アテネで走った伊藤選手

母校の大曲高校へ

郷土・南外村からは村民栄誉賞を受ける(9月9日・木)

 
大曲高校を訪れた伊藤選手
田口南外村長から「村民栄誉賞」を受ける

  アテネ五輪陸上男子1600メートルリレーで活躍した南外村出身の伊藤友広選手(法政大4年)が8日、母校の大曲高校を訪れ、4位の入賞報告をした。伊藤選手はその後、大曲市役所で栗林次美市長からもお祝いの言葉を受け、郷土の南外中学校で開かれた入賞を祝う会では田口暢宏村長から「村民栄誉賞」が贈られた。

  大曲高校は母・あつ子さん(48)と共に訪問。第2体育館では901人の全校生徒と教職員が出迎えた。黒のオリンピック選手ブレザーを着用した伊藤選手が入場すると体育館は「オーッ」と歓喜の声でわき上がり、拍手が鳴り響いた。

  伊藤選手はリレー選手に選ばれたものの既に決まっていた代表3人のほかのリレー要員だった。しかも7月に札幌市で行われた南部記念陸上400メートルで3位に入り、追加代表として選ばれた5番目の選手だった。アテネに行っても、勝ち抜かなければ4人の選手に入れないという厳しい条件を背中に負っていた。しかし、伊藤選手は7月16日に同校で行われた激励会で「何とかメンバーを勝ち取って、皆さんの前で走る姿を見せたい」と決意を述べていた。

  その約束を見事、アテネで果たした。しかも、第3走者として走り、区間3位(45秒01)で2位をキープ、アンカーにバトンタッチした。伊藤選手のこの活躍で日本チームはオリンピック過去最高の4位入賞を果たした。その映像はテレビを通じて全世界に流れた。

  物部長仁校長は「アテネで見事、歴史に輝く4位入賞した先輩の伊藤選手がオリンピック出場記念のお皿をみやげに報告に来てくれた。アテネから届いた伊藤選手の笑顔は素晴らしいものだった。伊藤選手の活躍は大曲高校の誇りだ」とたたえた。

  伊藤選手は「試合の4日前に出場メンバーを決めるタイムトライアルをやった。2人は出場が決まっていたので、残り3人の中から2人を選ぶための走りだった。5人ともそんなに力の差はなかった。僕は向こうに行ってから調子が出て、うまくピークへと持って行けた。そして一番のタイムでリレー参加が決まった」と話した。

  生徒たちを前にした報告会では「ナイジェリアの選手とぶつかってちょっと痛かったけどそこで負けたら終わりと我慢した」と話すと女子生徒たちから「ワーッ」と悲鳴のようなうめきも。そして「世界の壁は厚いが、これからは個人400メートルでも戦える力をつけ、来年のヘルシンキ世界選手権でも頑張りたい。そして国体では秋田と大曲高校の代表して頑張りたい」と決意を述べ、盛んな拍手を受けていた。

  報告会が終わると廊下で生徒たちに揉みくちゃにされながらも、記念写真やサインに気さくに応じていた。そして大曲市役所も訪れ、栗林市長や笹元嘉辰教育長らのお祝いも受けた。市役所にも日本代表となった陸上競技選手団のサイン入りのオリンピック記念の皿を贈呈した。

  一方、南外村主催で開かれた南外中学校での祝う会には南外西、南楢岡小の児童、南外中の生徒、それに村民ら約500人が詰めかけ、伊藤選手を体育館で熱烈歓迎した。

  田口村長は「世界の舞台で、世界各国の人たちを相手に夢のような活躍をしてくれた。友広君は南外村から世界に向かって羽ばたいた。村民にとって大きな誇りだ」と激賞し、村民栄誉賞の賞状を授与した。伊藤選手にはクリスタルグラスで作った記念のカップとアテネで走った姿をパネルにした写真も贈った。子どもたちからも花束の贈呈があった。

  伊藤選手は「アテネでは楽しく、いい精神状態で試合に臨めた。もうちょっとでメダルだったが、過去最高の4位入賞は満足できる結果だと思う。オリンピックで頑張れたのも皆さんの声援だった。みんなから力をもらった」とお礼を述べた。お父さんで役場職員の芳広さん(52)もジッと息子の晴れがましい姿を見守っていた。伊藤選手の話に耳を傾ける児童・生徒たちはオリンピックという大舞台で活躍した先輩が目の前にいるんだと誇らしげな表情だった。