大仙市6月定例議会

栗林市長が所信表明演説

助役を2人体制に=今議会に追加提案(6月9日・木)

  大仙市の6月定例議会は9日開会、会期を27日までの19日間と決めた後、加藤勲議長から「7日までに10人の議員から辞職願が提出され、それを許可した」などの報告があった。続いて栗林次美市長が「所信表明」演説をした。栗林市長は地域住民の意見を行政に反映させ、住民と行政の連携を強化するため旧市町村ごとに設置する「地域協議会」は一部公募制を取り入れ、早期に設置したいと述べた。また行政を「最大のサービス産業と位置づけ、住民の目線に立って、住民と協働のもと各種サービスを展開したい」と市長自身が各総合支所に出向いて市民と話し合う「市長面会日」を設けたが、さらに総合支所で市長が仕事をする日を設ける考えも示した。本庁と総合支所との距離感を埋めて、合併で町村長がいなくなった空白感を可能な限りなくしたいとの狙いのようだ。また地方自治法の改正で人口10万人未満の市では収入役は置かなくてもよくなったことから、市長の相談役としての助役を2人体制とする考えも明らかにした。

  続いて国保条例の一部改正など条例案7件、平成17年度一般会計予算など予算案26件、承認を求める専決処分報告14件、それに協和小種地区の雄物川河川改修に伴い移転する集落の用地50区画分として約3億3609万円で売却する土地財産の処分など議決案件13件の60議案を上程して散会した。

  議会はこの後、14日まで休会し、15日から17日まで一般質問が行われる。一般質問はまだ確定してないが、19人前後となりそうだ。

  栗林市長の「所信表明」の概要は次の通り。

  4月の市長選は私を含めた3人の候補者が、それぞれの立場から大仙市への夢を語り、主張し合った激しい選挙だった。その結果、市民の負託を受け、私が初代市長として市政を担当させてもらうことになった。農業、農村問題など、他の候補者の政策的な考え方で共感出来るものは市政の中に積極的に取り組みたい。

  政治を職業として25年、県議会議員も約10年経験し、最後の大曲市長としても1年5カ月、担当した。その間、一貫して「弱い立場にある人たちにいかに政治の光をあてるか」を政治の原点とし、大曲市長としては地方分権時代にふさわしい市民参加による新しいまちづくりを目指して行政運営を進めてきた。

  大仙市長としてこの基本姿勢は変わることなく「市政は市民のために」を基本理念に、情報公開や説明責任による開かれた市政の推進、住民参加による「市民と協働の地域づくり」に努めたい。

  住民参加の市政運営のため職員は常に市民の「目線」に立ち、現場に足を踏み入れ、市民と一緒に汗をかき、行政情報はできる限り分かりやすく市民に提供する体制とし、住民自ら地域づくりに参画できる仕組みを大仙市全域に拡げたい。

  地域住民の意見を行政に反映させ、住民と行政の連携を強化するため、旧市町村ごとに置く「地域協議会」は一部公募制を取り入れ、早期に協議会を設置し、住民の意見が速やかに市長に届く仕組みを確立したい。

  大仙市の均衡ある発展のために公約に掲げた8つの施策について。

  「夢のある田園交流都市としての大仙市へ」=大仙市は約2万ヘクタールの田園に囲まれた緑豊かな地域であり、生活・文化の根源である農業を大切にし、夢のある田園交流都市を創造したい。そのために合併協議会で作成した「大仙市まちづくり計画」を基本に、中・長期的な財政状況を勘案しながら、大仙市としての総合計画及び実施計画を早期に作成し、議会及び市民に示したい。また行政評価システムを確立させ、市民の声を反映させた開かれた市政と市民との協働のまちづくりに努めたい。

  住民自らが、地域の活性化を目指す自主的、意欲的な活動を支援するため、その地域に住む人々が地域の歴史や文化、産業などを基に自主的な活動で地域活性化の構想を作成する「地域いきいきビジョン活動」を継続し、全市に広げたい。また性別に関わらず、それぞれが一人の自立した個人として尊重され、多様な生き方が出来る男女共同参画社会実現のため「男女共同参画基本計画」を策定する。

  「大仙市誕生記念式典」を7月18日に大曲市民会館で開催し、市民と一緒にお祝いしたい。

  「農業を機関として─産業と雇用」=消費者が安心して食べられる農産物を生産し、産業としても自立できる農業とするため「大仙市水田農業ビジョン」の3つの柱、「売れる米づくりの推進」「複合作物の振興による特色ある産地形成」「多様な担い手の育成」を展開するため、集落営農体制の構築と法人の育成を推進する。民間人も加えた現場本意の(仮称)「集落営農・法人化指導センター」の設立も考えている。

  また畜産の振興を図るため、肉用牛の資質向上を支援すると共に林業についても森林の維持、林道の整備などを推進し、公共施設への地域材、県産材の活用に努めたい。

  商工業に関しては商店街等新規開店支援制度や環境整備事業への補助で活性化を図り、個店グループの活性化事業に対しても補助金を交付し、支援したい。企業誘致活動にも力を入れ、若年層の地域雇用の拡大に努めたい。

  「子育て支援と教育」=子どもを安心して生み、ゆとりをもって健やかに育てられる環境を整備することが重要だ。そのため、小学6年生まで医療費自己負担分の無料化を実施し、子育てサポートについても2歳未満の乳幼児を養育する保護者に対し、「すこやか子育て手当金」として月額1万円を支給、併せて保育や教育費の負担軽減を図る。

  学校教育に関しては公立幼稚園8園、小学校31校、中学校12校の51校(園)となったが、少子化による児童・生徒の減少を見据え、通学区のあり方や施設整備の年次計画など大仙市としてのマスタープランを早急に作成し、統廃合並びに改築や大規模・小規模修繕を含めた教育環境の整備・充実を計画的に実施する。また市内の小中学校が地域の特色を生かし、創意工夫による魅力的な学校づくりが出来るようトライアルサポート事業を創設する。

  「安心できる健康長寿社会の実現」=大仙市の3月31日現在の高齢化率は29.1%で、県平均の27.1%を上回っている。高齢者が楽しく元気に長生きできるような地域づくりを進めるため、弱者として位置づけるのではなく、大仙市を支える元気な構成員として社会活動への参画や生きがいづくりを総合的に支援したい。

  さらに社会福祉法人などが行う施設整備への財政支援で入所待機者の解消を図り、在宅福祉の面にも力を入れたい。在宅福祉では介護保険制度の充実と介護予防事業の促進のため、家族介護教室や介護用品支給事業などの支援や配食サービス、軽度生活支援事業の実施、はり・灸・マッサージ施術費助成なども実施する。

  障害者福祉についても、可能な限り地域で自立した生活が出来るよう社会参加を積極的に支援し、就学前の障害児を対象とした地域療養訓練も実施したい。

  仙北組合総合病院の早期改築に関しては、改築推進会議の構成メンバーが市町村合併で大きく変わったため、早急に組織の見直しを行い、県及び厚生連との協議を進め、改築実現に向けて最大限の努力をしたい。

  「交通体系の整備と交流拠点づくり」=大曲駅と国道13号大曲バイパスを直結することで東西の連結を図り、秋田新幹線を介した高速鉄道網と大曲西道路及び秋田自動車道との連携強化を図るため、中心市街地を取り囲む内環状線を構築し、大曲駅東口広場の整備も実施する。都市公園では大曲総合公園、仙北ふれあい公園及び協和カントリーパークなどの事業を推進する。

  「快適な生活環境の整備」=水道や下水道、農業集落排水の整備を進める。上水道や簡易水道については、水道の未普及地域解消のため、大仙市全域にわたる水道事業計画を策定したい。また給水区域の拡大を図り、生活用水に不安を抱えた地域の水問題の早期解決手段を模索し、不安の解消に努めたい。

  真木ダムに関しては県の建設中止という方向が変わらず、県と大仙市が連携して真木ダムに代わる治水対策、上水道の確保、維持流量の確保について調査・検討する「真木ダム代替案検討プロジェクト」設置の申し入れがあり、受け入れたい。

  「芸術、文化、スポーツの振興」=文化財の保護については、国指定史跡「払田柵」や国指定名勝の「池田氏庭園」、国重要文化財の「古四王神社」、国宝「線刻千手観音等鏡像」並びに鈴木空如の「法隆寺金堂壁画模本」などの文化財を活かす方策を検討したい。  生涯学習関連施設並びに社会体育施設は均衡の取れた配置や地域に適合した規模を念頭に計画的に整備したい。平成19年の「秋田わか杉国体」で当市で開催されるのは軟式野球、なぎなた、ハンドボール及び自転車競技ロードレースの4種目で、デモンストレーションスポーツとしてはフライングディスクとグラウンドゴルフが開催される。

  「住民サービスの向上」=行政を最大のサービス産業と位置づけ、住民の目線に立ち、住民との協働のもと各種サービスを展開したい。まず私が総合支所に出向き、市民と話し合う市長面会日を設定し、さらに総合支所で市長が仕事をする日も設けたい。

  住民との協働によるまちづくりを推進するため、自治会館の建設や維持補修に対する助成、個性豊かな地域づくりを目指す自治会活動への助成、ボランティア団体やNPO法人を含む市民団体の地域づくり活動への助成を行い、住民活動を支援したい。

  交通弱者である高齢者、障害者の交通確保のため、公共交通空白域での乗合タクシーやシャトルバスの運行を参考に、大仙市としての高齢者、障害者の交通システムの検討をしたい。

  消防・防災については根幹となる地域防災計画や水防計画を早期に策定する。座間市との災害時における相互応援協定は旧中仙町で実施していた協定を大仙市に拡大し、仮調印を行った。市議会とも協議のうえ、7月4日に座間市で正式に協定を締結する予定だ。

  新市の花や木、市民の歌、さらに様々な宣言、市のシンボルについても定めなければならないが、その方法についても相談させてもらいたい。

  「三役体制について」=広大な面積を有する大仙市の行政課題と約1500人の職員を有する行政組織を一人で運営していくには限界があり、組織運営、職員意識の面からも問題がある。大仙市の基礎を創るには市長の相談役であり、補佐する助役を早急に定め、組織の安定を図りたい。地方自治法の改正で、人口10万人未満の市は収入役を置かなくてもよくなった。このため収入役は置かず、組織機構や財政、総合計画などを担当する助役と総合支所や地域課題、地域振興などを担当する助役の2人体制としたい。現在、人選を急いでいる。関連条例案と人事案を本定例会に追加提案したい。