鐘はかたり清水はささやく
六郷町史談会が小史を再発行、近隣書店で販売(11月9日・火)
町村合併で廃町となった旧六郷町の歴史を刻んだ六郷町小史「鐘はかたり清水はささやく」が合併前の町内全戸に配布されたが、旧六郷町の歴史愛好家による民間サークル「六郷史談会(高橋悦央会長)」では町から版権を譲ってもらい、表紙などを変更してこのほど小史「鐘はかたり清水はささやく」を再発行、近隣市町村の書店で店頭販売している。
小史は「だれにでも読める六郷の町史」としてまとめた。六郷町は1891年(明治24年)町制施行で誕生、10月31日の廃町になるまで113年の歴史を刻んだ。同町が歴史的に登場するのは鎌倉時代からで、宮廷の行事である「吉書焼き」の風習が小正月行事「カマクラ」=国の無形民俗文化財指定=の天筆焼きとして定着したのもその時代とされている。そして熊野神社縁起(由来)によると、源頼朝の命令によって二階堂氏(後の六郷氏)が六郷に入部したとされている。
その後、戦国時代と時は流れ、慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いで徳川が天下を治め、豊臣家に加勢した大名の佐竹義宣は常陸から秋田へと国替えを命じられる。戦国武将だった義宣の父・義重は六郷城に入り、現在の町がつくられた。
小史・第1編は「町づくりの旅路」と題して旧石器時代から縄文、弥生、古墳、奈良・平安時代、鎌倉、室町、戦国・織豊時代、江戸、近代、現代と流れる。第2編では「鐘はかたる」と題して六郷の自然環境、城と町づくり、お寺、豪商たち、農業と農業水利の発達、そして学問と文芸、民俗行事と人々の信仰を記している。第3編では「清水はささやく」と題して明治天皇の巡幸、六郷大地震など歴史の話題をまとめた。第4編では「時の旅人」と題して町が生んだ国学者の齋藤則庸、勤王の志士として西郷隆盛らとも交流を深めた辻辰之助、政治家の京野孝之助、医学界の父として尊敬された熊谷幸之輔、教育学者・藤井帰一郎、文学者の小杉天外などが紹介されている。
小史は旧六郷町公民館の岩屋朝徳館長、六郷史談会の高橋悦央会長、宇佐美晃一、亀井日出男、吉水是真、梅川四郎、安倍莞爾の各氏が執筆した。中学生・高校生にも読める平易なものを意図して書いたというように読みやすく、旧六郷町を語る上で欠かせない貴重な記録にもなっている。
税込みで一冊1000円。問い合わせは美郷町六郷公民館へ(0187─84─2311)。