大曲新人音楽祭

グランプリはピアノの市川さんに

予選くぐり抜けた13人が熱演、熱唱(1月9日・日)

  第17回大曲新人音楽祭コンクール(主催・大曲市、市教育委員会)は9日、予選をくぐり抜けた13人による本選・優秀者演奏会が市民会館を会場に行われた。その結果、最優秀賞のグランプリにはピアノ部門に出演した市川雅己さん(28)=東京都=に輝き、賞状と副賞30万円が贈られた。市川さんは5歳でピアノを習い、ロンドン王立音楽院を経て、パリ・エコールノルマル音楽院で学び、この春から洗足学園音楽大学で非常勤講師をしている。今回はS・バーバーの「ピアノソナタ変ホ長調op.27より」第3、4楽章を演奏。グランプリの受賞を「自信はなかったが、やれることだけはやった」と語り「前から出てみたいコンクールだった。会場がとても素晴らしく、気持ちよく演奏できた。こう言うホールでの演奏は中々、機会がない。これを契機に教育活動と同時に演奏活動もしていきたい」と感想を述べた。

  本選にはピアノ部門から7人、弦・管・打楽器部門から4人、声楽から2人が選ばれ、それぞれ熱演、熱唱を展開した。華麗で繊細な音を響かせたピアノ部門。歌うような、むせぶような音、時には小鳥のさえずりのような響きも聴かせた弦・管・打楽器部門のテューバやトランペット、フルート、トロンボーン。そして最後は2人が歌劇からアリアを見事に歌った。

  本選となると一つ会場でいろんな演奏と出会えるとあって300人を超える音楽ファンが詰めかけ、熱心に耳を傾けた。予選に出場した56人の中から厳しい審査を通り抜けて選び抜かれた若手音楽家たちだけに完成度も高く、情感タップリの演奏となって、会場からは1曲ごとにため息混じりの拍手が沸いていた。

  今回の音楽祭から「市民参加型の音楽祭にしよう」とボランティアも募集。二人が練習会場を提供し、出演者を喜ばせた。また高校生を含めた13人が学校の音楽の先生ら市民の音楽愛好家28人の実行委員と一緒になって出演者の案内や会場整備を買って出、スムーズに運営された。

  審査の合間には昨年のグランプリ受賞者・山本佳澄さん(現・東京芸術大学修士課程1年)が出演して記念演奏。リストの「エステ荘の噴水」や白鳥の歌より「愛の使い」など4曲をより磨きのかかった表現力で演奏、聴衆は大きな感動を受けていた。

  作曲家の四反田素幸さんは「弦・管・打楽器の部門では弾き始めの時の雰囲気は良かったが、曲がダイナミックに展開していく時など途中からの曲づくりに繊細さを失い、荒くなった。ピアノは全体に完成度が高かった。しかし、音楽の作り方がどことなく即興的で演奏者の意図が伝わらない面もあった。声楽は発声法の問題を指摘される方が多かった。もっと身体全体で表現してほしい」と総評を述べた。

  栗林次美市長は「雪の中でのコンクールとなり、演奏する皆さんのコンディションづくりが大変だったと思う。この音楽祭は大曲の音楽の好きな人たちが集まって始めた。継続は力と言うが、今回で17回目を迎えた。大曲市も3月には大仙市となるが、新市になってもこの音楽祭はこの会場で継続されるようしっかりと調整を図りたい」と述べた。

  グランプリ以外の入賞者は次の通り。

  ◇優秀賞=堤さお梨(ピアノ・滋賀県出身)、浜島まさみ(フルート・東京都出身)

  ◇奨励賞=大野陽子(ピアノ・長崎県出身)、白旗弘(トロンボーン・岩手県出身)、熊谷美奈子(声楽・仙台市出身)