広域行政・地方分権で意見交換

県のとことん塾=大曲市で開催

楽天のプロ野球=東北6県一体になるべきの意見も(11月12日・金)

  広域行政や地方分権のあり方についてとことん話し合おうと「第3回とことん塾」が11日、大曲市の県仙北地域振興局庁舎で開かれた。県企画振興部総合政策課の主催で、1回目は7月に秋田市で開催、2回目は10月に鷹巣町で開いている。塾の狙いは日本の社会・行政システムは中央集権型から地方分権型への転換点にあり、地域のことは地域の責任と判断で運営するための受け皿として市町村合併が進んでおり、合併による規模拡大で身近な行政サービスの多くは市町村が担うことができる。これに伴い県の役割もスリム化に向けた見直しが必要であり「道州制」の議論も始まっているとして「広域行政と地方分権」に対する考えや意見を県民からくみ取りたいと企画した。

  意見交換者となったの賢木新悦さん(北東北広域連携推進協議会長・大曲市)、津田芳昭さん(東北電力秋田支店)、小西亨一郎さん(NPO大曲花火クラブ副会長)、佐々木喜美子さん(女性農業士・西仙北町)、高橋新子さん(西木村産業課長補佐)、三浦勝則さん(横手平鹿広域観光協議会・横手市)、鎌田芳彰さん(横手青年会議所理事長)、木村妙子さん(小町園・雄勝町)、和賀幸雄さん(和賀組・湯沢市)、菅原大さん(湯沢市総務部)の10人。賢木さんが進行役となって意見交換が活発に行われた。

  始めに県企画振興部総合政策課の川上正課長が「国と地方合わせて700兆円もの借金を抱え、このままでは破産の危機もあって三位一体の改革が求められている。市町村合併で規模が大きくなり、市町村の担う役目が大きくなると県の役割は低下し、極端なことを言えば県は要らなくなる。そこでより大きな自治体にしようと道州制が出てきた」と塾開催の趣旨説明をした。

  そして▽広域連携活動から見えて来るもの▽広域行政への期待と不安▽地方分権の実現▽住民と行政の協働▽道州制▽市町村合併後の行政▽北東北のグランドデザインの7点にテーマを絞って意見交換となった。

  横手市の三浦さんは「秋田ふるさと村の誕生を契機に村を会場にしたイベントや物産販売を広域で取り組んで成功した」と述べ、「現在はさらに大阪にアンテナショップを設けて大阪の人に秋田のイブリガッコを売っている」と観光物産の面で広域化のメリットを挙げた。一方で「横手平鹿8市町村の合併が直前になって二転三転しているのを見ても、道州制は余りに大きく馴染めない」と述べた。これに対して東北電力の津田さんは「合併は地域をいかに豊かにするかであり、行政コストを下げるなどまず出来ることからやってしまうべきだ。住民はそれに付いて来る」と広域行政を歓迎した。

  大曲花火クラブの小西さんは「新作花火コレクション」や「花火鑑賞士」試験の成功例を述べながら「合併で大仙市が誕生するが、新市のブランドはゼロからスタートだ。ブランドをどう育てるか。難しい」と訴えた。同時に「楽天が仙台市にプロ野球の拠点を構える。野球を通じて東北全体の郷土意識を高めるいいチャンスではないか」とも訴えた。

  女性農業士の佐々木さんは「わらび座からの紹介で修学旅行生を受け入れ、農業体験させている」とし「子どもたちに農業の素晴らしさを教えることで私たちも農業の大切さを学び、実感している。そしてコメや野菜の注文をその子どもたちの家族から受けるようになった」と交流の拡大で生まれたメリットを語った。

  西木村の高橋さんは「グリーンツーリズムに取り組みたいと村の人が民宿の営業許可を取ろうとしたら厳しい規制があって、改築に大変な費用がかかるのを知った。農家のやる気を高めるためにも県の規制を緩和すべきだ」と訴えた。

  小町園の木村さんは「観光を仕事としており、北東北3県の道州制には期待している」と述べると同時に「寝たきり老人とならない元気で健康な老人対策こそ介護保険の節約にもなる」と提案した。

  湯沢市の和賀さんは「交通網が発達しており、北東北3県でなく一気に東北6県が一体になるべきだ」とし、警察も犯罪の広域化に対応するため「東北一本で統合すべきだ」と訴えた。同時に税政も見直し、地方が活性化するためにも地方がもっと自由に使えるよう税源を移譲すべきだと述べた。

  湯沢市職員の菅原さんは「広域行政は出来ることからやればいい」と北東北3県の一体化は歓迎したが「この地域は人口も少なく、経済も弱い。元気になるには人口流出を防止しなければならない。北東北に住みたいと思える地域にしなければならない。これまでは全て東京だったが、東京に行かなくてもやれるビジネスチャンスが広がった。それを見つけるべきだ」と提案した。最後に賢木さんは「これからも県民はどんどん声を出し、行政と協働作業をやって地方の活性化を図ろう」と呼びかけた。

  とことん塾で出された意見の詳細は会議録として作成し、県のホームページで公表される。