イジメのない学校へ

美郷町千屋小学校で人権教室

ビデオを鑑賞し、イジメの辛さを学ぶ(11月25日・木)

  人KENまもる君も登場し、子どもたちを喜ばせた秋田地方法務局大曲支局と大曲人権擁護委員協議会は25日、美郷町の千屋小学校(藤井誠子校長・児童数274人)で「人権教室」を開いた。同校は文部科学省から「平成15、16年度人権教育研究指定校」となっており、人権に関するビデオ鑑賞や意見発表会を通して「いじめのない楽しい学校生活を送るためにはどうすればよいか」を考えようと開いた。

  教室は3、4年生93人を対象に開いた。法務局から加藤富子支局長と職員、それに大曲人権擁護委員協議会からは佐井悦雄会長ら5人が学校を訪れた。そして「ぼくだってきれいにしたいんだ」という題名のアニメ作品をビデオで鑑賞した。

  アニメは小学校3年生の正夫君が最近、すすけた服を着てツメなども伸びたままになっている上に学校での体重測定の日、下着姿となった正夫君のシャツがあまりに黒くすすけていることから「すすけのマーヤン」というあだ名を付けられ、イジメを受ける。このため正夫君は学校に行けなくなる。その正夫君を心配して訪ねる同級生の〃みさき〃と〃まりこ〃。しかし、正夫君のため救いの手を差し出せば、自分がイジメを受けるかもしれないと黙ってしまう。

  正夫君のシャツがなぜすすけているのか。正夫君はお母さんとおじいさんの3人暮らしだ。そのお母さんが入院してしまい、正夫君の面倒をみているのはおじいさんだ。洗濯もおじいさんがやっているが慣れないため、うまく洗えない。「僕もきれいにして、みんなと仲良く遊びたいけど出来ないのだ」と訴える正夫君。

  人権擁護委員の高階昭男さん(美郷町黒沢)が子どもたちに聞いた。「どうして正夫君は学校に行けなくなったのだろう」「なぜ正夫君の同級生はいじめるのか」と。子どもたちは盛んに手を挙げて「学校に行けばいじめられるから行きたくなくなった」「正夫君は弱いからイジメたくなる」「正夫君はおとなしいからイジメやすい」と。

  そして「自分が正夫君の立場になったらどうするか」と高階さんは回答を求めた。子どもたちは回答用紙に「自分だったらとても嫌なので勇気を出して嫌ですと言いたい。正夫君を心配する〃みさき〃さんの立場だったら先生に相談する」「嫌なあだ名で呼ばれてもあまり気にしない。しつこく呼ばれたら注意する。それでもあだ名で呼んだら先生に相談する」「嫌な思いをしている自分の気持ちを学級会で話し合って伝えるというがそのような勇気は出せないと思う」などと答えた。子どもたちは真剣になってイジメを受けた正夫君の立場になって、その心の傷みを考えていた。

  同校では人権教育研究の指定を受けたこの2年間、「相手の気持ちを考え、思いやる心を育もう」と朝の読書を通じて感動する心、小動物の世話を通じて思いやりの心、そしてサツマイモの栽培を通じて収穫の喜び、さらに総合学習の時間を利用して地域のために何がやれるかとボランティア活動などを活発にやってきた。そして公開授業でその成果をまとめた。

  教室が終わると加藤支局長の案内で「人KENまもる君」のウォークバルーンが登場。子どもたちは「エー。すごーい」と歓声を挙げた。人KENまもる君は漫画「アンパンマン」の作者・やなせたかしさんが描いたキャラクター。子どもたちはそのまもる君を迎えて「友だちはいるの」「好きな動物は」などと盛んに質問し、交流していた。