絶滅危惧のゼニタナゴ

雄物川水系で発見

「まだいたのか」と専門家も驚き(8月2日・火)

  大仙市の雄物川水系大曲区域で環境省の日本の絶滅のおそれのある野生生物(通称レッドデータブック)で「絶滅危惧IB類」に指定されているゼニタナゴが発見され、関係者の間で驚きとなっている。仙北漁業協同組合大曲支部(品川秀男支部長)が先月30日に雄物川水系で、ブラックバスの駆除をしている最中に網に引っかかったもので、調査・研究を兼ねて参加していた県水産振興センター内水面利用部長の杉山秀樹さんがゼニタナゴと確認した。魚は残念ながら水揚げされて間もなく死んだため、ホルマリンづけにし、同センターで資料として保存している。

  ゼニタナゴはコイ科の魚で、大きくなると7〜9センチになる。きめ細かい美しいウロコが特徴で、秋に二枚貝に卵を産む。杉山さんによると少し前までは関東以北の本州の河川や湖沼で普通に見られた魚だが、関東では既に絶滅、新潟、山形でも絶滅し、今では福島や岩手、宮城、それに秋田の各県数カ所で生息が確認されているだけという。しかも本県がゼニタナゴの北限となっている。

  絶滅の危機となったのは河川改修や溜池改修による環境の変化や在来の魚を捕食し、生態系に大きな影響を与えて問題となっているブラックバスの繁殖、それに極端な水質の悪化など、複合的な原因によるという。

  それだけに杉山さんは「雄物川水系で発見された時は『まだいたのか』という思いで嬉しかった」と本紙からの電話取材で感想を述べた。仙北漁業組合が雄物川水系でのブラックバス駆除を始めたのは3年前から。杉山さんは「そうした努力が実ったものであり、これからも継続してもらいたい」と話す。

  さらに杉山さんはゼニタナゴはそのウロコの美しさから観賞用としてもマニアの間に人気があって、横手市で以前、その魚が発見された時は東京の観賞漁業者が採集に入ったこともあり、業者仲間では高価で取り引きされているという。このため今回発見された場所も仙北漁業組合では特定しないようにしたいとその場所を明かさない。

  ブラックバスの駆除には大曲支部長の品川さんをはじめ21人の仲間が参加。網で引き上げた結果、16尾を捕獲し、処分した。品川さんらはゼニタナゴが見つかった様子などをビデオに収めており、その魚の保護のため、国交省湯沢河川国道工事事務所に生息環境を壊さないような河川管理をお願いたいとしている。

  ブラックバスはオオクチバスの通称で、全長50センチ。北アメリカから移入され、全国に広がった。湖沼や流れのゆるやかな河川に生息し、在来の魚を捕食するため、生態系に大きな影響を与え、問題となっている。