仙岩トンネルで防災訓練

田沢湖町の国道46号

事故発生、有毒ガス発生も=化学車も駆けつけ緊迫の訓練(10月14日・木)
 
 
車同士の衝突で火災発生、消火器での初期消火訓練
有毒ガス発生で防護服を着用しての救助訓練

  田沢湖町の国道46号仙岩トンネルで14日、救助工作車や化学車、ポンプ車など消防関係9台の車を動員した大がかりな防災訓練があった。国交省秋田、岩手両県の河川国道事務所が毎年、秋田県側と岩手県側との入口で交互に行っている訓練で、今年は秋田県側を会場に行った。

  秋田県と岩手県とをトンネル群で結んだ国道46号の仙岩道路は1976年10月に開通。トンネル群の中で仙岩トンネルは最も長く、延長2544メートルある。そのトンネルの中で事故が発生した場合、他の車両をも巻き込み、人命にかかわる大きな災害になり兼ねないと開通したその年から秋田、岩手両県の警察と大曲仙北広域消防、盛岡地区広域消防など14機関が協力しあって訓練を始めた。今年で28回目となる。

  訓練はこれまで交通事故に伴う「人命救助と交通の確保」に主眼が置かれたが、昨年からは地震や土砂崩れなどの災害時に備え、トンネルの防災施設もフル稼働させる訓練も加わった。そして今年は薬品などを積載したタンクローリー車も加わった事故を想定し、消防による薬剤処理班の出動となった。

  訓練の参加者は約200人。午後0時7分、仙岩トンネル秋田県側の入口30メートル付近で岩手方向に走っていた普通乗用車が運転操作を誤り、前の車両に衝突、エンジンルームから火災が発生。さらにタンクローリー車の事故も重なり、有毒ガス発生の可能性が高いなどの想定でスタートした。

  トンネルの前後は正午から午後1時まで一般車両を全面通行止めにし、大曲仙北広域消防の救助工作車や化学車、消防ポンプ車、救急車など合わせて9台がサイレンを鳴らして駆けつけた。トンネル内には事故を起こしたと想定した普通乗用車3台とタンクローリー車も置かれ、油に実際に火を点けて生々しい事故現場を再現した。

  最初の普通乗用車同士の事故では消火器を使っての初期消火訓練に始まり、事故の緊急連絡、そしてトンネル内のスプリンクラーからの放水と続いた。トンネル内は発煙筒の煙がもうもうと立ち込め、緊張感に包まれた。さらに今度は劇物を積んだタンクローリー車が乗用車に追突、硫酸が路面に漏れだし、有毒ガスが発生した可能性が高いとの想定で緊迫の訓練が始まった。

  有毒ガス防護服を着用してトンネルに入る消防士たち有毒ガスの防護服を着用した消防士らが劇物の中和処理や洗浄のためトンネル内へと駆けつける。さらに炎上した車の消火活動、車内に閉じ込められたけが人をレスキュー隊が特殊工具を使って救助、応急手当をする訓練も行われた。トンネル入口では田沢湖町消防団が有毒ガスの流入を防ぐため、土のうを積む訓練も実施。そして上空では県消防防災航空隊のヘリコプターが待機して、けが人を搬送する訓練も行った。

  参加者たちは消防士たちのてきぱきとした訓練の動きを見ながら、トンネル内のスプリンクラーの稼働や火が消えた後の送風機の稼働、緊急時の連絡などをビデオで収録しながらチェックしていた。