図書館活動のあり方など情報交換
図書館は優れた情報提供の場に=大曲市の高田さん講演(5月28日・金)
秋田県図書館協会(会長・半田和彦秋田県立図書館長)の総会が28日、大曲市の県立農業科学館で開かれた。県内各市町村の図書館が連携を取り合って、図書館活動のあり方などの情報交換をするために毎年、持ち回りで開いているもの。県立図書館をはじめ県内35図書館から約50人の職員が参加して、04年度事業計画などを決めた。
半田会長は南外村の公民館図書室が独立した「図書館」となったことを報告しながら、「県内69市町村の図書館普及率は50%を超え、全国平均に近づいたが市町村合併後の図書館サービスのあり方が今後のポイントであり、図書館は未来を見つめる知恵袋として役割を果たそう」と訴えた。
来賓として招かれた沢井範夫県教育庁生涯学習課長は「国・地方の借金は700兆円を超え、県の予算も大幅に削減せざるを得なかった。幸い県立図書館の今年度の図書購入費は前年並みを維持できたが、来年の保障はない。厳しい財政事情を考えると、図書館もこれからは図書購入のあり方などそれぞれ役割分担して対応する時代になるかもしれない」と図書購入のあり方の見直しを求めた。続いて栗林次美市長は1月から図書館の開館時間の延長やこの4月から日曜日開館に踏み切ったなどと市の施策を紹介し「図書館は地域文化の拠点であり、生活に潤いとゆとりを醸し出す重要な施設だ」と歓迎の言葉を述べた。
席上、大雄村公民館の伊藤タヨ子氏、県立図書館の船木喜夫氏、秋田市の瀧不動産取締役会長・瀧廣明氏を表彰した。伊藤氏は図書館の図書整理、貸し出し、返却業務など図書館運営に貢献した。船木氏は県立図書館の電算広報担当として、県内公共図書館のネットワーク化を図ると同時に資料の電子化とその提供などで貢献した。瀧氏は大内町へ3回にわたって計3万5848冊の図書を寄贈したほか天王町、岩城町、雄和町の図書館、秋田刑務所、老人施設、点字図書館などへも図書を寄贈し、県民の読書活動推進に貢献した。
総会後、大曲市日の出町在住で元市教育委員会教育次長の高田俊勝さん(71)が「どう生きる」と題して講演した。高田さんは県生涯学習ボランティアコーディネーターとしても活躍している。講演では「年寄りは役に立たないから山に捨てろと言った殿さまの国が、その年寄りの知恵で救われた」とする「うば捨て山物語」を語りながら、その原点は貴族社会が崩壊し、武家階級が力を付けた平安後期に誕生した「今昔物語」であるとし、庶民の語り伝える情報の大切さ、そして17世紀後半にイギリスの市民階級が一杯のコーヒー代で身分に関係なく政治から宗教、文学、科学、芸術を語り合った「コーヒーハウス論」を引き合いに、「市民が主体となった地域開発、地域興しをするには図書館が優れた情報を提供する場でなければならない」と訴えた。そして美しく老いるために若づくりして若い人の価値観に合わせたり、物分かりの老人になるよりも「若さにこびず自分たちの価値観に自信を持とう」と強調し、共感を呼んでいた。