なかよし教室開校=大仙市
お母さんと共に遊びを通じた学びに夢中(6月3日・金)
心身に障害やその疑いのある幼児とその保護者を対象とした療育訓練「なかよし教室」が3日から大仙市福祉事務所の事業として始まった。集団での遊びや運動を通じて、心身の発達を促し、日常生活に適応できる能力を伸ばそうとする療育訓練で、これまでは県仙北地域振興局福祉環境部の事業だったが、合併で大仙市が引き継いだ。
教室は大仙市大曲川原町の花園児童センターで開かれ、就学前の幼児11人とその保護者が参加した。開校式で佐々木勝市援護福祉課長は「療育訓練は12月まで延べ8回開かれるが、最後まで元気に頑張って、家庭での養育に少しでも役立つよう成果を挙げてもらいたい」と励ました。
この日は元幼稚園教諭で、現在はフリーの遊戯治療保育士として、県の子育て支援に携わりながら、遊戯サポーターとして県南各地の保育園を回っている横手市の宮川貴子さん(45)がリーダーとなって、親子で遊ぶ楽しさを体験させた。
心身に障害、あるいはその疑いのある子どもたちを持つ親はせめて小学校入学時までは何とか普通学級に入れたいと願っているという。そのために遊戯を通じて、その児童に何が欠けていて、どんな能力を伸ばしてやるかを見出して、手伝うのが宮川さんの仕事。宮川さんだけでなく、児童心理司、音楽療法士、臨床心理士、保健師らも講師となる。
集まった子どもたちは簡単な話しも聞けなかったり、多動児といって一つのことに集中できず、黙って座っていれない子、あるいは自分の心の殻に閉じこもって呼んでも返事ができないなど様々な障害を持っている。
この日は宮川さんだけでなく、県仙北地域振興局福祉環境部の職員や県南児童相談所の職員、それに知的障害者施設の角間川更生園の職員、障害のある児童が通っている幼稚園や保育園の職員もスタッフとなって遊びに参加した。宮川さんはそのスタッフと児童が一体となれるようにと「開いた。開いた。何の花が開いた。レンゲの花が開いた」と「手をつなごう」を歌って、子どもたちと大きな輪を作って、踊った。
そして新聞紙をいっぱい集め、その新聞紙を折り曲げたり、破ったり、丸めて望遠鏡にしてお互いの顔を覗いたり、腰に巻いて「スカート」にしたりして想像力を養う訓練をさせた。さらには新聞紙を細かく手で切り刻み、手と指の感覚を刺激し、切り刻んだ紙を自由自在に投げ合う遊びも体験させた。
お母さんから離れられず泣いてばかりの男の子もいたが、いつの間にかその遊びに巻き込まれ夢中になっていた。新聞紙を宮川さんと同じように折り畳んだ女の子は「先生!。出来たよ」と自慢しながら宮川さんに持ってきて褒められ、笑顔を見せていた。
宮川さんは「言葉がなくても、表現が出来なくても、遊びを通じて皆と関われるような子になってもらいたい」と終始、体を動かしていた。そして保護者同士での学習会も開かれ、自己紹介しながら12月まで8回の療育訓練を通じて、親同士の交流も図り、育児不安や悩みを軽減しようと話し合った。