大曲市を会場に127回目の農業の祭典
賑わう各会場=農業機械化ショーに関心を寄せる(10月29日・金)
先人に学び農業の未来を拓く「第127回秋田県種苗交換会」は29日、幕を開けた。雲一つない絶好の好天に恵まれた中、午前9時から主会場の市民体育館前で大曲小学校の太鼓演奏でオープンとなった。県農業協同組合中央会長の菅原稔交換会会頭は「明治11年に交換会の産声を挙げて117年になる。改めて先人の偉大さに敬意を表したい」と述べ、「8月20日の台風15号で農作物は大打撃を受けたが、農家は来年に夢を託して安全で安心できる農作物の生産に励もうとしている。その情熱を察して展示物をご覧いただきたい」と開幕を待ち受ける大勢の観衆に呼びかけた。そして栗林次美大曲市長が歓迎のあいさつし、テープカットで〃農業の祭典〃の幕を開けた。交換会は11月4日までの1週間の日程で開かれる。協賛会事務局では期間中100万人以上の人出を期待している。
体育館では農産物展、学校農園展、地産地消展などが開かれ、水稲をはじめリンゴやナシ、ブドウ、野菜、切り花などが展示され、甘い香りが漂っている。農家の人たちの関心は何といっても農林水産大臣賞に輝いた水稲や大豆、ほうれん草などの展示物。
仙北町の佐々木忠太さん(86)は大臣賞に選ばれた稲を手に「やっぱりモミに光沢があって違う。根も丈夫で土づくりに力を入れただけある。いい米だ」と盛んに評価していた。会場には寺田典城知事ら一行の姿もあった。
協賛第1会場の武道館では健康チェックコーナーや交換会生みの親・石川理紀之助翁の生涯を紹介するコーナー、ミルクフェアなどが。第2会場の中央公民館・広域交流センター・市民会館では秀作美術展やJA秋田おばこ展、行政なんでも相談展、秋田わか杉国体広報などが開かれている。第3会場の雄物川河川敷では農業機械化ショー、物産即売、JA全農あきた展、中国物産展、植木・苗木市など。
地域職業訓練センターでは市技能功労者の紹介コーナー、県立技術専門校大曲・横手合同のテクノスクールフェア。サンクエスト大曲では押花絵コンクール、大曲駅では鉄道歴史写真展、産業展示館では市制施行50周年記念写真展、茶道連盟の茶会、県立農業科学館では高校産業教育フェア、菊花展、なつかしの生活用具展が、そして四ツ屋の東北農業研究センターでは11月1日と2日、施設を一般公開する。
また県立大曲農業高校では30日午前11時から伝統の仮装行列を行う。同校から駅前を往復する。そして31日は学校祭で一般公開する。
農業機械化ショーが開かれている雄物川河川敷。ここでは墓石から仏壇、中国物産展、海産物販売、宝石、彫刻、メガネ、金物、食堂などありとあらゆる市場が店を開き、賑わっている。中には鍼治療や占いのコーナーも。
しかし、農家の人たちの関心はトラクターやコンバイン、田植え機など最新式の農業機械。クボタ、ヤンマー、ヤマハ、ISEKIなどメーカーが1台1200万円以上もするコンバインや2600万円もの最新のトラクターなどを所狭しと並べ、女性の売り子たちが声高くその性能の素晴らしさをPRしている。今年は台風で大きな打撃を受けた農家の人たち。しかし、改良された農業機械には夢をかけたい。トラクターもコンバインも今は性能だけでなく乗り心地も試される時代となった。売り子たちはエンジンをかけ、「どうですか。この乗り心地の良さは」と盛んに勧めていた。
市民体育館に出品された農産物は8部門で1976点。台風被害が影響したもので、出品数が2000点を切ったのは戦後初めてという。それでも審査長の藤田佳克県農業試験場長は29日の成績発表で「不順な天候や台風被害にもかかわらず優れたものが多数出品された。その成果は本県の恵まれた自然立地条件と技術力の高さが維持された結果だと思う。しかし、水稲を例に見れば、穂数が少なく減収した所が多いなど、農家の技術力の差が生じた年でもあった」と評した。主な成績は次の通り。
◇農林水産大臣賞▽水稲「めんこいな」佐藤淳美(横手市)▽大豆「リュウホウ」中田好雄(比内町)▽ぶどう「巨峰」高橋昭子(横手市)▽ほうれん草「イーハトーブ」佐藤功(西木村)▽切花(輪ギク)「精興の旅」渡部賢義(十文字町)▽漬物「なすのこまち漬け」JA秋田おばこ仙北町農産加工部会▽乾牧草「混播」細谷精悦(中仙町)▽生しいたけ「北研607号」藤田誠子(平鹿町)
◇知事賞▽水稲=三浦喜代美(大曲市)、中嶋洋子(同)、福田セツ(同)、佐藤淳美(横手市)、松井広一郎(同)、神原廣次郎(十文字町)、三浦マツエ(大曲市)、木村レツ(同)▽水稲グループ=稲作品種特性研究部会(大曲市)▽株大豆=草なぎ福雄(田沢湖町)▽大豆=中田好雄(比内町)、中野大豆生産組合(草薙金光代表・千畑町)▽ハトムギ=高橋鶴松(仙北町)▽馬鈴しょ=佐藤夏栄(若美町)▽葉たばこ=森岡修一(合川町)、小松幸男(東由利町)、熊谷秋廣(仙南村)▽ホップ=小松公記(太田町)▽りんご=篭谷聡(増田町)、切田秀吉(鹿角市)、上野敏夫(同)、岸敏夫(大森町)、佐藤貢(平鹿町)▽ブドウ=高橋昭子(横手市)、高橋勇(同)▽日本なし包装荷造=石垣米蔵(大館市)▽キャベツ=山本勇輝(十文字町)▽榎千恵(秋田市)、高橋勝弘(千畑町)▽ゴボウ=斉藤彦次郎(鷹巣町)▽サトイモ=高橋栄司(山内村)、照井正栄(同)▽トマト=倍賞勝勇(鹿角市)、柴田久蔵(湯沢市)▽ネギ=佐藤みち子(能代市)、大高市雄(同)▽ピーマン=小野由博(大雄村)▽ブロッコリー=鈴木善孝(秋田市)▽ベイナス=津谷時夫(鷹巣町)▽ホウレンソウ=佐藤功(西木村)、高橋文子(太田町)▽ミニトマト=佐々木茂子(大内町)▽メロン=大川忠(大潟村)▽ヤマノイモ=高橋徹(田代町)▽切花=渡部賢義(十文字町)、根田洋子(森吉町)、藤原長蔵(羽後町)、佐藤剛(十文字町)、坂本真理子(千畑町)、佐々木武志(大曲市)▽種苗=横山喜代和(仁賀保町)▽ジュース=JA秋田ふるさと(横手市)▽漬物=JA秋田おばこ仙北町農産加工部会(仙北町)▽あけび細工=斉藤照雄(仙南村)▽食肉加工品=土田雄一(仁賀保町)▽乾牧草=細谷精悦(中仙町)▽生しいたけ=藤田誠子(平鹿町)、藤原せき子(同)
◇全国農業協同組合中央会長賞▽水稲=三浦喜代美(大曲市)▽馬鈴しょ=佐藤夏栄(若美町)▽りんご=切田秀吉(鹿角市)▽ネギ=佐藤みち子(能代市)▽切花=佐藤剛(十文字町)▽ジュース=JA秋田ふるさと(横手市)▽食肉加工品=土田雄一(仁賀保町)▽生しいたけ=藤原せき子(平鹿町)