今年度事業、市民の判定は?
4ランクのうちA、B中心=市長「意外と優しい回答」とホッ(9月6日・月)
大曲市は04年度事業に対する市民の評価を求める初の「市民による市政評価」のアンケート調査を6月に実施していたが、その結果がまとまったとして発表した。調査は無作為に抽出した20歳から74歳までの市民1000人を対象に実施。アンケート用紙はホームページを通じて希望のあった市民も含め1001人に郵送した。その結果、回答者は506人で回収率は50.5%だった。
調査では▽子どもたちが安全に、効果的に学習できる環境をつくる▽子どもを生み、育てやすい環境をつくる▽安心して長寿社会を過ごすことができる環境をつくる▽地域の経済を活性化する▽市民に役立つ市役所にする─の5部門25事業について評価を求めた。
それを点数化し、回答が「やや満足」より上位ならAランクとし事業の継続を、「やや満足」はB及びB─(マイナス)とし、この場合の判定は「継続だが改善を要する」とした。そして「あまり満足でない」「満足でない」はC、Dとし、判定は事業の「要改善」「見直し」とした。結論から先に述べるとC、Dの判定はゼロで栗林次美市長は「もっと厳しい結果が出ると思っていたが、市民は意外と優しく答えてくれた」と感想を述べた。
主な評価を選出すると最初の教育関係では、子どもたちが効果的に学習できるようにするため「小中学校の教職員へパソコンを配備する」はBだった。これに対する市民の意見を求めたところ「長崎の事件のこともあり、子どもにパソコンの取り組み方をもっと指導してほしい」「個人情報の漏洩について、具体的な保護策が確立されえない」と懸念する声もあった。その一方で校外指導にもっと取り組んでほしい、守衛の配置や通学路の安全対策など児童生徒の安全性を求める声が目立った。
市ではパソコン配備では学校の現状、事業の趣旨の説明が不十分で市民の納得が得られなかったとアンケート調査の結果を反省している。
一方で小中学校の少人数学習や体験的活動の支援のため配置された市費による講師(学習活動支援員)を3人から6人へと増員したこと及び幼稚園の3歳児保育に保育補助員を配置したことに関してはAランクで評価された。
次に子どもを生み、育てやすい環境について市が今年度から実施している「子育てサービス一覧表の作成」「未就学児の入院時の医療費を助成する」「保健センターの施設の改善」もAランクで評価された。しかし、市民がアンケート用紙に記述した意見では「生んでも育てにくい環境にあるのは確か。だから(子どもは)減る。公務員並みに産休、育休のある企業などあるはずもなく、この不況下では若い夫婦は育てることに大きな不安がある」「子どもを生み育てやすい経済状況にない。育児休暇、出産後の復職などのバックアップが必要。国の施策として前向きに取り組むべき」などの意見があった。また、未就学児の入院時の医療費の助成については「所得の多い人からは取った方がいい」との意見が目立った。
長寿社会に関して市が取り組んでいる一人暮らし高齢者のための「ふれあい安心電話」や軽作業・買い物などの日常生活支援はB判定だった。一方、地域で(自宅で)生活できる環境を整えるための介護予防デイサービス、地域交通システムとして始めた乗合タクシーなど3つはAで評価された。ただ20代の市民は「あまり老人ばかり保護し過ぎではないか」と疑問を示し、「もう少し両方を考えた総合的なものにすべき」と指摘した。また「老人ホームなど利用してない人への助成は何もないのか」「高齢者で低所得の人びとも安心して入所できる施設を増やしてもらいたい」との記述もあった。
地域の経済を活性化するで、農業振興のため本年度から取り組み始めた▽特別栽培米助成事業▽土壌改良対策支援事業などは一律、B判定だった。農業問題に関しては肯定的な評価は40%に過ぎず、「分からない」が3割を超えた。市では農業施策が消費者としての市民にほとんど知られてないと分析している。
次に商業振興に関する回答では「商店街などで設置した街路灯の補修、電気料の補助」「アトリエール花火庵など空き店舗活用施設に臨時職員を配置し、特色のある地域産品のPR」など「にぎわいのある商店街をつくる」はB評価だった。市民個々の意見を見ると「なぜ助成金か」と疑問を示し、「商店街の店主が車時代に合わせて駐車場をつくるなど商店街に効果をもたらした時に助成するのが有意義」など駐車場の問題を指摘する声が多かった。
一方で区画整理事業の中で進めている「駅東街路整備事業」「駅東地区まちづくり総合整備事業」はAランクで評価された。しかし、回答のあった506人の評価を分析すると大曲地区の人たちが事業を「否定的」に評価するのが3割を超し、市では「区画整理事業が長期にわたっているため、全体像、将来像が見えて来ない苛立ちが読み取れる」と説明する。
最後に「市民に役立つ市役所になる」に関しては市民課、税務課窓口業務の時間延長や図書館の開館時間を午後7時まで延長、各地区公民館のトイレを改修し、洋式トイレにしたなどが評価されAランクが多かった。ただ「出前市長室など有効だが、一方的に市からの話に終始し、市民からの発言が制限される現状では納得できない」と厳しい指摘や市の施設利用に関しては「職員の応対が悪い」などの不満も寄せられた。
市では「今回のアンケートでの評価では『内容が分からない』とする意見が多数、寄せられた。いかに市の事業を市民に知らせていくか、市民との情報の共有の仕方が欠けており、今後の大きな課題となった」と反省する。そして市民の評価が今後、どう変化するかも継続して見る必要があると判断し、来年1月から2月にも再度、行政評価を実施したいとしている。