松田、坂本両候補、告示前に共同会見
旧3町村の壁をどう取り除くか=争点も同じ(11月5日・金)
|
|
|
|
|
|
千畑町、六郷町、仙南村の合併で今月1日から「美郷町(みさとちょう)」となった同町初の町長選は23日告示され、28日投開票となる。同町長選には元六郷町長の坂本茂弘氏(67)=同町六郷字本道町=と元仙南村長の松田知己氏(41)=同町金沢西根字二ツ柳=が出馬表明している。5日、二人はそれぞれ共同記者会見して出馬への抱負などを語った。
松田氏は午前10時から仙南交流センターで会見を行い、「8月9日に美郷町の町長選に出馬したいと表明した。合併で美郷町誕生に責任ある者の一人として、若さと行動力で新町の牽引役として頑張りたい。また自分自身、県内でも平成の合併第一号である美郷町を住民が誇れる町にしたいという思いを持っている」と決意を述べた。さらに「県庁を辞めた時から公務を具体化したいと覚悟を決めており、美郷町でも継続したい」と語った。
その上で松田氏は「行政は住民から負託を受けて存在し、負託を背負って運営しなければならない。そのためには常に公平であって、課題に対しては誠実に取り組まなければならない。そして常に先を見つめた展望を持って政策運営しなければならない。この3つを信念に仙南村長として行政運営をしてきたが、新生・美郷町でもこれを信念としたい」と述べた。
そして合併した3つの地域間にある壁を取り除き、融和と前進をキーワードに「住民の心のよりどころとなるような地域づくりをしたい」と訴えた。地域融和に向けては「人と人との交流が大事であり、スポーツ祭や生涯学習祭など全町規模のイベントを開催する」と公約を挙げた。さらに▽秋田国体を町勢活性化につなげ、観光振興に結びつける▽美郷町内の学校間交流の促進▽幅広い価値観を持たせるため中学生の海外研修の実施▽一人ひとりの可能性を育む住民参加の企画でクラシック、ジャズなど音楽会、映画、講演会の開催▽高齢者に配慮した地域循環バスの運行▽生活道路の整備▽防災防火施設・機材の整備▽子育て支援の充実▽高齢者の生きがい支援に向けた世代間交流の創出▽美郷ブランド米の確立と農業法人の育成強化─などを公約に掲げた。
一方の坂本氏は同日午後1時から美郷町六郷公民館で会見。「美郷町の町長選には9月1日の六郷町議会で正式に出馬表明させてもらっている。理由は合併が終わりではなく新たなスタートであり、自分のモットーとしてこれからも旧3町村の融和、話し合いをもって総括し、進むべき方向を決めたい。これが基本だ。協議会の会長として合併を進めてきた経験、国・県とのパイプを生かし、合併をリードしてきた者として責任もある」と語った。
そして「通常の選挙であればこれまでの町政運営のあり方などを批判して戦うのだが、今回は3人の町村長で協議し、合併に向けて調整してきた。その調整能力の問われる選挙戦だ」と語った。
その上で「地域の垣根を取り、人の輪、心の和を大切に公正確実な美郷町を創造する」を基本プランに▽計画の立案から住民参加での「地域と語る会」(仮称)を設置し、旧3町村の融和を図る▽旧3町村の商工会、社会福祉協議会は合併したが、ほかの各種団体も合併させ、同じ町民であるという一体感を持たせ、イベントも企画し、同じ町民になったという実感を持たせたい▽町の基幹産業は農業であり、基盤整備を実施し、官民一体となって生産法人の育成、それに向けた人材の育成に力を入れる▽農業資源を利用したグリーンツーリズムを推進し、観光に結びつける▽介護予防に力を入れた高齢者福祉の充実と子育て支援の強化▽旧3町村の伝統的な民俗行事などを保存する伝承館の建設?などを公約に掲げた。
松田氏は美郷町天神堂字赤城の国道13号沿いに後援会事務所を開設。一方の坂本氏は美郷町六郷字馬町の名水市場「湧太郎」前に後援会事務所を置いた。両氏とも選挙戦は旧千畑町が主戦場になるとして10月から千畑を中心にミニ集会を活発に開いて、美郷町のまちづくりをテーマに話し合いを進めている。坂本氏のミニ集会には藤嶋長右エ門元町長も応援で同行。一方の松田氏には反藤嶋派の陣営が支持に回り、若い人たちへの浸透を図っており、旧千畑町は松田・坂本の両派で真っ二つに割れている。
町選管によると9月2日現在の有権者数は男9190人、女1万463人の合わせて1万9653人。このうち旧千畑町は6971人、旧仙南村6800人、旧六郷町5882人となっている。
松田知己氏=横手高校を経て東北大学農学部卒。県庁入りし、秋田農業改良普及所、農政部農政課、農業技術開発課に在職。1996年9月、県農業試験場主任で退職し、同10月、仙南村助役に就任。2000年8月、村長選に出馬、無投票当選。04年8月、再選され11月1日合併に伴い失職。1963年9月1日生まれ。
坂本茂弘氏=六郷町出身。大曲農業高校を経て岩手大学農学部卒。県庁入り。1988年、仙北農林事務所長を経て89年4月から91年4月まで六郷町助役。県庁に戻って農政部農村振興課長、農政部次長を勤め、97年の町長選で初当選。住まいは秋田市だが、現在は六郷町の借家で妻と次男と3人暮らし。1937年3月3日生まれ。