秋田3区では三つどもえの激戦に
無所属・村岡氏、自民・御法川氏、民主・京野氏(8月30日・火)
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第44回衆院選は30日公示され、秋田3区では横手市の県平鹿地域振興局で午前8時半から立候補を受け付けた結果、届出順に無所属・新人の村岡敏英氏(45)=由利本荘市=、自民党公認で前職の御法川信英氏(41)=大仙市=、民主党公認で新人の京野公子氏(55)=湯沢市=が届け出た。午後5時で締め切られた結果、この3氏による三つどもえの戦いが確定した。
村岡氏は元官房長官・兼造氏の次男。建設会社勤務後、父親の秘書を16年間務めた。父・兼造氏と御法川氏の父・英文氏とは選挙制度が1996年10月の第41回衆院選から小選挙区に変わったことから選挙区、比例区から交互に出馬するコスタリカ方式を取って協力関係を結んだ。しかし、03年4月に英文氏が病死してその関係も解消された。そして兼造氏は同年11月9日に投開票が行われた衆院選に自民党公認で出馬、一方の御法川氏は亡くなった父の意志を継ぎたいと離党して、無所属で立候補。共産党新人の候補者と三つどもえの争いの結果、御法川氏が13万3981票、兼造氏11万7453票、共産党新人が1万8276票だった。兼造氏はこの結果を受けて政界から引退、次男の村岡氏が地盤を継いで出馬に向けて動き出していた。
18日の衆院解散と同時に連日10カ所以上の街頭演説を繰り返し、名前と顔を売り込んだ村岡氏。「田園からの産業革命」で農業のビジネス化を図りたいとの訴えは説得力もあり、兼造氏の残した組織力に浸透しだしている。また無所属とは言え、自民党県議も支持に回るなど〃ねじれ現象〃を引き起こす原動力にもなっている。
一方の御法川氏は初回の選挙戦では無所属だったことから、民主党や社民党支持者、それに連合秋田も支援、父の弔い合戦のムードにも乗って初当選を飾ったものの04年9月には自民党に復帰した。
この自民党帰りが純粋な自民党支持者からは歓迎されたものの、非自民系支持者は一斉に反発し、支持層が引いていくなど逆風にもなっている。しかし、29日になって公明党が御法川氏の推薦を決定、陣営は「大きなプラス要素」と胸をなで下ろしている。
争点の郵政民営化に関しては村岡、御法川の両氏とも賛成の立場で、村岡氏が「町村合併で国民が痛みを分かち合っている時に国家公務員だけがそのままでいいという時代ではない」と改革を訴えれば、御法川氏は「小泉内閣は郵政だけではない。年金、財政、商工業の振興にも力を入れようとしている。しかし、あっちもこっちもとやっていてはおかしくなる。そのため今回は郵政改革一本に絞った。その改革を止めてはならない」と強調する。
この2人の争いに割り込んだのが県議から転身した京野氏。村岡・御法川両氏の2世対決を「一人は自民、一人は無所属と言っても自民党の中の戦いと同じ。親の時代からの世襲がこのまま続いていいのか。もっと普通の生活者、第三の選択肢もあっていい」と切り捨てる。
県議初当選は03年4月。任期途中の辞任を惜しむ声もあったが、「今度の衆院選、民主党という第3の選択肢もあっていい」と出馬を決意。知名度の低い大仙市・仙北郡では寺田典城知事後援会世話人や連合秋田などの支援を受けてに積極的に遊説に入り込み「政権交代して3区の政治風土をより良くしたい」と訴えてきた。そして郵政民営化に関しては「納税者のために何を国のサービスとして提供するのか。もっとハッキリとしたビジョンを示すべきだ」と疑問を示す。
立候補した3氏の主な公約と略歴は次の通り。
◇村岡敏英氏=旧本荘市(由利本荘市)生まれ。父の関係で東京の高校に進学し、日大商学部卒。大手建設会社に6年間勤務後、兼造氏の秘書として16年間務めた。現在は政治団体機関紙の編集長。
▽高速道路の無料化で農作物の輸送コストの引き下げ▽雇用を吸収できるよう農林水産業を復興することで少子化防止につながる▽介護保険、年金問題の改善▽高齢者の潜在能力を生かす社会へ▽政界再編。
◇御法川信英氏=旧大曲市(大仙市)生まれ。横手高校から慶応義塾大学卒法学部卒。1987年3月、秋田銀行入行後、90年2月、父英文氏の秘書に。99年渡米してコロンビア大学国際関係・公共政策学大学院修士終了。03年11月の衆院選で初当選。
▽秋田の高品質な農産物の特性を活かして国内外の新たな市場を開拓、守りの農業から攻めの農業への転換を図る▽海外留学や議員活動で得た人脈を活用して新たな地場産業の創出と県内産業の国際化に努める▽少子高齢化時代に対応した社会保障制度とする▽国際社会に対応した新たな人材育成を行うため、教育改革を行う。
◇京野公子氏=湯沢市生まれ。湯沢高から早大中退。1979年、夫と共にロイヤルホテルを創業し、現在は専務。同市教育委員長職務代理などを歴任。03年の県議選で湯沢市選挙区から出馬、民主党と社民党からの推薦を受け、当時自民党県連幹事長の現職を破って初当選し、1期目途中で辞任。
▽日本のふるさと・あきたの宣伝隊になる▽中央発地方行きの改革から、地方発中央行きの改革へ▽国の行政と地域の人々との小まめなつなぎ役▽技術大国、文化大国、外交大国、機会平等大国への再生▽勝ち組、負け組社会から、安定した中流意識のみなぎる国を目指す。