少子高齢社会を考える集い

家庭や地域の教育力は・・・

孫に怖いと思われる存在になってもいい(7月28日・木)

  進む少子高齢社会を考えるみんなの集いが27日、大仙市の広域交流センターで開かれた。県高齢者介護支援協会仙北地域支部(細谷昭雄支部長)の主催で、今回で4回目。会場には小学生から高校生、一般住民まで幅広く参加。小学生が「お年寄りとの交流で学んだこと」と題して体験発表、西仙北高校の社会福祉研修生は「私たちが学んできたデンマークの福祉社会」をテーマに研修報告をした。

  小学生は地域の高齢者と一緒にプレーしたグラウンドゴルフの思い出を「おじいさん、おばあさんたちは物知りですごかった」などと報告。西仙北高校の5人の生徒は現地で撮った写真をスライドで紹介しながら、「お年寄りが生活している施設のスタッフは入所者を『住人』と呼んで、食事や入浴もその人たちの生活スタイルに合わせるなど個人、個人を大切にしていた」と報告していた。

  また秋田修英高校福祉部の生徒たちは普段の奉仕活動で演じている唄とマジックを披露し、会場を埋めた聴衆から盛んな拍手を受けていた。

  最後には「失われた家庭や地域の教育力をどう回復させるか」をテーマにパネル討議とみんなで語る会が開かれた。討議は同支部運営委員会長で歯科医の井関時雄さんが司会し、秋田魁新報社大仙支局の小林和彦支局長が助言者となり、大曲老人クラブ連合会の小林誠一副会長、佐藤多喜子大曲ボランティア連絡協議会長、金谷朋浩大曲青年会議所理事長がパネリストを努めた。

  井関さんは「子どもの教育は両親はもちろん、おじいさん、おばあさんも一緒になって社会生活のルールを教えてきた。同時に地域の大人たちも悪いことをすればわが子のように叱った。しかし、少子高齢化社会になって、家庭や地域の教育力は失われてきたと叫ばれている」と課題を振り向けた。

  これに対して小林さんは「昔に比べ科学の進歩が著しく、全てが電化され、私たちが子どもの頃の仕事だった風呂への水汲みなどの手伝いもしなくてよくなった。さらに冠婚葬祭でも昔は集落の人たちが総出で手伝ったものだが、今は業者が全てやってくれて体験する場も少なくなって、家庭や地域社会の教育力が失われた。それに子どもの遊びと言えば昔は外で遊び、先輩が面倒を見てくれたが今はゲーム機に熱中し、遊びを通じた会話も失われた」とその要因を指摘した。

  聴覚障害者のためボランティアで声の広報活動をしている佐藤さんは、「若い人たちの後継者を育てたいが、若い人には仕事もあって難しい」と多忙な時代となって世代間交流が失われようとしている現実を嘆いた。

  金谷さんは「我々20代、30代はやる気を失っている。なぜかというと我々世代は年金を払っても国には借金があって、将来は貰えないのではないかという不安がある。それが最近のやる気のなさにもつながっている」と訴え、働きもせず、学ぼうともしないニート族を引き合いに、「わがままで、責任感が失われているのが我々の世代だ」とジレンマに陥っているのを訴えた。

  さらに会場からは人と人の交流はあいさつが大事だが、最近の子どもにはそれもなくなったとの指摘やゲームやテレビに感化され、孫の言葉づかいが乱暴になったと相談を寄せる声もあった。

  これに対しては同じ会場から「孫は小学校1年生の男の子だが、ふざけてもダメなふざけ、遣ってはいけない悪い言葉とかは使い分け、ダメなときは突き放す。家の中で一人だけでも怖いと思われる存在になってもいい。それが私たち高齢者にやれることだ」と提言し、拍手を浴びていた。

  また74歳の婦人は更生保護の関係で盛岡の少年院に行った時、所長が涙をこぼしながら「現代の子どもたちはどうして年もいかないのに犯罪を犯して、こういう所に来なければ行けないのか。やはりおじいさん、おばあさんたちの経験の豊かさを家庭や地域で生かしてもらわないといけないのではないかと話していた」と報告し、感動させていた。