ホスピス医の小澤氏が本を出版

「苦しみの中でも幸せは見つかる」

横浜甦生病院勤務、大曲市でいのちを考える集いで講演(3月31日・水)

 大曲・仙北いのちを考える会設立発起人会(細谷昭雄代表)主催で2月15日に開かれた「いのちについて、死について、病について、看取りについて共に考える集い」で講師を努めた横浜市の横浜甦生病院ホスピス病棟長・小澤竹俊氏の著書「苦しみの中でも幸せは見つかる」がこのほど扶桑社から出版された。小澤氏はその本30冊を同会の事務局である大曲市栄町の日本キリスト教団大曲教会を通じて「小中学生にも読んでもらいたい」と寄贈。同教会の横井伸夫牧師は市教育委員会へ著書を届けた。

 小澤氏が医師として勤めているホスピス病棟は治療が困難とされ「限られた命」で苦しむ末期がん患者を受け入れ、患者とその家族のために、痛みやさまざまな苦しみを和らげる援助を行うことを目的とした病棟。

 東京慈恵会医科大学医学部を卒業。山形大学院医学研究科医学専攻博士課程を卒業し、山形中央病院救命救急センターに勤務、さらに同県西置賜郡白鷹町立病院の内科医として勤務。そのまま医療過疎地で働くことを夢みたが、人の生命をきちんと看取る大切さを実感し、1994年からホスピス病棟に移った。

 小澤氏はホスピス医として「患者さん一人ひとりにとって、苦しみとはどのような意味を持っているものなのか、その背景に流れているものは何なのか、その患者さんの希望を支えるとはどのようなことなのかを考えなければ、体の痛みをとることはできても、心の痛みをやわらげることはできない」と主張。ホスピスで学んだ命の大切さを特に若い人たちに伝えたいと小中学校での講演活動を続けている。

 大曲市での講演でも苦しみの構造を「人を好きになると苦しくなるが、相手も好きだと言ってくれると希望がわき、苦しみも和らぐ。苦しみは希望と現実のギャップであり、痛みだけが苦しみではない」と訴え、マンガやテレビドラマ「僕の生きる道」を紹介しながら、「あなたが必要なんだと他者から求められた時こそ人は強くなり、苦しみも和らぐ」などと語り、聴衆に深い感動を与えた。

 著書はその講演内容をさらに詳細にまとめたもので「友人、知人、夫婦、親兄弟、教師・生徒、上司・部下、学校・仕事関係などすべての『苦しみ』は、人間関係を見直すことで改善される」と訴える。定価は本体が952円。

 寄贈を受けた大曲市教育委員会では「校長会を通じて報告し、市内の小中学校に配布したい。内容からして中学生向きかと思うので、中学校に多く配布したい」と話している。