踏切内で車がエンスト

大曲市で踏切事故防止の訓練大会

遮断機で閉じ込められた車、さあどうする?(9月29日・水)

 

 大曲市四ツ屋の田沢湖線踏切で29日朝、「踏切事故防止訓練会」が行われた。JR大曲駅と四ツ屋地区交通安全会が協力し合って、車が踏切を通行中にエンストでエンジンが止まり遮断機が下りてしまったと想定し、どうやって列車の運転士に危険を知らせるかの訓練が行われた。JRからは塚田修駅長ら社員15人、地元からは佐藤輝男四ツ屋安全会長をはじめ老人クラブや四ツ屋保育園児ら約50人が参加した。

  訓練が実施されたのは羽後四ツ屋駅近くの「第一角館街道踏切」。ここは車の通行量も多く、秋田新幹線「こまち」は130キロのスピードで通過する。それだけに車が踏切内で立ち往生すると大事故につながり兼ねない。こうしたことから地元交通安全会がJRに訓練の協力を求めた。

  塚田駅長は集まった保育園児に「線路の上では絶対に遊ばないで下さい。踏切を渡る時は右を見て、左を見て、そしてまた右を見て渡って下さい」と呼びかけた。また地元の人たちには最近、子どもが手放してしまった風船が高圧架線に引っ掛かり、それを釣り竿で取ろうとしたお母さんがいたなどの例を引き合いに「幸い風船を取ろうとする前に見つかり、引き止められたが、もしも釣り竿が架線に触れていたら間違いなくその人は死んでいた」と架線の危険性を訴えていた。

  その上で「踏切の遮断棒は見やすいように太くしたり、万が一の時に列車を止める非常ボタンを設置するなど安全のためのバックアップがされているが、踏切の安全の決め手は渡る人のマナーです」と強調していた。また踏切内に設置されている非常ボタンは防犯カメラで監視されており、子どもたちにイタズラしないよう注意していた。

  この後、参加した大人たちは発煙筒に点火して列車の運転士に危険を知らせる方法の訓練を受けた。さらに踏切内で車がエンストし、動けなくなったと想定し、四ツ屋安全会の佐藤則子さんが実際に車を運転。遮断機が下りた踏切内で発煙筒を手に列車の運転士に危険を知らせる訓練を行った。また遮断機が下りてしまった状態で、踏切内から脱出する体験もした。遮断機の棹(さお)は下りてしまっても、車はゆっくり前に進むことで棹を折ることもなく脱出できるようになっている。

  JRの社員から「大丈夫。大丈夫。そのまま前に進んで」と車の移動の指示を受けた佐藤さんは「遮断機が車のガラスと屋根に擦れてボコンボコンと音を出すので、気持ち悪かった」と顔を青ざめていた。見学している人たちも「遮断機がこのような仕組みになっているのは知らなかったが、踏切内で車を止めてしまうような経験はしたくない」と話していた。

  参加者はさらに訓練用に持ち込んだ非常ボタンを押す訓練も受けた。一方、保育園児は訓練が始まる前に踏切の左右に分かれて走ってくる車のドライバーに交通安全を呼びかけるチラシとナシの入った袋をプレゼントした。