川を渡るぼん天
川面に鮮やかな姿を映し15本奉納される(2月11日・金)
「川を渡るぼん天(ぼんでん)」で知られる大曲市花館の伊豆山神社奉納ぼん天祭りが11日あった。ヴォーヴォーとほら貝の音が響き、手板を手にした男たちは「ジョヤサ!ジョヤサ!」の掛け声も勇ましく、雄物川を渡る舟に乗って川を渡った。赤や紫、黄色、そして鮮やかな花柄模様の布で飾ったカラフルなぼん天が川面にその姿を映しながら渡る光景はまさに〃風物詩〃。県内外から多くのカメラマンが駆けつけ、盛んにシャッターを切っていた。
花館のぼん天は嘉永(1845〜1853年)のころ、当時の花館村の名主・斎藤勘左衛門が五穀豊穣を祈って始めたと伝えられ、1999年に市の無形民俗文化財に指定されている。県内に数ある「ぼんでん」祭りの中で川を渡るのはここだけ。
今年は町内会や職場から昨年より2本多い15本が出た。祭りはこれまで2月17日に行われていたが、平日だと若い人たちの確保が難しいと伊豆山神社とぼん天実行委員会が協議を重ね、祝日の11日とした。
恵比寿俵とぼんでんを担いだ男たちは午前7時ごろから町内を回り、新築した家や厄年を迎えた家、商店などを回って、ぼんでんを披露。「今日はナーエ、吉日ハーエ、日がらも良いしなにかナー」とぼん天歌も高らかに歌い、お酒の振る舞いを受け、手板をぶっつけながら「ジョヤサ!ジョヤサ!」と気勢を上げた。
そして10時過ぎから次々とかつての渡船場に集合、舟に乗って雄物川を渡った。この日はあいにくの雪空で時折、激しく雪が舞った。それでも地元の小学生や多くの観光客が岸辺に立ってぼん天を迎えた。厄年前(男41歳、女32歳)の人たちがソバと甘酒をサービスし、寒さに震える観光客を喜ばせた。
堤防から広い河川敷を歩いてぼん天が着くと渡船場周辺はぼん天歌と板をぶっつけ合う音で活気づいた。1本のぼん天には20人前後の男たちが付き、お祝いのモチやミカンをまいて振る舞った。
ぼん天披露を終えると男たちは次々と舟に乗って、幅約100メートルの雄物川を渡った。川面には鮮やかなぼん天の姿が映った。川を渡ったぼん天は雪道を踏みしめ、標高200メートルの伊豆山神社目指して急斜面を登山。神社で激しい揉み合いをしながら奉納した。