大仙市05年度の当初予算

約455億6000万円

財政厳しく、合併合意のハード事業は先送りも(6月6日・月)

  大仙市は6日、05年度の当初予算を発表した。一般会計の予算規模は455億6134万6000円で、旧8市町村の04年度の当初予算合計額と比較すると、34億5170万6000円、率にして7%の減となった。栗林次美市長は「合併協定書、合併協議会及び市町村長会議で決定された合意事項をすべて当初計画通りに実施するには多額の財源が必要で、極めて難しい」と述べ、普通建設事業では「緊急性があり、財源措置の確実なものを計上した」と語った。さらに合併協議会での決定事項に伴うハード事業は財政負担も確保しなければならないとして、「時間をかけて慎重に検討し、総合発展計画の中で具体化したい」との考えを示した。膨大な予算の中でユニークなものは福祉医療費で、小学6年生まで医療費の無料化に踏み切った点だ。県は母子・父子家庭の児童など所得制限を設けて乳幼児までの医療費の無料化を実施しているが、大仙市は合併協議を受け、旧協和町の例を踏襲、就学時まで対象を拡大した。ただ、所得制限については今後の検討課題とする方針。国民健康保険事業特別会計は、国保税の改正が必要なこともあって、発表されなかったが、国保会計も加えた特別会計、企業会計をトータルすると、大仙市全体の予算額は800億円を超える規模となる。予算などを審議する6月定例議会は9日に招集される。

  約455億円の予算のうち、自主財源となる市税収入は約74億2400万円で、歳入全体のわずか16%しかない極めて脆弱な財政内容だ。このため、予算の40%(約184億円)を国からの地方交付税で支えられている状態。歳入全体における自主財源比率は27%しかなく、73%が依存財源だ。

  栗林市長は「国と地方の税財政改革、いわゆる三位一体の改革で国庫補助負担金の削減と税源移譲、さらに地方交付税の見直しが掲げられており、地方交付税への依存度が高い当市の財政状況は06年度以降はさらに厳しくなると思う」と見通しを語った。

  このため旧8市町村が当初、計画した建設計画をすべて実施する状況ではないとし、仮にそれらを実施するとなるとほとんどが起債事業となるため、元利償還金で2012年ごろには起債制限比率が20%を超え、普通建設事業全体の推進にストップがかかり、公債費の元利償還金で〃財政破綻〃を招き兼ねないとの見通しを明らかにした。

  こうした危機感もあって、財政調整基金及び減債基金の合計額の基金残高は20億円程度を確保し、積み立てたいとした。

  歳出のトップは民生費で約99億8600万円(21%)、次いで過去の借金の返済に充てる公債費が約64億3000万円(14%)、土木費は約60億8000万円(13%)、総務費約57億8000万円(12%)、教育費約46億3000万円(10%)、衛生費約42億6000万円(9%)、農林水産費約41億8000万円(9%)などとなっている。

  05年度一般会計予算での主な事業を拾ってみた。

  ◇夢のある田園交流都市としての大仙市へ
  ▽行政評価推進経費163万円=旧大曲市が実施した「市民による行政評価」を大仙市全体に広げて調査する。行政と住民の双方向性を良くし「開かれた市政」を目指す。郵送アンケート調査の実施。

  ▽まちづくり交付金事業費59億6666万5000円=神岡地区の神宮寺駅、嶽雄館周辺の居住環境の形成。中仙地区長野駅周辺の旧街道の街並み保全と観光振興を目的とした地域づくり。協和地区羽後境駅周辺の住環境の形成で若者定住化の促進。

  ▽大仙市誕生記念市民囲碁大会補助金50万円

  ◇農業を基幹として、産業と雇用
  ▽担い手支援事業費422万8000円=経営改善支援(認定農業者、志向農家及び認定農業者組織支援)など。

  ▽生産基盤整備事業費1億7230万円=無人ヘリ操作オペレーター養成事業、農業用廃プラスチック処理支援事業(大曲・神岡・中仙・協和・南外・仙北・太田総合支所)、強い農業づくり交付金事業(協和総合支所)など。

  ▽産地づくり推進事業17億43万4000円=地区内調整事業(目標面積の超過分に対する助成)、大規模団地化確率支援事業、農地流動化促進事業(農地提供者への助成)など。

  ▽シルバー人材センター運営費補助金1867万5000円

  ▽大仙市雇用助成金750万円=新規雇用への助成。

  ▽商工団体補助金3億936万8000円=大曲商工会議所1200万円、神岡南外商工会600万円、西仙北協和商工会901万8000円、中仙商工会610万円、仙北商工会270万円、太田町商工会315万円。

  ▽商店街等新規開店支援制度助成金110万円=商店の集まる地域における空き店舗や空き地の再利用への助成。

  ◇子育て支援と教育
  ▽交通安全啓発事業・チャイルドシート購入補助300万円=1台につき1万円を上限に購入費用の2分の1を補助。

  ▽福祉医療費拡大分・小学6年生までの医療費の無料化1億747万5000円=福祉医療制度として、社会的弱者である乳幼児(未就学児)、母子・父子家庭の児童、高齢身障者、重度心身障害者などの心身の健康保持と生活安定を図るのを目的に、所得制限を設け医療費の自己負担分を県と市が2分の1ずつ負担しているが、市の単独事業としてさらに未就学児(小学生)にまで対象を拡げ、所得制限も撤廃、福祉医療の充実を図った。旧協和町の例を踏襲した。ただ、所得制限に関しては来年以降、検討したいとしている。

  ▽すこやか子育て支給1億4400万円=少子化対策の一環として、出産による人口の自然増を推奨し、出生児の健やかな成長を支援するもの。満2歳未満児を養育する保護者に6月、10月、2月に1万円を支給。

  ▽保育園建築事業5億6822万9000円=仙北南保育園、協和保育園、中仙西保育園。

  ▽母子保健推進費4919万円

  ▽乳幼児健診及び予防接種経費6517万7000円

  ▽(仮)大曲南外学校給食センター新築工事25億1567万6000円

  ▽協和地区統合小学校建設事業887万5000円=協和地区には小学校が6校あり、そのうち4校が複式学級となって、教育活動への支障が顕在化している。このため複式学級を解消し、児童の教育環境の整備を図るため、小学校6校の統合を図るもの。大仙市は小学校31校、中学校12校、幼稚園8園と公立の学校(園)が51校あり、今後、毎年のように改築や大規模修繕が予定されている。このため少子化による児童・生徒の減少も見据えた、公立学校配置計画(マスタープラン)の作成が急がれるとしている。

  ▽第3子以降の児童生徒の給食費免除2735万8000円=第3子以降の児童生徒に対し、給食費を免除して、生活基盤の弱い若い世代の経済的支援を行い、出生率の向上を図りたいとしている。

  ▽教職員用コンピューターの設置3224万6000円=学校での私的なパソコン使用を禁止し、情報漏洩防止を図るもので、幼稚園、小学校、中学校51校(園)の全教職員680人に公用パソコンを配置するもの。既に131台は配布済みで、不足分の549台分を予算化した。

  ▽国際交流事業305万7000円=中学生の海外派遣20人分。

  ▽トライアルサポート事業800万円=小・中学校がそれぞれの地域の特色を生かし、創意工夫による魅力的な学校づくりの活動費を補助する。

  ◇安心できる健康長寿社会
  ▽人工透析通院費支給事業516万円

  ▽重度心身障害者移送費給付事業735万円

  ▽介護予防地域支え合い事業・配食サービス2657万2000円=調理が困難な高齢者に対して定期的に訪問し、栄養バランスのとれた食事の配食と同時に安否の確認。

  ▽同・寝具洗濯乾燥消毒サービス388万2000円=寝たきりで寝具の衛生管理のための水洗い及び乾燥消毒サービスを行う。

  ▽同・軽度生活援助1646万8000円=軽易な日常生活の援助を行うことで、在宅のひとり暮らし高齢者の自立した生活の継続を可能にするもの。

  ▽同・介護教室158万5000円

  ▽同・家族介護者ヘルパー受講支援事業75万円

  ▽訪問理美容サービス160万8000円=65歳以上の高齢者(身障者)で、理美容院に出向くことが困難な方への出張料を助成する。

  ▽はり、灸、マッサージ施術助成事業2322万8000円

  ▽敬老の日事業4841万円=77歳1万円、80歳1万円、88歳3万円、99歳5万円、100歳50万円(誕生日に支給)、ただし施設入所者は25万円。101歳以上1万円。100歳祝い金は5年後をめどに廃止を検討する。

  ▽特別養護老人ホーム建設費補助8400万円=西仙北総合支所。

  ◇交通体系の整備と交流拠点づくり
  ▽中心市街地活性化対策535万1000円

  ▽観光パンフレット作成190万円

  ▽道路新設改良費17億4348万9000円

  ▽大曲駅東線街路整備事業4億195万9000円(市単独)

  ▽同25億905万9000円(国県補助)

  ▽まちづくり総合整備事業18億633万9000円=大曲駅前第2地区土地区画整理事業を「核」とし、土地区画整理事業のテーマである「中心市街地の活性化」を支援する事業。駅東口広場の整備で大曲駅の機能の向上と駅周辺の活性化を図る。

  ▽都市計画公園事業1億3044万9000円=大曲総合公園事業と仙北ふれあい公園整備事業。

  ▽大曲駅前第2地区土地区画整理事業23億9609万8000円=大曲丸の内町、大曲大花町両地区の区画整理事業で、建物移転補償で19億7575万7000円など。

  ▽神岡ふるさと振興公社518万1000円=雇用増進を目的に整備した道の駅物産館の管理及び経営、温泉施設の管理など。

  ▽高速自動車道国道活用施設管理費7352万9000円=西仙北総合支所。

  ▽カントリーパーク整備事業1億2854万6000円=道の駅「協和」を中心にした観光・農林業及び公園レクリェーションの拠点としての整備。

  ◇快適な生活環境の整備
  ▽テレビ難視聴地域解消施設整備費582万8000円(内小友地区)

  ▽ごみ減量対策処理機補助金112万円=生ごみ処理機の普及を図るための補助事業。

  ▽農業集落排水事業17億6665万円=大曲西部、神岡西部、中仙田の尻、協和下淀川、仙北板見内、太田今泉、協和峰吉川(新規)

  ▽公共下水道26億9863万9000円。

  ▽上水道建設改良工事費6億6482万6000円=石綿セメント管更新工事、宇津台浄水場配水池新設工事

  ▽簡易水道事業費22億2878万9000円

  ◇芸術・文化・スポーツ
  ▽国体準備事業961万円

  ▽小杉山地区生涯学習センター改築事業7685万8000円=土川の旧小杉山小学校の閉校後、学習センターとして活用しているが、老朽化が激しく、改築するもの。

  ▽鶯野分館建設工事7800万円=旧鶯野小学校を公民館分館及び鶯野保育園として利用しているが、建築から48年経過したため新築する。

  ▽太田公民館冷房工事600万円

  ▽国指定史跡「払田柵跡」環境整備事業1034万3000円

  ▽同大路地区土地買上げ2600万円

  ▽国指定名勝「池田氏庭園」整備事業1275万9000円

  ▽500歳野球大会267万円(神岡総合支所)

  ▽能公演事業845万5000円

  ▽グラウンドゴルフ南部忠平大会開催180万円(太田奥羽グラウンド・ゴルフ場9月10日〜11日)

  ▽プロ野球イースタンリーグ公式戦400万円(太田球場・8月14日)

  ◇住民サービスの向上
  ▽自治会支援事業費補助金2518万4000円=ゴミ集積所周辺の清掃や側溝、道路の除草、河川美化、花壇整備、夏まつり、盆踊り、地域芸能・伝統文化の継承、高齢者世帯への巡回及び除雪などボランティアや地域生活安全に関する事業への助成。

  ▽ボランティア団体など活動支援事業費500万円

  ▽地域交通システム運行経費200万8000円(乗り合いタクシーの運行・大曲総合支所)=内小友、四ツ屋、松倉地区で実施

  ▽シャトルバス運行経費837万9000円(太田総合支所)

  ▽乗合自動車利用補助金820万8000円(中仙総合支所)

  ▽防火水槽新設工事1110万円、消火栓設置工事1440万円(南外総合支所)