検討プロジェクトチーム結成
県と大仙市、ダムに代わる事業の検討へ(7月6日・水)
県が旧太田町の斉内川に計画していた「真木ダム」の建設中止に伴う代替案を検討する第1回目のプロジェクトチーム会議が6日、大曲仙北広域交流センターで開かれた。真木ダムは洪水調整や水道水確保などの多目的ダムとして計画され、1975年に県単独で予備調査にかかり、81年からは国の補助を受けて動植物の生態や地質調査などを続けていた。しかし、国・地方税財政の三位一体の改革で、大型新規事業に着手する見通しが立たないなどとして寺田典城知事は同ダムの建設中止を表明、3月12日には旧大曲市と旧太田町で住民説明会を開いている。そして市町村合併で誕生した大仙市と共にダムに代わる代替案を策定したいと検討プロジェクトチームの設置を求めていた。
チームは小玉良悦県建設交通部長をリーダーに、県側は市町村課長、環境管理室長、農山村振興課長ら10課と仙北地域振興局の総務企画部長、建設部長ら4部長で構成。大仙市側は総務部長、企画部長、建設部長ら8部局課と西仙北、中仙、仙北、太田の4総合支所長で編成された。
会議で渡部文靖振興局長は「県と大仙市が一体となってプロジェクトチームが結成されることは意義深い。知事からも県の各ブロックとの連携はもとより、仙北地域振興局が総力を挙げてこの問題に取り組むよう指示を受けている。住民の皆さまの不安を解消し、安心していただける代替案を示すため、全力をあげて取り組みたい」と決意を述べた。
続いて栗林次美市長は「真木ダムに関しては、市町村合併以前の大曲市、中仙町、仙北町、西仙北町、太田町の5市町村によって、建設推進協議会を組織し、水源を求める取り組みをしてきた。また一部、農業用水としても期待があった。しかし、別の方法でより早く効果を挙げるという結論に達した。大仙市としても過去の取り組みは取り組みとして、この問題を克服し、前に進みたいとこのプロジェクトチームに参加した」と述べた。そして水源の確保、かんがい用水に困っている地域の問題解消、洪水調整のため早期に事業の完成を進めてもらいたいと訴えた。
チームは▽治水検討班▽水道水源検討班▽維持流量検討班の3つの班で構成、それぞれの代替案を抽出し、10月上旬に第2回目の会議を開いて中間報告。さらに代替案を評価した上で優劣を付け、素案を策定、11月下旬には第3回目の会議を開いて、12月に住民への説明会を開くことにした。そして1月には知事、市長へ代替案を報告、公共事業評価専門委員会に代替案を諮問、2月には国へ、その結果を報告したいとしている。
真木ダム建設中止は建設事業費が約300億円も見込まれ、財政的な見通しが付かないのと同時に着工のめどが2011年(平成23年)で、完成が18年後の2023年(平成35年)以降では、その間、洪水調節による住民の安全安心が確保できないなどの理由もあった。
一方で真木ダムを水源とした場合に比べ、玉川の水を含め、他に水源を求めた方が早期に水道の供給が可能であり、玉川の水は水質調査の結果、飲料水として問題ないと県は説明している。またダムの場合、完成までには長い年月を要するが、河川改修なら工事が完成と同時に治水効果が発揮されるなどの利点を挙げている。
しかし、寺田知事が今年3月12日に旧大曲市と旧太田町で行った住民説明会では「玉川の水には酸性水というアレルギー感が根強く、不安だ」など抵抗を示す一方、「旧仙北町の地下水は赤く濁り、本当にひどい。真木ダムなど悠長なことを言ってないで早く安全に飲める水道水を整備してもらいたい」と歓迎する声もあった。
県では旧中仙町を流れている斉内川の治水対策として、洪水が発生すると旧町中心部は被害が大きいことが予想されることから、ダムに代わる代替案として延長3.2キロの河川改修を提案。その方法として堤防を現在地よりも後方に引き下げ、河道断面の拡大や河道を掘り込んで河道を拡大する方法、あるいは河川の中流部に遊水地を設置し、下流部の洪水を低減するの3つを検討案をチームに提示した。いずれも50年に1回程度の大雨に耐えられる治水対策を図りたいと県。
さらに水道水源としては▽玉川ダムの工業用水の転用▽斉内川に余裕水があるかを検討し、あればその一部を水道水として転用する▽既存の地下水として旧大曲市の余裕水▽新規の地下水を求める─の4案を示した。
また斉内川流域での農業用水としての水利用の実態調査なども実施し、維持流量の確保を図りたいとしている。