2助役の選任に不同意
教育委員の1人も=議会、人事への風当たり強める(6月28日・火)
大仙市の6月定例議会は27日、本会議を再開、平成17年度一般会計当初予算、同補正予算など予算案27件、市過疎地域自立促進計画など単行案13件、専決処分報告14件、条例案7件の合わせて61議案を原案可決、承認した。続いて議会は追加提案された監査委員など人事案11件、助役定数を2人とする条例制定案、収入役を助役に兼掌させる条例制定案を可決、同意した。しかし、助役定数を2人とすることは認めたものの、旧西仙北町長の小松隆明氏(58)=同市刈和野=と秋田市の第一助役を務めた元国土庁東北開発室長の照井清司氏(62)=秋田市出身・東京都区在住=を助役に選任する追加案は投票の結果、賛成少数で否決された。助役選出の前に行われた5人の教育委員の任命についても投票が行われ、1人が否決されるなど人事をめぐって、議会からの栗林市長への風当たりは強まった。議会は会期を3日間延長し、30日までとした。
議会は監査委員2人、固定資産評価委員会審査委員3人、人権擁護委員の候補者2人の推薦には全会一致で同意した。しかし、教育委員5人、それに助役2人の同意を求める人事案件はいずれも無記名投票という手段を選んだ。
しかも、議会の人数は126人。この日は123人が出席。投票は議長を除く122人で行われたが、投票から開票結果が出るまで1回ごとに20分平均の時間が費やされた。教育委員を任命するため、その投票が5回も繰り返された。その挙げ句が一人に対して議会は賛成32、反対88、無効2で否決した。教育委員は〃政治〃の駆け引きとは縁のない世界だけに、候補者として声を掛けられた人には不本意な結果となってしまった。
さらに助役を巡っての投票では小松氏に対しては賛成39、反対80、無効3、照井氏も賛成39、反対81、無効2でそれぞれ不同意となった。栗林市長にとって助役人事の否決は大曲市長時代も含め、2度目。
午後9時まで時間延長されていた議会は午後8時18分に幕を下ろしたが、当局側は新市の教育委員が1人同意されなかったため、法律で規定する「教育委員会を組織するのに必要な委員5名に満たない状況」で違法状態になるとして、新たな委員の任命案件を審議するため会期を30日まで延長した。
助役人事が否決された事に対して議員の一人は「結局、市長の気持ちが議会に届かなかっただけ」と言い放った。加藤勲議長も「市長の失策と言うより、市長選という戦争が終わったばかり。そのしこりもあるのに、選挙を一生懸命やった人を助役に推すのでは論功行賞ではないかと抵抗もあった。一方の候補者はどういう人物なのか、議員も面識もなく分からないという説明不足の面もあった」と話した。
いわば根回しが足りないまま人事案を提出した拙速さがあったと議会は指摘する。しかし、栗林市長自身も議会の協力を得たいと議員個々の説得に歩いたのも確か。だが、126人もの議員全員に自身の気持ちを浸透させるには無理があった。大仙市長としての多忙な公務を一人で担うには限界を感じての今回の助役人事だったが、結局は9月の市議選を経て、定数30の新しい議会が誕生するまで我慢の日々を重ねるしかないようだ。
「議員報酬統一せよ」も否決
一方、この日の議会で議員の在任特例期間中の報酬に格差があるのはおかしいと旧太田町議の市議が、議員報酬を最も高い旧大曲市に統一すべきだとして「議員の報酬、費用弁償等に関する条例の一部改正案」を12人の賛同者を得て提出。この議員は17日の一般質問でも「旧市町村の議員報酬を適用したため、同じ議員でも報酬に格差がある。違法ではないか」と質問した。
この日も「報酬の差別はおかしい。対等合併の大義を成就させたい。議会の活性化にもなる」などと提案理由で説明。これに対し議員からは「合併協議会でかなりの時間をかけて審議し、最終的に新市に財政負担をかけさせるべきでないと決めたもの。法定の協議会であり、違法性はない」などの反論もあった。これも無記名投票の結果、賛成32、反対88、無効2で否決された。議員報酬は旧大曲市が37万4000円なのに対し、旧町村では最も低い旧南外村で25万円となっている。
議会ではこのほか、「地方議会制度の充実強化」に関する意見書と「地方6団体改革案の早期実現」に関する意見書を可決した。また全議員の発議で「非核平和都市」を宣言する決議も可決した。
補正予算を含む当初予算は457億9550万3000円。旧8市町村の前年度の当初予算総額との比較では、34億5170万6000円の減、率にして7%の減となった。
選任、任命された委員は次の通り。敬称略。
【監査委員】▽田牧貞夫(63)=角間川町字東中上町・新任=横手高校卒。大曲市土木課長、民生部長、議会事務局長などを経て同市代表監査委員▽長澤春男議員(59)=太田町駒場字高倉・新任=。
【教育委員】▽笹元嘉辰(68)=花館柳町・再任=秋田大学学芸部卒。県教育庁義務教育課長補佐、角間川小学校長、県教育庁南教育事務所長、大曲中学校長、大曲市教育長などを歴任▽伊藤甫(61)=高関上郷字上野・新任=秋田大学学芸部卒。県教育庁高校教育課課長補佐、県総合教育センター所長、大曲農業高校長などを歴任▽信田健(59)=刈和野=秋田経済大学卒。秋田トヨタ自動車、日榮堂代表社員、西仙北町教育委員などを歴任▽後藤眞暎(58)=高梨字金堀=日本大学医学部卒。国立療養所東京病院、東京少年鑑別所法務技官、後藤内科医院開業。
【固定資産評価審査委員】▽佐藤幸之助(71)=豊岡字上野=角館高校(定時制)卒。中仙町豊岡農協、同参事、中仙町農協総務課長など歴任▽竹内誠一(70)=大曲須和町2丁目=角館高校卒。本荘税務署総務課長、仙台国税局税務相談室主任税務相談官盛岡分室長など歴任。現在、秋田地方裁判所司法委員、秋田家庭裁判所参与員▽佐藤浩康(62)=土川字半道寺=大曲農業高校卒。農業。
【人権擁護委員】▽工藤淳志(72)=土川字半道寺・再推薦=駒澤短大仏教科卒。西仙北町中央公民館長、県社会教育委員など歴任。宗教法人宝泉寺住職▽和田庸子(62)=協和上淀川字西町後・再推薦=秋田大学学芸部卒。船岡小、淀川小教諭、西仙北町立双葉小教頭などを歴任。
【選挙管理委員】▽齋藤武(67)=豊川字内村・新任=会社員▽佐々木康浩(57)=神宮寺字荒屋・新任=新聞販売▽進藤高夫(57)=協和峰吉川字峰吉川・新任=農業▽佐々木優(49)=大曲船場町2丁目・再任=弁護士。以下、補充員▽阿部博安(67)=土川字上野・新任=農業▽佐々木誠孝(58)=橋本字上橋本=農業▽佐藤章(57)=南外悪戸野・新任=商業▽黒田正明(54)=太田町駒場字羽黒堂・新任=神官。