国指定名勝「池田氏庭園」

明日12日まで特別公開

巨大な雪見灯籠、庭園の規模にため息(6月11日・土)

  大仙市高梨の国指定名勝「池田氏庭園」の特別公開が11日から明日12日まで行われている。池田氏庭園は昨年2月、秋田県内では十和田湖・奥入瀬渓流、角館町の桧木内川堤の桜並木、象潟町の「奈曽の白滝」に次いで4番目の国指定名勝で、庭園としては初めて。

  「池田氏庭園」は個人住宅であり、日常生活の場であることから、公開はしてなかったが、国指定を受けたのを機に池田家から承諾を得て昨年から特別公開するようになった。午前9時から公開が始まると、県内各地から次々と見物客が詰めかけた。中には東京、埼玉など県外から訪問もあった。仙北総合支所では池田家までシャトルバスも運行、見学客を運んだ。

  一方、池田家正門前では国指定名勝となったのを機に庭園の保存整備と池田家の功績を後世に伝えようと昨年10月に発足した池田家顕彰会(伊藤稔会長)の会員8人が案内人となって待ち受け、10人前後のグループとなっては案内。

  池田氏は明治時代中ごろから戦前まで旧高梨村の村長を務め、山形県酒田市の本間氏、宮城県河南町の斉藤氏と並ぶ大地主だった。最盛期には1200ヘクタールもの田んぼを持っていた。庭園は明治29年(1896年)の六郷大地震で家屋が倒壊したのを契機に耕地整理事業に合わせて屋敷地を拡張、秋田市の千秋公園を設計した長岡安平の協力を得て、明治末ごろまでに地割を行って、大正時代に完成させた。

  敷地は約4万2000平方メートルあり、上空から見ると池田家の家紋である亀甲を表した六角形をなしている。周囲は石垣を伴う堀や土塁で囲まれている。母屋は昭和27年(1952年)2月に焼失、その後も多くの施設も失われたが、庭園及び母屋の基礎、洋館、薬医門、米蔵、味噌蔵などは現存し、当時の面影を現代に伝えている。

  見学客は案内する顕彰会員の「この庭園にはプールもあって、番頭や支配人など管理職だけで30人、それに奉公人や日雇いも入れると150人もの使用人がいました」などの説明を耳にすると「ホーッ」「ヘェー」と驚きのため息をもらしていた。

  中島もある池はいま紫色のカキツバタが満開。その池には高さ及び笠の直径が約4メートルもある国内最大級の「雪見灯籠」がある。笠の広さは「畳8枚分」の説明を受けると見学客は「エーッ」とさすがにビックリして笠を見上げたり、灯籠を背景に記念写真を撮っていた。

  庭園には赤松、モミジ、ケヤキ、ドウダンなど50種、751本の樹木もあり、今が最も緑輝く季節。案内する顕彰会の会員は「池田家は無料の診療所、さらには県内初の学校給食開始など常に村のために尽くし、小作人をとても大事にしたものでした。ですから今でも地元の人たちは池田家に尊敬の念を持ってます」とその功績も紹介。見学客は東北3大地主と呼ばれた池田氏庭園の構成の見事さに目を見張りながら、顕彰会員の声に耳を傾けていた。

  特別公開は明日も午前9時から午後4時まで。見学時の写真撮影は個人のプライベートもあり、指定した場所以外はできない。三脚の使用、商用目的の撮影は禁止。公開整備協力金として1人200円を求める(中学生以下無料)。駐車場は池田氏庭園正面前と仙北庁舎駐車場。仙北庁舎からシャトルバスが出る。雨天時は長靴必要。(本紙から=2日間の特別公開の入場者は約2500人だった)