太田町の真木ダム建設中止へ

栗林大曲市長=「県から説明あった」

関係自治体「県との信頼関係がなくなる」と反発も(2月4日・金)

  県は太田町の斉内川上流に計画している真木ダムの建設を中止する方針を固め、同ダムに上水道の水源を求めている関係自治体に3日から説明を始めた。厳しい財政事情の中で300億円近い事業費の負担は困難と判断した模様だ。これによって太田町、大曲市、仙北町、西仙北町、中仙町の5市町の上水道整備は玉川ダム(田沢湖町)からの工業用水の転用となる。

  栗林次美大曲市長は4日の定例記者会見で3日、県の建設交通部の担当者からの説明を受けたことを明らかにし、「建設交通部としての説明だったが、県の財政も含めて真木ダムの建設は難しいということだった」と述べた。そして「県としては多目的ダム最大の目標である洪水調整は砂防、堤防、その他の改良で時間をかけ、地元業者にやれる仕事を出しながら、ダムに匹敵する洪水対策をやりたいとの説明だった」と話した。いわば斉内川の改修工事を代替策として県が示したもの。

  3日には真木ダム建設推進協議会の会長を務める高貝久遠太田町長が県からの説明を受けた後、確認のため県庁を訪れたが、ダム建設計画の中止というハッキリとした確認は取れなかった模様だ。一方で大曲仙北合併協議会の8市町村長は高貝太田町長が県庁から帰るのを待って同日、市役所で緊急の市町村長会議を開いて善後策を話し合った。

  会議では真木ダム建設計画は大仙市まちづくり計画の中にも県の事業として盛り込まれており、それを前提に上水道整備事業を計画した経緯もあって「今となって建設中止ということでは県との信頼関係がなくなる」など厳しい意見が出たという。しかし、まだ事務方だけの説明であり、2月定例県議会が開かれる14日での寺田典城知事の正式表明を待って協議会としても対応することになった。

  真木ダムは貯水量437万トンで、洪水調整や水道水確保などの多目的ダムとして計画され、1975年に県単独で予備調査にかかり、81年からは国の補助を受けて動植物の生態や地質調査などを続けてきた。その結果、クマタカなど絶滅危惧種の鳥類の生息も確認され、ダム建設予定地が下流に変更され、事業費が当初予定した134億円から約300億円と膨らんでいた。一方で玉川ダムの水は大王製紙の秋田市への進出計画の撤回で、工業用水が余っており、県はそれを水道水として転用、配水する方法も検討していた。

  そして昨年10月に関係自治体5市町で住民説明会を開催。その場でも県は「財政を考えると着工の見通しは不透明」としながら、真木ダム建設に比べ、玉川ダムからの転用の方が自治体の負担も安くなるなどと説明していた。しかし、太田町の住民を中心に「毒水とも言われる玉川の酸性の水は、中和処理していると言っても飲めない」などと強い反発の声が挙がっていた。一方で地下からくみ上げている飲料水の問題は深刻で、一部には水が赤く濁って洗濯にも困る場所もある。それだけに早期解決を望む声もある。

  このダム建設に向けてこれまでに支出した県の費用は16億1000万円。05年度も環境調査費として3000万円(うち国費1500万円)が昨年12月の財務省原案で認められたが、県は返還する方針という。