カギのことならお任せ
防犯設備士の佐藤さん=どんな錠前でも応じます(6月21日・火)
大仙市高関上郷字高屋敷の国道105号沿いでカギの救急車「キーロック」という会社を経営している佐藤宏さん(53)は、錠前とカギの事なら何でも相談に応じられるという〃特殊技能〃を持っている。依頼を受けてカギを紛失した金庫を開けることもあれば、カギを無くした住宅のドアのカギを作ることも。その上、佐藤さんは国家公安委員会認定の「防犯設備士」の資格も持っている。
どちらが本職か分からない。と言うのも名刺をもらうと有限会社「北浦建塗工業」の代表取締役であり、塗装工事から各種リフォームもやっている。その上、カギの事なら何でもと言うわけだ。佐藤さんの特殊技能は、カギを無くしたからとスペアキーを元に同じカギを作るのではなく、そのスペアキーさえ紛失してしまったドアの錠前、車のドアのキーを作れることだ。特殊な工具で錠前を分解し、その錠前にあったキーを現場で作る。
合いカギならどこの店でも数百円で作るが、佐藤さんの仕事はカギを紛失した錠前のカギを作る特殊技能だけに工賃は1万円以上する。しかし、カギを無くした人や金庫のダイヤルナンバーを忘れて困っているスーパーなどにとって、佐藤さんの技能は「地獄で仏」のようなもの。
佐藤さんがカギの仕事を始めたのは20年ほど前。そして1994年に「防犯設備士」の資格も取得した。3日間、仙台市で住宅やビル、マンションの防犯のためのカギに関する知識や防犯街路灯、赤外線カメラなどセキュリティ機器に関する講習を受け、その資格を取得した。
防犯設備士は簡単に言えば、いかにしてドロボウの侵入を防ぐかを診断する仕事。佐藤さんによれば、最近の住宅は玄関ドアだけは高度な技術で錠前も簡単に開けられなくなったが、勝手口など裏に回るとほとんどが〃無防備〃だという。盗みを専門にしているプロだったら、勝手口からならカギは掛かっていても1分もかからず侵入できるとさえ言う。「余り詳しいことは言えないが、勝手口のドアの強度が弱過ぎる」とメーカーに警鐘を打ち鳴らす。
一方の部屋の窓ガラスは以前はペアガラスで破って入ろうと思えば簡単だったが、最近は中に障子も入った三重構造のサッシも普及、三重のロックが掛かって侵入しにくくなったと診断する。「ドロボウさんは侵入するのに5分以上もかかる防犯設備を目にすると諦めます」と佐藤さん。だから防犯上、弱いと思われるアルミサッシ戸なら市販されているフイルムをガラスに張って、割られてもガラスが下に落ちないよう強化するといいとアドバイスする。
佐藤さんは紛失したカギを作るだけでなく、ドアを交換したり、錠前をより安全なものに交換するなどの仕事も引き受ける。佐藤さんが勧める錠前はピッキングという手法で窃盗被害が多発したため、警視庁とセキュリティメーカーが一体となってその破壊強度を認めた「PC認定錠」。これだとドリルやバールなど破壊工具を使っても壊すまで5分以上の時間がかかる。結局、窃盗犯は侵入を諦めてしまうと言う。
最近の佐藤さんにはさらにコンピューター管理のドアのトラブル解消という仕事も出てきた。銀行や工場などに普及し始めたもので、バーコードの名刺や指紋、声紋の照合でドアが開いたり閉まったりするハイテク錠だが、〃端末〃が雪で凍って開閉できないなど雪国特有のトラブルに巻き込まれるという。そうしたハイテクも研究し、トラブル解消を引き受けている。
その佐藤さん。最後に貴重なアドバイスをした。「一番大事なのは、留守をする時は隣近所に声をかけること。これが一番です」と。そして住宅は玄関だけでなく、裏口の人の目の届かない所の防備を大事にと。