市に自動体外式除細動器
突然の心停止での死亡を防ぎたいと2台寄贈(8月9日・火)
大仙市四ツ屋字下古道で車の総合商社「オートエムワン」を経営している武藤伸一さん(38)は9日、同市役所を訪れ、栗林次美市長に「突然の心停止でも助けられる時代なのに助けられなかったでは気の毒」と心室細動状態となった患者の心臓に電気ショックを与え、心臓の動きを正常に戻す機能を備えた「フィリップス社」(オランダ)製のAED(自動体外式除細動器)2台を寄贈した。
心室細動状態はアクシデントなどで心臓が細かく震えるように振動し、血液が体内に送り出せない状態を言う。心臓マッサージや人工呼吸を行って一刻も早く脳に酸素を供給しないと、心拍が再開しても後遺症が残ってしまう。こうした病状に対処したいと開発されたのがAEDだ。
フィリップス社の「ハートスタートFR2AED」は軽量で携帯も可能な製品。スイッチを入れると同時に音声で「心臓にパットを当てて下さい」「パットのコードを本体に差し込んで下さい」など使い方を案内。液晶ディスプレーに心電図が表示され、除細動ショックが必要かどうかを機械が自動的に判定し、異常があればメッセージで電気ショックを与えるスイッチを入れるよう指示する。
簡単なトレーニングで誰でも使えるのがメリットで、アメリカでは公衆電話にも備えられ、薬局でも販売されているという。国内でも空港や駅、それにプロ野球「楽天ゴールデンイーグルス」は日本一安全な球場を目指したいと「フルキャストスタジアム宮城」にこの機械を導入した。県内でも秋田空港と秋田駅に備えられている。
武藤さんは14年前から現在の会社を経営。そして5〜6年前から心臓の動悸に不安を感じ、診察を受けてきた。その結果、昨年の検査で心電図から異常が発見され、医師から「致死的不整脈と判断され、突然死の可能性もある波形だ」と指摘され、8月に秋田県成人病医療センターで手術を受け、体内に除細動器を入れた。
これで万が一の事があっても自分は助かるが、大曲仙北広域消防本部でAEDを導入しているのは大曲消防署と角館消防署にある高規格救急車だけと知って今回の寄贈に踏み切った。機械は1台82万5000円。同市では1台は消防本部に備えさせ、できるだけ多くの市民が使えるようにしたいと秋まつりなどのイベント時の講習用に、もう1台は人の出入りの多い大曲駅の大曲観光情報センターに備え、万が一の際に使えるようにしたいと話す。
市役所で行われた寄贈式には武藤さんのほか、AED輸入元であるフクダ電子北東北販売株式会社秋田営業部の社員2人も同行、栗林市長らにその使い方を説明していた。