校では小学生から40代の男女が射撃を楽しんだ。
DSSは2年前に山形県米沢市のパソコンメーカーが開発した。日本の射撃5輪代表チームが山形県の「有機の里」と言われる高畠町の野菜やコメを求めて同県で強化合宿した際に米沢市のNECパーソナルプロダクツの役員がその様子を視察。それが切っ掛けとなって射撃システムの開発となった。
実弾の代わりに微弱なレーザー光線を銃口から発射するもので、5メートル先の的を狙っての射撃。引き金を引くと「パーン」と乾いた音がし、手元のパソコン画面に的と当たった場所が示され、的の中心に当たるほど高い電子音が出て視覚障害者でも射撃を楽しめる。しかも撃った時の反動もなく、障害のある人も楽しめ、集中力を高めることから子どもの教育、お年寄りの痴呆防止にも役立つなどリハビリ効果もあり、山形県の老人ホームでは既に活用されている。
競技はDSS連盟事務所が高畠町に置かれたことから日本ライフル射撃協会は射撃種目を「タカハタ」と命名して、大曲市と高畠町、それに岐阜市の3会場をインターネットで結んで行った。
DSSと大曲市との結びつきは同連盟の理事・山脇幸美さん(46)=県職員=が県仙北総合庁舎の南教育事務所仙北出張所に勤務していた時にレーザー光線を使ったピストルが開発されているとの話を聞いて関心を持ち、その完成を待って射撃を体験。その面白さに取りつかれ、子どもたちにも体験させたいと同市の教育委員会に相談。その提案を受けて02年11月に同教委が主催して市民会館を会場に初のDSS体験教室を開いた。そして機会を見つけては同市を会場に大会を開いてきた。
今回も1月から参加を呼びかけ、広域交流センターで全国大会に向けた練習会を4回開いた。専用の発射台に銃を乗せて撃つ「競技会」には親子連れなど24人が参加。高畠会場は23人、岐阜会場も23人だった。高畠、岐阜会場では盲学校の生徒たちの参加もあった。ステージにはそれぞれの会場の様子がスクリーンに映し出され、大会の雰囲気を盛り上げた。
競技会は30発の射撃で成績を競うもの。親子で参加した大曲市四ツ屋の草薙玲子さん(44)と知奈津さん(15)は「ものすごい集中力が必要で疲れる。でも楽しかった。もっと練習してから参加すればよかった」と話した。
競技会の後は「選手権」となり大曲会場では7人が参加。選手権は発射台を使わず、立ったままの速射。選手たちは真剣な表情で射撃を競い合った。山脇さんは「インターネットでの国際試合も近い将来実現するので、大曲での国際大会開催もそう遠いことではありません。今年は障害のある方々にスポーツの可能性を広げられるよう体験会を開催したいと思っています」と力を入れる。