美郷町がスタート

平成の合併トップを切っての誕生

3庁舎で開庁式=六郷庁舎には婚姻届第1号も(11月1日・月)

 
藤嶋代理者らがテープカットして美郷町がスタートした。
婚姻届第1号を出した小西さん夫妻。

  県内の市町村合併のトップを切って1日、千畑町、六郷町、仙南村の合併による「美郷町(みさとちょう)」が誕生した。3町村の合併で人口は約2万3700人となり、これまでトップだった天王町(約2万2000人)を上回り、町としての人口は当面、県内最多となる。同町は本庁は置かず、美郷町役場千畑庁舎、六郷庁舎、仙南庁舎の分庁方式を取り、この日午前7時50分からそれぞれの庁舎で開庁式を挙行して、新町のスタートを切った。

  町長室が置かれた六郷庁舎では本間智県仙北地域振興局長をはじめ、合併によって自然失職した坂本茂弘前六郷町長、松田知己前仙南村長、それに3町村の前助役らと48人の美郷町議、町民代表ら100人が出席。国旗と新しい町の旗を掲揚し、役場庁舎の銘板の除幕を行った。

  職務執行代理者に就任した藤嶋長右エ門前千畑町長は「千畑町・六郷町・仙南村の合併協議会設置から1年8カ月に及ぶ協議を重ね、平成の大合併では県内のトップを切ってこの日を迎えることができた」と報告。「合併は単なる行財政の効率化を目指すものではなく、新たなまちづくりだ。改革や時代の流れに応えることができる施策を通じ、自己決定と自己責任という地方自治の理念を模索し、旧町村の歴史、伝統、文化を尊重した個性と特色のあるまちづくりを一体となって進めていかなければならない」と決意を示した。

  来賓を代表して本間局長は「新町建設計画に掲げている奥羽山脈と仙北平野の大自然のもとでお互いを高め、尊重し合い、新しさと深さを求める創造性あふれるまちの将来像実現のため、県としても合併して良かったと思えるまちづくりのためお手伝いしたい」と祝辞を述べた。

  そして藤嶋職務執行代理者と本間局長、議会代表、それに町民代表に選ばれた佐藤美郷さん(22)=旧仙南村金沢=が長女の朝陽ちゃん(8カ月)を抱いてテープカットして美郷町誕生を祝った。佐藤さんの名前が美郷町と同じ美郷(みさと)だったことから、町民代表に選ばれた。

  一方、千畑庁舎、仙南庁舎では総合サービス課の課長が職務執行代理者の式辞を代読してそれぞれの役場の開庁式を行った。

  六郷庁舎では午前8時半の業務開始と同時に町民が次々と訪れ、住民票や印鑑証明書などの申請手続きをしていた。また10月29日に挙式を挙げたという同町六郷東根の農業・小西嘉之さん(26)と雄勝郡皆瀬村出身の阿部美咲さん(26)が「婚姻届」の手続きのため総合サービス課を訪れた。美郷町第1号のカップル誕生で、藤嶋職務執行代理者は二人に花束を贈呈して結婚のお祝いをした。

  小西さんは「町名募集にも応募しており、美郷町誕生に合わせて婚姻届を出して二人のスタートとしたかった」と話した。新婦の美咲さんは「これから一緒に歩んでいく町なので町民と一緒になって築いていく優しい町となってほしい」と希望を述べた。二人は農業短大で知り合い、交際してきたという。

  合併によって3町村の首長のほか、助役、収入役、教育長の4役12人も10月31日付で失職した。町長選は町発足となった1日から50日以内に行われる。また3町村の議員48人は在任特例の適用で来年9月末まで美郷町議として在任。その後は定数22にで町議選が実施される。



美郷町長選

23日告示、28日投開票へ

  一方、美郷町選管は1日午前9時から選挙管理委員会を開いて町議選の日程を協議した結果、23日告示、28日午前7時から午後6時まで町内25カ所の投票所で投票を行い、午後7時半から町総合体育館アスパルで即日開票すると決めた。また期日前投票所は千畑、六郷、仙南の各庁舎で受け付ける。

  美郷町長選には坂本茂弘前六郷町長(67)と松田知己前仙南村(41)がそれぞれ出馬表明。ほかに動きがなく事実上、二人の一騎討ちとなる。坂本氏は同町馬町の名水市場「湧太郎」前に、松田氏は同町金沢西根の国道13号沿いにそれぞれ後援会事務所を立ち上げ、活発な活動を展開している。

  9月2日現在の有権者数は男9190人、女1万463人の計1万9653人(旧町村別では千畑町6971人、六郷町5882人、仙南村6800人)。15日午後2時から六郷庁舎で立候補予定者への説明会を開催する。

  合併で美郷町役場の電話番号は3庁舎とも「0187─84─1111」となった。電話はすべて六郷庁舎総務課で受け付け、3庁舎の担当課職員へと転送する。六郷庁舎では2人の女子職員がひっきりなしに掛かって来る電話に応対、306人の職員の顔写真を張った職員名簿と照らし合わせながら、電話を担当課に回していた。この日に備え、訓練を重ねたようで電話応対への混乱はなかった。

  合併後の住所表示は千畑、六郷、仙南の名が消えるが、千畑町安城寺は美郷町安城寺、六郷町野中は美郷町野中、仙南村飯詰は美郷町飯詰となるように旧町村の大字は変わらない。千畑、六郷、仙南の各庁舎は次のような組織となる。なお各課の下は係ではなく、住民税班、健康対策班など班構成となる。

  ◇千畑庁舎(美郷町土崎字上野乙170番地10)▽議会=議会事務局▽教育委員会=教育長、学務課、社会教育課、幼児教育課▽税務課▽住民生活課▽福祉保健課▽総合サービス課

  ◇六郷庁舎(美郷町六郷字上町21番地)▽町長、助役▽町長公室▽総務課▽企画課▽商工観光課▽総合サービス課

  ◇仙南庁舎(美郷町飯詰字北中島35番地1)▽収入役=出納室▽国体準備室▽農政課▽建設課▽総合サービス課▽農業委員会=事務局

  美郷町の主なデーター▽人口=2万3277人(04年10月1日現在)▽面積=167平方キロメートル▽世帯数=6385▽役場職員=306人▽議員定数=22人(来年9月末までは48)。