5人が一般質問
児童虐待で市福祉事務所へ2件の相談も(3月9日・火)
大曲市の2月定例議会は9日、本会議を再開、鈴木孝篤氏(新成会)、鈴木勝博氏(政友会)、高松昭一氏(社会クラブ)、藤田和久氏(共産党)、杉澤千恵子氏(公明党)の5人が一般質問を行った。
鈴木孝篤氏は栗林次美市長が述べる「弱い立場の人に政治の光りを当てたい」とする政治姿勢、さらに施政方針演説から見る事業は「総花的であり、財源厳しい時代、重点施策に絞るべきだ」と訴えた。また鈴木勝博氏も施政方針演説の中で「職員給与の見直し」に触れたことに対し「見直しは職員に不安を与え、やる気を削ぐことにならないか」と市長の考えをただした。
これに対して栗林市長は「政治の光り」は「昨年12月定例会でも述べたように市民の声に耳を傾け、声なき声も大切にしたいという思いや市民と同じ目線で市民の声をくみ取る事が私の政治姿勢」と述べ、「恵まれなくても自立の精神で頑張っておられる人たちにこそ政治の光りをあて、そこから具体策のヒントを得るようにしたい」と答えた。施策が総花的だとの批判に対しては「新年度予算は限られた財源を市町村合併後の中心都市としての機能を強化する事業や農業振興、そして子育て、保健衛生、学校教育、高齢者福祉など住民生活に直接関わる事業に重点配分した」と述べた。
また職員給与の見直しについては「財政状況が厳しい折りであり、給与関係の見直しを掲げた。検討内容としてはまず私ども特別職の給料の見直しを考えている」とした。その上で職員給与については「人事院勧告に基づき5年連続年収が下がったが、民間の賃金動向などを踏まえ、職員側と協議し、財政危機意識を共有できるよう検討したい。また時間外手当など職務を遂行する上で創意工夫や見直しをして、執行額の引き下げが可能な手当について内容を吟味し検討したい」と答えた。
さらに全国的な問題となっている児童虐待の現状はとの質問に対し、市側は「平成16年2月末まで2件の相談が福祉事務所にあった」と述べ、児童虐待が身近な問題となっていることが明らかにされた。
主な一般質問に対する答弁は次の通り。
◇農業経営の組織化、法人化に向けた計画は=国では米政策改革と併せ、水田農業の構造改革を加速化するため「育成すべき担い手」に支援を強化するとしている。大曲市が作成した「地域水田農業ビジョン」でも安定的な農業経営の育成を基本としながらも、地域農業の維持、発展のため地域の実情に応じて、兼業農業を中心とした集落経営体や認定農業者、既存生産組織を中心とした担い手に対して水田60%を目標に利用集積を促進し、担い手の確保、育成を進めるとしている。
平成22年度を目標に認定農業者を現在の193人から229人に、法人組織を各地区2〜3法人で計19法人、集落経営体や受託組織は現在の33組織を57組織へ誘導する計画だ。また異業種の方々の意見も採り入れ、農業復活を基本理念に地域の総力を結集して取り組みたい。
◇仙北組合総合病院の移転改築について=県厚生連の財務事情から改築時期の見通しが立たない状態となっているが、昨年12月に県が厚生連病院の改築に対する補助見直し、支援策の強化が示されたことから、平成15年に雄勝中央病院、16年に平鹿組合総合病院の移転改築など環境に変化が起きている。しかし、仙北組合総合病院に関しては不透明な状況にあり、病院側から病院主体の改築推進は難しいとの意向が示されている。このため地元自治体が主体となった運動が必要と考え、郡内町村長に対し「仙北組合総合病院早期改築推進会議」の設立を提案、おおむね了承を得、4月以降の早い時期に会議設立のため準備会を開いて設立総会の開催に向けて努力したい。
◇市民課・税務課の時間延長、そして図書館の日曜開館と時間延長は費用対効果を考えると税のむだ遣いではないか=午後7時までの時間延長でこの2カ月間の利用は75人であり、市民サービスにつながったと理解している。時間外勤務は職員の協力を得て、担当する職員が勤務を延長した翌日にその延長分の勤務時間を短くするなど工夫しており、経費的には照明や暖房など必要最小限にとどめるようにしている。図書館の日曜開館は市民への利便性とサービス拡大を図るためで、1月から全日曜日の開館を試行の形で実施している。日曜日の来館者は貸出利用者を含め1日200人を超える。今後も広報などを通じてPRし、利用者の増加を図りたい。4月からは午後7時まで延長するが、カウンター業務は図書館職員1人とシルバー人材センターから派遣される人との2人体制で行う。時間延長に伴う経費はシルバー委託費の29万9250円だ。職員の時間延長は時差出勤で対応したい。図書館活動は図書資料の貸出、閲覧だけでなく生涯学習の中心的役割としての地域住民への情報発信や地域文化に関する資料の提供、調査研究の手助けとなる施設として展開してきており、市民へのサービス拡大は必要なものと考えている。
◇選挙公約であって施策の実現は議会に対して常に事後報告に終わっている=地方自治法に定められた互いの権限の中で、それぞれの領域を侵すことなく円滑、円満な運営が期待されている。そのため議会に対する資料の提供や事前の協議などを含めて議会との信頼関係のもとで市政運営にあたることが肝要だと思っている。
◇学校給食センター改築について=建築から34年が経過し、老朽化が進んで改築の必要性が言われてきた。また南外村の給食センターも老朽化し、市町村合併を契機に合同で建設する計画で協議を進めてきた。用地は中沢工業団地を想定し、平成16年に基本計画に入る。敷地面積は約6200平方メートルを見込んでいる。供給能力は1日4000食とし、米飯は週4日、パン・めんなどは週1日としたい。平成19年をめどに供用開始したい。
◇2学期制について=昨年12月の大曲仙北学校2学期制検討委員会の結果、「2学期制を導入すべきだ」となった。学期の区切りとして10月初旬に5日間程度の「秋休み」を設け、2学期制の良さを生かすためには教育課程の工夫や学習指導方法の改善など各校の一層の努力が必要だ。大曲市教育委員会としても平成17年4月からの実施に向け、規則などの整備や地域・保護者への説明に努めたい。
◇乳がん検診をマンモグラフィーにしてほしい=県では乳がん検診実施要領を改正して50歳から69歳の対象者に問診・視触診とマンモグラフィーの併用検診を2年に1回実施するとして全県に集団検診車2台を配車した。しかし、厚生会仙北へは7月のみの配車で2町実施が可能だけで、保健事業団では従来委託を受けている町村にも対応できず大曲市への配車は不可能とのことだった。市内の医療機関とも協議したが、通常の診療が優先であり、50歳から69歳の受診見込み者約600人の検診受け入れは体制が整わず、マンモグラフィ併用検診は困難であるとの回答だった。平成17年度に実施する方向で検診機関、医療機関と再度協議を重ね検討したい。
◇市町村合併について=新市の名称や議員の在任特例を巡って様々な意見を市民から伺っている。しかし合併協議という場での決定であり、構成町村のそれぞれの立場の違いから、大曲市の意見が協議会で理解されない場合もある。市長として市の合併協議会委員と一緒にできる限り努力しているが、市民の意見と異なる結果については協議結果を尊重してもらい、理解いただけるよう説明に努めたい。
◇女性専門外来について市長の認識と必要性について=女性医師が様々な社会環境の変化に伴う女性の病気や精神的な不安を総合的に診療するものと認識しており、女性特有の疾病や健康上の課題を解決するために有効であり、多様なニーズに応えるためには必要だと認識している。民間病院の女性専門外来の立ち上げに関して、医師会では女性医師の確保や施設整備などの観点から、設置については時間がかかるとのことだった。今後、組合病院改築と合わせた開設への要望や民間病院立ち上げへの市の支援策などを医師会と協議したい。
◇児童虐待の現状と支援体制について=本市における現状は平成16年2月末現在で2件あり、福祉事務所の家庭児童相談員、母子自立支援員、精神障害者相談員などが相談に応じて対応している。早期発見についてはいち早く異常を発見できる保育園、幼稚園、小中学校での観察や乳幼児健診などでの発見に努めている。自立支援については一時保護、施設入所、在宅支援などがある。虐待を受けた児童・生徒は県の中央児童相談所担当職員や学校関係者、福祉関係者が面接し、子どもの幸せを第一に問題点を話し合い解決している。保護者への指導はまず虐待を行っていることを認識させ、子どもへの対応に仕方について指導し、保護者の個人的・社会的な悩みも聞いて対応している。