太田町の基金、政治決着
人材育成、花の里づくり基金=名は残し、金額は拘束せず(10月5日・火)
大曲市とその周辺7町村の合併を協議する第8回臨時大曲仙北合併協議会は5日午前10時から、仙北町のふれあい文化センターで開かれ、継続審議となっていた太田町の基金の取扱いについて5度目の協議に入った。この日も太田町側が3つの基金の取り下げを求めたため紛糾、市町村長会で協議した結果、各市町村が持ち込む基金の金額は「平成16年度末の残高をもって基金とする」と当初の協議で決めた〃原点〃を確認、従ってこれまでの協議で各市町村が協議会資料に記載した基金額は見込額であって、記載された金額を拘束するものでないとの事で全会一致、人材育成基金と花の里づくり基金は新市における施策とすることで可決した。
協議会長の栗林次美大曲市長は「今日の協議会で決定したい」と述べ、1日の臨時会で太田町の「まちづくり基金(6億円)」は大仙市に持ち込まないとした市町村長会での修正案を原案として、各市町村議会での協議結果の報告を求めた。その結果、太田町を除く7市町村が「賛成」の立場に立った。
太田町の門脇一男議長は「1日の市町村長会で何とか修正案に同意してくれと説得を受け、昨日の議会全員協議会で話し合ったが、その要望に応える結果には至らなかった」と述べ、「3つの基金は行財政の面で節約の努力をした結果のものであり、町民に納得のいく形で残さなければならない」としてまちづくり基金(6億円)、人材育成基金(6000万円)、花の里づくり基金(2000万円)の取り下げを議題にするよう求めた。
しかし、栗林会長は「太田町の意見は分かるが、基金の取扱いを巡っては2カ月間にわたって全会一致でまとまるよう話し合った。議論はつくされた。民主主義のルールに従って、採決で決定したい」と起立採決を求めた。
ここで協議会は紛糾。太田町の議会代表が「基金は持ち込まないとわが町議会が決めたのを、持って来いと求める権利がこの協議会にあるのか」などと強硬に批判。さらに協議会資料に記載されている基金は「決定した金額か」と事務局に確認を求める声も出た。
結局、協議会は休憩に入り、市町村長会で話し合った。その結果、事務局側が「新市に引き継ぐ22項目の基金として提示された金額は16年度末の見込額であり、それぞれの市町村で最大限努力してもらった上で残してもらう金額である」と金額を拘束したものでないことを説明。
これを受けて「まちづくり基金」は市町村長会の提案通り「大仙市に持ち込まない」ことで可決し、人材育成基金と花の里づくり基金は大仙市全体の施策として残し、積み立てるとの方針でまとまった。
問題となった「まちづくり基金」はいずれは新市の「地域整備基金」とするが、その原資6億円が太田町の基金であることから合併後も同町域のために使用するとした。しかし、協議会の委員から「特定の地域のために基金を設けるとなれば、財産は新市に持ち寄るとする合併の理念に反する」との反論で頓挫。結局、6億円は持ち込まず、合併までに使い切ってしまうのなら問題ないのではとの妥協案も出て、基金の項目から「まちづくり基金」の記載を削除するとの調整案となっていた。
だが太田町では1日の臨時会で、それまで議論の対象となっていなかった「人材育成基金」も「花の里づくり基金」も「まちづくり基金」と表裏一体のものであるとして、3つの基金の削除を求めたため混乱。
結局、まちづくり基金6億円は新市に持ち込まないで決着。「人材育成基金」と「花の里づくり基金」は新市の施策として残すが、太田町の2つの基金合わせて8000万円は残すべき目標額であり、金額はこだわるものでないとの解釈で政治決着した。
高貝久遠太田町長は「まちづくり基金の6億円は新市に持ち込まないと決定したので、その基金は道路改良や奥羽山荘、中里温泉など公共施設のグレードアップに使いたい。役場職員も節約に努力し、町民も我慢して貯めた資金だ。理解してもらいたい」と述べた。そして人材育成基金は「町内の小中学校と大農太田分校にこれまでも使ってきた。これからもその補助金として充てたい」とし、花の里づくり基金は「各集落でポケットパークづくりに励んでおり、花壇づくりの補助金として活用してもらう」と語った。
この決着によって各市町村は今月15日か18日にそれぞれ臨時議会を開いて「市町村の廃置分合」についてなど5つの合併関連議案の議決を求め、県に廃置分合を申請、県議会の議決を得て総務大臣に届け出、来年3月22日に大仙市の誕生となる。